恵方巻商戦の話。
やぁ、いらっしゃい。今日も来てくれてありがとう。
家で記事を書いていると、猫さんが隣に来る。
クッションの上でグーグー寝てることが多いんだよね。
少し手を伸ばせば触れる距離感。別に逃げない。
ついつい触ってしまうとモフりたくなって時間をとられる。
海鮮居酒屋。
K氏は飲食店経営の傍ら、看護事業などを行う男性経営者。
以前に訪問看護のお話で取り扱ったことがある人だね。
K氏は対外的にはとても豪快な性格。
しかしながら、いざ経営面となると繊細なところも持ち合わせる。
前回の記事を書いた頃から約半年。
付き合い方も徐々に変わる事で、見え方も変わる。
会うことはほとんどないけど、話をしたり人づてに聞くことは多々。
今記事を書いているのは1月19日なんだけど、
グリーンの記事は2ヶ月くらい先にアップされちゃうんだよね。
ただ、2月には節分ってあるじゃん。
何書こうかなぁって時にそんなお話が出たから、
そうだこの話にしようって流れだね。
そういうことで2月頭に滑り込ませる記事の制作。
今回はそんな節分のお話だよ。
そして忘れていたので、5日になったって話。
恵方巻。
2月3日は節分だよね。
「鬼は外、福は内」ということで豆をまく日。
豆には何やら霊力的な力が宿る伝承があるそうで、
鬼に見立てた邪気的なものを豆でお祓い。
その後、福を家の中に放ち、年の数だけ食べることで、
災厄や病気から身を守る意味合いのある伝統行事。
余談だけど、子供の頃に外に豆をまいた後に、
家の中に豆をまいて怒られた記憶があるね。
伝統は家庭によって差があるということだそう。
そして何より「恵方巻」を食べる文化。
七縁起にちなみ、7種類の具材を包む恵方巻きは、
「福を巻き込む」食べ物と言われているそう。
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1本丸かぶりということで「縁を切らない」
というゲンも担がれており、実は理由がしっかりある。
これも子供の頃から食べていたけど、
正直なところ得意なものじゃない。
恵方と呼ばれる、予め定められた方角に全員が向いて、
無言で巻き寿司を食べていく。
この不気味な文化の意味合いも知らずに、
形だけ合わせながら毎年粛々と食べていく。
歳を重ねてから縁起物ということで、
その意味合いを知った訳だけど当時は情報不足さ。
何やってんだよと子供ながらに思っていた記憶が鮮明。
廃棄問題。
少し余談になる。恵方巻文化も闇が深い。
2月3日限定での販売、それが全国規模での知名度。
「出せば売れる」状況が作り上げられていた。
各地のコンビニやスーパー、各飲食店舗。
既に七品目という枠を超え、映えに映えた具材の恵方巻。
見ただけで食欲をそそるような豪華絢爛の高級具材群。
1本辺り、5,980円程度は当たり前。
写真で見る限り、米の層は5mm程度かと思われる。
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中身に大トロやうに、いくら等々海の幸を強引に詰め込んだ、
明らかにバランスのおかしい食材チョイス。
これを始めとして、多くの恵方巻きが店頭に並びだす。
安いものも高いものも飛ぶように売れていく。
言うなれば年一回の限定品。
購入者はどういう感覚で買っていくのか。
家族の数+余裕を持って買っていくように、
数本単位で売れていく。
全国的な流行りになるもんだから、
閉店頃には多く売れた反面、多くの売れ残りも発生する。
それが連日報道になった「恵方巻大量廃棄事件」。
売れるから余り覚悟で大量生産、大量廃棄も辞さない。
一説によると、数百万本単位での廃棄が毎年行われているそう。
その為、逆に恵方巻文化を敬遠する店舗も続出。
売り切れ御免の限定生産に振り切る流れにはなっている。
が、依然として廃棄は継続。おそらく今年もその流れになりそうだね。
個人店の勝負所。
さぁ、話を戻そう。
K氏のお店は海鮮居酒屋。
ランチタイム、ディナータイム共に営業をしている、
都会でありながらマンションで立ち並ぶ立地に位置しているお店。
近場の常連客が多くを占めるが、
町内でもある程度の顔役となるK氏は、人脈も広い。
ディナータイムでは知り合いの企業の宴会などで、
満席にしていくなど、一発の売上が非常に大きい。
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また、実家が少し離れているものの漁業関係ということで、
仕入れルートが確立されており、優先的に安く良質なものが手に入る。
その為、地味なロケーションでも何だかんだ、人気のある店でもある訳で。
クエ鍋、ふぐ鍋、カニ鍋。
色んな高級鍋を予約限定で提供出来る事は、近隣にない強みとなる。
そして、毎年の恵方巻も何だかんだ勝負所となってくる訳さ。
受注生産。
商業主義の成れの果てのような大量廃棄。
流石にK氏も心を痛めるところがある。
確かに大量に作って、店頭に出せば相応に売れる自身もある。
廃棄上等で朝から晩まで生産と販売をしていけば、
数百本、何なら千本を超える見込みも立つ。
でも敢えて、事前の予約制に振り切り受注生産の形式を取る。
一応、店頭販売用にも製造はするが、おまけ程度のもの。
毎年、近隣企業や住人、町内会、コミュニティの人脈。
フル活用して声をかけること、はや数年目。
徐々にK氏の恵方巻きは知名度を高め、
この時期になると、思い出されるようにまでの位置にはついている。
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前述したゴテゴテの恵方巻ではなく、
クラシカルな想像のつくタイプの恵方巻。
近場であれば、配達も行うため朝一番の製造から、
配達業務も配置して、総動員。
人の輪の広い企業主などは百本単位で予約をしてくることもあり、
想像を絶する作業量だという。
個人に数本単位の販売より、
大きくごそっと販売する方がてっとり早い。
結果的にこのイベントだけの売上で100万円を超えるという。
個人店でこれは大きいよ。
これから。
コロナ禍に苦しんだ飲食店ビジネスも、
今では元気を取り戻し、冬場は大体お客さんが入る。
K氏が訪問看護に力を入れることには理由があって、
偏ったビジネスだけをしていても衰退が来る。
多岐にわたる事業展開と、良質なサービスの提供。
ここを意識しつつ、周囲の助言・相談を活用する。
色んな話をすることもあったが、初見の豪快で適当な雰囲気は、
少し印象を変えて、緻密で繊細な部分も見られる印象を持ったね。
何だかんだ、結局は人に対して行う商売。
状況は変わらなくとも、方法や戦略はいくらでも変えられる。
初心を忘れず、刺激を受けたお話だったとさ。
おしまい。
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