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②『ケーキの切れない非行少年たち 1 』鈴木マサカズ(2020・バンチコミックス)

ケーキの切れない少年少女。
2人目の登場人物は門倉さんていう女の子である。15歳で妊娠8カ月。父親はわからない。カッとなって担任教師に暴力をふるい、傷害の罪で少年院にやってきた。IQ79(70〜84が境界知能)。

彼女が受ける『暴力防止プログラム』なるものがとっても興味深かったのでメモっておこう。
こちらは怒りのコントロールを学ぶためのプログラム。ストレスをどのように発散するか、みたいなことも教えてもらえるらしい。

実際にどうやるのか。これ、漫画で読むと凄くわかりやすかった。

まず「違った考えをしようシート」に具体事例を記入、日時や場所、何があったのか、その時どうしたか、どう思ったか、その時の気持ちはどうだったかを書いてゆくのだが、門倉さんの記入はこんなふう。↓

「10月17日」
「2時ごろ」
「ろうかで」
「他の子とすれ違ったときに」
「その子が私の顔を見て笑った」
「私をバカにして笑った」
「怒り80%」

で、ここまで書いたら次は「嫌な気持ちを下げるため」の違った考え方を3つ書くように指示される。
門倉さんの記述はこう。

①私も今度笑ってやろう 怒り85% もっとイライラしてきた
②むししよう 怒り60% 思い出してしまう
③思いつかず

なるほどなと思った。
①も②も「私をバカにして笑った」という想定が根拠の別パターン。雰囲気を変えて書いてるだけで、門倉さんの弾き出した答えは結局1つきりなのだ。となれば「違った考え方を書け」という指示に応えられていないコトになるけど、たぶんこの点にも気づけていないと思われる。
理解力と想像力不足ーーー

と、ここまで読んで「発達障害」「想像力」で検索してみると・・・・
(※この漫画の大きなテーマは境界知能や発達障害なのです)

そっか。そういうことなのか。
きっと今までもこういう記述を目にしてはいたんだろうけど、それが具体的にどういうコトなのか、私はちっとも理解していなかった。

門倉さんの頭の中には1つきりの答えしか思い浮かばない。もしかしたら、門倉さんが他罰思考に陥りがちな原因のひとつがコレなのやもしれんね。(「(自分は悪くない)ってことは、悪いのは当然相手側である!」という発想に至り問題を起こすというのが門倉さんの行動パターンである)
加えて知的なハンデがあるとパニック(癇癪や暴力)をおこしやすいのだそう。(門倉さんにはこれもある)

そうか。そうなのか・・・・。これじゃあ不幸を招いてしまう。なるほど、人間関係が難しくなるわけです。手強き問題だ。

こういうプログラムって実際にどれくらいの効果があるものなのだろう?
効果があるのなら人生のなるべく早いうちからトレーニングをスタートできたらいいよね。そのほうが苦しみの期間が短くなりそう。

認知の力を鍛えるって凄く大切なことなんだな〜ということに、今回、改めて気付かされました。
漫画の力ってスゴイ。

そして門倉さん編のラストが泣けるっ(涙) よかったね、門倉さん。愛菜ちゃんのためにも幸せになってほしい。


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