デジタル医療に対応する規制改革が必要な理由
医療アプリのアップデートやバージョンアップの度に承認が必要となれば、時間も必要ですし、当局とのやり取りの労力(書類作成、質問対応などなど)も必要ですし、費用も必要です。数秒長くても数分で終わるアップデートに半年とは気長過ぎます。。。
11月に以下のnoteを書きました。
世界初の禁煙アプリが承認されたときです!
厚生労働省は11月11日、医療スタートアップのCureApp(キュア・アップ、東京・中央)が開発した禁煙治療向けスマートフォンアプリを保険適用すると決めた。治療用アプリとして国内初の保険適用となる。医薬品のように医師が患者に処方し、患者がスマホにダウンロードして使う。アプリによる助言や指導で禁煙を支援する。
そして、12月1日から発売が開始されています!
この世界初の禁煙アプリを手放しで喜んでいたのですが、そんな甘いものではないと言う記事が出てきていて、ちょっとションボリです。
人工知能(AI)やスマートフォンのアプリを使う「デジタル医療」の前に国の規制が立ちはだかる。ソフトのアップデートをするたびに、医薬品などと同じような承認手続きが要るためだ。病気予防につながる最新技術も多く、規制改革の遅れは医療費高騰の一因にもなる。
どんな話かと言うと、まだ制度が追いついていなくてアプリのアップデートやバージョンアップをするにも国に届け出なくてはいけなくて、最悪の場合は承認に半年以上かかるかもしれない。。。
医療用アプリにも同じ課題が生じている。禁煙治療用のスマホアプリで国内で初めて「デジタル薬」の薬事承認を受けたキュア・アップ(東京・中央)。アプリを改善するためボタンの色や大きさを変更したくても「それが可能なのかも分からない」(佐竹晃太代表)。国は「軽微な変更であれば届け出は不要」としているものの、その基準は示されていない。
そしていつもの話として、米国当局FDAの動きの速さ。。。。
米食品医薬品局(FDA)ではデジタル医療の開発についてガイドラインが示されており、企業は対応しやすい。9月には部局を横断した専門組織を立ち上げたほか、ソフトの設計や管理体制を評価し、迅速なアップデートを認める新制度の導入を急ぐなど、企業の開発を後押ししている。
これはすでに2020年9月末にデジタル医療の専門部隊をFDA内に創設しています。アメリカが速いのか、それとも日本が遅いのかは分かりませんが、このいつも通りの展開にはほとほと飽きました。。。
このDHCEの取り組みを厚労省がウォッチしていないはずはないと思います。と言うか、協議をしている可能性もあると思います(そう思いたい)。
ここで日経の記事はこう締め括っています。
少子高齢化の進行に伴って日本の医療費は膨張を続け、年間40兆円超となった。AIやアプリといったデジタル技術を医療分野で生かせれば、病気の早期発見や予防にもつながり、公的医療保険の支払い負担を減らす効果も見込める。機動的な対応ができなければ、日本は成長分野であるデジタル医療で世界に後れを取ってしまう。
まさにその通りで、機動的な対応というのが常に言われているわけで、特にkのデジタル医療に関しては本当にダッシュで対応することが求められる分野だと思います。
再生医療製品の薬事戦略相談(今は違う名称かもしれませんが)がちょうど始まった頃に今も覚えている相談番号が5番。そのPMDAと対話では、始まったばかりなのでお互いに色々と学べたらと思っています、という言葉を今も覚えています。
そのような感覚よりももっと素早い感覚が今のデジタル医療では求められているように感じます。開発サイドも当局サイドも色々と大変だとは思いますが頑張って進めてほしいと思います!
この記事を読んでいただいたみなさまへ 本当にありがとうございます! 感想とか教えて貰えると嬉しいです(^-^)