移植医療の選択肢
ETV特集「“悪魔の医師”か“赤ひげ”か」を観ました。
<あらすじ>
2006年、宇和島市の万波誠医師が行った手術が大きな波紋を呼んだ。
がんなど病気の腎臓の患部を切除して移植する「病気(修復)腎移植」。
特殊な医療を独断で行ったと学会やマスコミから「人体実験だ」など猛烈な批判を受けた。
一方、患者たちからは移植医療の選択肢として万波医師を支持する切実な声も広がった。
“医療のあり方”をめぐり論争を呼んだ騒動のゆくえを、
当事者たちの証言とアメリカでの移植の現状を交え描くドキュメンタリー。
私はよくドキュメンタリーを観ます。
それは自分の知らない世界が色々な視点で捉えられていて、
それに対してどう考えるかは、概ね私に委ねてくれていてラクだからです。
良いとか悪いとかは置いておいて、どのような事象があったかをある意味淡々と伝えてくれるドキュメンタリーが好き。
このドキュメンタリーを観る半月くらい前に、
とあるバイオベンチャーの代表の方と会う機会がありました。
1時間の面会のところ、2時間以上も話してしまいました。
それほど会話が弾みました。
バイオベンチャーというのは、新しい医薬品であったり、医療機器といった商品を扱う生まれたての企業です。
スタートアップとも呼ばれることもあります。
もちろん会話の中でも医療についての話は沢山ありました。
新しい技術を用いた医薬品の場合、安全性というのがまず議論になります。投与された患者の安全は担保されるのか?と。。。
正直いうと、100%安全な物なんてありません。
副作用(リスク)と治療効果(ベネフィット)を天秤を掛けて、
考える必要がある世界なんです。
どんな簡単た手術だって、
何らかの感染症になる可能性はゼロではありません。
だから安全性を高める努力は必須ではあるものの、
ベネフィットがある場合は利用されるべきだと思っています。
そのためには、事前に書面等での確認(インフォームドコンセント)が必要だとは思います。
なので、医療従事者だけでなく医療を受ける私たちもしっかりとした知識を身につけておく必要があると思います。
私が何らかの疾患に罹ったら、その病気を調べると思います。
飲む薬についてなどの医療の選択肢も。
このドキュメンタリーでは、当時日本では認められていなかったがんのため摘出した腎臓の移植についてを扱っています。
もちろんがん細胞がある部分は除去した上で移植します。
でも日本での論調は、人体実験だ!とか結構厳しいものでした。
当時はすでにアメリカではそうした医療が行われていて、
それを裏付ける考えもリスクとベネフィットの天秤です。
また、
実際に日本で移植を受けた人は移植までは透析を余儀なくされており、
病気腎移植によって救われたとコメントしています。
必要な人に必要な医療を届けるというのは難しいのでしょうけれど、
医療を受ける側がリスクと取ってでも受けたい医療がある場合に、
その道が閉ざされているのは何とも辛いことだなと思いました。
まあ、医療を提供する側としたらやりずらい事もわかります。
両者が良いバランスで存在できるといいなぁ。
と思わずにはいられません。
ちなみに10数年掛かって病気腎移植は現在先端医療として認められている。
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