やさいクエスト(第三回)
Ⅲ.第一章 希望をはこぶものたち(2) と、控室に戻ろうとしたキャベツを、ジャガイモが小声で呼び止めた。王を目の前に緊張し、というわけでもなさそうだ。キャベツは彼の意図が汲めぬまま、ジャガイモと揃って頭を垂れた。
「この度の両者の戦い、まことに見事であった。特に勝者ジャガイモ、お主こそ次代の勇者となるにふさわしい。この闘技大会がどのような意味を持っておるかは、心得ておるな?」
「勿論でございます。国の武芸の頂点を極めしこのジャガイモ、必ずや世界に平和をとり戻してみせましょう」