TakamineギターのLTDモデル、カスタムモデルの足跡を辿る(前編)
タカミネ楽器は岐阜県現中津川市に工房を構えるエレアコの先駆者として世界的にも有名な純国産メーカーですね。
毎年独創的で、どこか日本的な美的センスを感じさせるLTD(Limited Model)をリリースしており、毎回お客様の評判も良いギターのため、私も毎回楽しみにしています。
今回は2021年リリースが決まった「Blue Rose LTD 2021」にふれながら、過去のLTDモデルやついでに私がカスタムオーダーしてきたモデルについても振り返ってみたいと思います。
Blue Rose LTD 2021
Blue Rose LTD 2021のインレイマテリアルには岐阜県で400年以上にわたり継承されている天然の藍を使用した正藍染と呼ばれる技法で染色された生地を加工し使用されています。
タカミネサイトによると、自然の風合いが際立つ本藍染でBLUE ROSEを表現しており、藍染め特有の時間経過による色合いの変化を共に表情を変えていきます。とあり、今後のカスタムオーダーにも採用したくなる欲がわいてきて早くもウズウズしてきます。
タカミネ楽器では元々カスタムオーダーの受付も行っており、お客様からのオーダー品や店舗からのオーダーに柔軟に応えてくださるメーカーですが、こうしたLTDモデルに採用した独自仕様を流用するのはたぶん、難しいでしょうね。歴代のLTDモデルを復刻してくれ!と何度も頼んでいますがOKが出ません。ちゃんとこだわりを持って毎年リリースするモデルですから無理もないですが。
スペックは以下の通り。
TOP : SOLID SPRUCE
BACK : SOLID SAPELE
SIDES : SAPELE
NECK : MAHOGANY
FINGER BOARD : STRIPED EBONY
SCALE : 630mm
NUT WIDTH : 42mm
PRE-AMP : CT4-DX(DMP)
COLOR : CBG (Charcoal Blue Green)
WITH HARD CASE : HC-800
当店、クロサワ楽器名古屋店でも注文を入れてありますので入荷しましたら詳細をお伝え致します。
ここまではLTD 2021のご紹介でしたが、前年までの歴代LTDにはどんなものがあったでしょうか。ちょっと振り返ってみましょう。
LTD2020 -Peace-
2020年のLTDは愛和の象徴と言われる鳩とオリーブをモチーフとし、材はSOLID SPRUCE TOP、SOLID OVANGKOL SIDE&BACKの組み合わせ。小ぶりで弾きやすいギターでした。この時も木部への木地着塗装が採用されていて、杢目の美しさを見せながらのカラーリングに成功しています。女性人気も高かったモデルでした。
上はメーカーサイトで発信している動画でシンガーソングライターの「さぁさ」さんが出演されています。
LTD2019 -Moon-
1969年、人類が初めて月面に降り立った。
あれから50年。
古来より人類は月に神話を写してきました。2019年に登場したのは人類のロマン=月をモチーフとしたインレイが施されたLTD2019 MOONです。
ギターインレイには白蝶貝を使うのが一般的だったりしますが、MOONでは白蝶貝他にも人口石などの同系色の異なるマテリアルを使用することで月面のボコボコとした微妙な質感を表現しています。月に照らされ青く灰色が買った夜空をイメージしたMidnight Grayの新カラーも話題となりました。
また、新設計シン・ラインボディ(薄い胴厚)も非常に高いプレイアビリティを実現、好評を博しました。それを受けシン・ラインボディはレギュラーラインナップにも採用されています。
LTD2018[Gifu-cho]
ギフチョウは1883年に岐阜県で採集され、現在ではレッドリストの準絶滅危惧指定、国の天然記念物指定を受けているアゲハチョウの一種です。LTD2018は里山に美しく舞うギフチョウを地場への思いとともにデザインに込めました。
(メーカーサイトより引用)
LTD2018[Gifu-cho]の画像を一見するとスプルーストップに見えますが、実は褐色のシダートップ。薄いアイボリーの木地着色を施す事で木材の個性が最大限に引き出され荒々しい風合いが再現されていました。
真骨頂のCNCルータを用いた高精度のインレイワークはもちろん事、言われなければ気づけないこだわりが満載のLTDモデル、まだまださかのぼって紹介しようと思いますが、今回はこのへんで。
次回(中編)をお楽しみに。
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