見出し画像

変なデッキで6割勝ちたい

はじめに

「変なデッキで勝ち越したい」きっと誰しも一度はそう思ったことがあるでしょう。実際、相手に全くこちらの手を読ませずに勝ちきってしまうことには、独特の爽快感があります。
しかし、何も考えずに変なデッキを組んで手を読ませなかったとしても、ただ相手の強いデッキが強い動きをしているだけで負けてしまったのでは意味がありません。そこで、「勝てる変なデッキ」と「勝てない変なデッキ」の差とは何かを考えて、実際にデッキを作ってみるのが今回の記事のテーマです。

勝てない変なデッキ

勝てない変なデッキには共通して一つの大きな特徴があります。それは、自分の勝ち筋のみを考えて、相手の動きを一切考慮していないことです。
例えば、アグロやバーンデッキが多い時期に狂乱のような自傷ギミックを使ったり、あらゆるデッキにギルネリーゼが3枚入っている時期にアグロデッキを使ったり、ユキシマなどの強烈なエンドカードが多い時期に遅いコンボデッキを使ったりするのは悪手です。

これは、変なデッキだけではなく、通常のデッキ選択にも言えることです。つまり、変なデッキだろうと通常のデッキだろうと、メタが読めることが第一になっているわけです。
現在のTier1とされるデッキはディスカドラゴンと秘術ウィッチですが、それに対して次のような普通のチェスウィッチを持ち込んだとしても、まず勝ち越せません。

このデッキにはカウンターマジックが入っているため、なんとなくこれで1ターンしのいでから、相手が作った強い盤面を当て先にしてキングを着地させて勝つような動きができそうですが、実際にはそれは難しいです。

理由はデッキ全体としてライフ回復手段が少ないことと、こちら側の強い盤面形成が相手からのバーンダメージを吸収してくれないことです。チェスウィッチが相手だとわかっていれば、ディスカドラゴンならキングをウーラノスの当て先にすることを積極的に狙ってくるでしょうし、秘術ウィッチなら序盤にはスタックの消費を優先して、フィニッシュターンはスペリオルコントラクターを投げるターンと盤面を無視してバーンダメージを与えるターンに分割してしまえばキングが盤面いようがいなかろうが関係ありません。

勝てる変なデッキ

ディスカドラゴンや秘術ウィッチに共通して強く出るために必要な要素があります。それは大幅なライフ回復手段とダメージカットorライフ上限上昇です。ディスカドラゴンや秘術ウィッチよりも遅いコントロールエルフやビショップは、この要素を持っているために、フィニッシュターンが遅いことが許容されているのです。

大幅な回復手段とダメージカットorライフ上限上昇を組み合わせれば、ディスカドラゴンや秘術ウィッチからのリーサルを確実に遅らせることができ、ホーリーセイバーや直接召喚ギルネリーゼなどのこちらのフィニッシャーを後出しして勝つことができます。
逆に言えば、これらのようなメタる側の視点からそのエッセンスをデッキに加えていくことで、強いデッキに対して強く出られる変なデッキを作ることができそうです。

大幅な回復手段といえばギルネリーゼです。そしてウィッチには強力なダメージカット手段としてカウンターマジックがあります。つまり、ウィッチは考え方次第ではディスカドラゴンや秘術ウィッチに強く出られる可能性があります。
幸いにも、ウィッチにはユキシマという強力なエンドカードが存在するため、試合を引き延ばしてユキシマでフィニッシュするコントロールウィッチを作ることはできそうです。

ギルネリーゼ入りでユキシマでフィニッシュするコントロールウィッチの基幹パーツになりそうなのは、次の12枚です。

最低限必要そうな枚数を入れただけなので、2枚入りのカードが後に3枚になることはあるでしょう。ギルネリーゼ以外はスペル軸で使うカードなので、スペル寄りのコントロールウィッチを組みたくなりますが、上でチェスウィッチを紹介したのですから、せっかくなのでコントロールチェスウィッチを作ってみましょう。

チェスウィッチの基幹パーツは次の15枚です。フレイアが入らない場合は全てのカードが3枚必須になります。どちらの場合も総枚数は変わりませんが、キングやクイーンが手札で固まって動けない事故を嫌うならフレイアを入れたほうがいいでしょう。

チェスパーツでデッキ枠を埋めたことで、デッキ全体がかなりフォロワーに寄ったため、知恵の光やチャクラムウィザードのようなスペルパーツにデッキ枠を割くのはあまり効率が良さそうではありません。
ここで、相手の盤面にポーンの当て先を作りながら自分のドローを進められる、チェスウィッチと相性の良いカードが2つ浮かびます。ベルエンジェルと大いなる意志です。スペル軸にベルエンジェルの枠を作ることは難しいですが、今回はフォロワー主体のデッキであるため、無理なく入れることができます。
大いなる意志やベルエンジェルは盤面をロックしながらユキシマに繋げられるカードでもあり、これらと方向性が噛み合っているカードがチャームマジックになります。

このデッキがどのように勝つかを考えてみると、ポーンの破壊カウントを稼ぎながら9ターン目までゲームを引き延ばして、手札で温存した0コストのキングとユキシマを同時に出して勝つことが多くなるでしょう。

ここまでの情報から仮組みしてみると、次のようなデッキができあがります。

以上が勝てる変なデッキを1から作るときの大雑把な思考プロセスです。

流れとしては、
1. 強いデッキが持っている強い要素を探す。

2. 強いデッキが持っている弱点を探す。

3. 弱点を突くために最低限必要なカードを列挙する。

4. 自分の勝ち筋を作るために最低限必要なパーツを列挙する。

5. 3と4で挙げたカードと相性の良いカードを列挙する。

6. 3~5を40枚にまとめてみる。

7. とりあえずランクマッチで数十戦回しながら、細かい枚数調整をしていく。
となります。

要は、強いデッキの負け筋をしっかりカバーしながら、こちら側もある程度太い勝ち筋を持っていれば、勝てる変なデッキというのは作れるということです。

アドカレについて

こちらの記事はシャドバアドカレ2022に参加しています。昼の部はまだ空きがあるようなので、皆さんも何か書きたいことがあれば、この機会に些細なことでもよいので書いてみてはいかがでしょうか?

いいなと思ったら応援しよう!