自分では想定できない経験があると、結果として成長できるのでは?
今回のCOEMOのテーマは、「成長につながる複業とは」です。
〇個人の成長を考えたとき、複業をどのように活用すべきだと思いますか?〇個人が1つの組織だけで成長を続けるのは困難で、複数の組織にまたがった仕事をこなしてこそ成長は最大化できる、との考え方をどう思いますか。大企業のビジネスパーソンにとって、「複(副)業容認」という流れはラストチャンス、だと思いますか?
〇あなたが考える「成長につながる複業」とは何ですか?
自分では想定できないような面白い経験ができる複業というのが、結果として成長できるきっかになると考えています。
前回のテーマ「複業の壁」では、以下のノートを書きました。
複業を始めるときには、今後のキャリアへプラスになることが大切であることをしっかりと理解し、説明できることがまず最初の壁だったと思っています。
上記のnoteでも書いたのですが、成長に繋がるという視点で言うと、転職というもの選択肢の一つだと思います。私の場合は、日米のアカデミアでの研究者、製薬企業での研究者、リサーチ・データソリューション企業を2社という転職をしています。
これらの転職を通じて、日本とアメリカの違いを学んだり、アカデミアでは体験できないことを製薬企業では体験し、それらの知見・経験をリサーチ・データソリューション企業では生かすことができています。また、この転職を通じてお給料も上がりました。
この転職を通じて思ったのは、自分の中に軸となる強みがある場合、それを軸足として、職業をピボットできるということです。
私の場合は、ライフサイエンスが軸にあり、その周りに日米での研究経験、製薬企業での業務経験(研究、導入、PMDAとの対話など)が肉付けされており、前職では大学、官公庁、製薬企業、メーカーが必要とするライフサイエンス周辺のデータソリューションを学び、それらを総合した経験が現職で生きていますし、それにプラスして情報発信も業務として実施し、マーケティングの役割もやっています。
個人の成長のために複業を活用するとなると、自分の中の軸を中心にピボットしてそこに新しい知見・経験を肉付けできる複業をするというのが教科書的な答えになると思います。
ただ、ただ、これがポイントなんですが、私が前職で実施した複業をする際にはキャリアにプラスになることを説明する必要があったためしっかりと言語化が必要でしたが、キャリアにプラスになるからその複業を選択したかと言われると、「NO」と正直に答えなくてはいけません。
実は以下のようなことで決定していたからです。
<私が決断をしたときの脳内チェックリスト>
1)それを考えるとワクワクするか?
2)それをやると楽しいだろうか?
3)自分の何かで貢献できるだろうか?
実際私には何が自分の軸を肉付けられる経験になるかを事前に分かりませんし、いろいろ考えてお得に経験できることを考えたところで、私の狭い視野で決めたことから得られる経験なんてものは事前に予測がつく予定通りの経験になりがちであるのが私の経験上学んだことになります。
そのため私は、強制的に偶発的な経験ができる余地を意識的に決断に取り入れるようにしています。それをするための方法論が先ほどの脳内チェックリストです。
なにより、これをやれば成長できるという意識というか打算があると、私は興ざめしてしまうタイプなので、自分自身がそれをすることが楽しいとかのめり込めるかといったことがとても大切になっています。
安心な選択肢と不安な選択肢がある
何か新しいことを始めるときこの二つの選択肢があった場合は、不安がある方を選択することを自分にも他人にもお勧めしています。
なぜなら、安心できる選択肢は事前に得られる結果が予測可能であることを示していて、それは多かれ少なかれ経験をしたことがあることになります。一方で不安がある選択肢はこれまで経験したことがない世界だから不安になわけで、自分の世界を広げるチャンスがあると私は考えています。
複業の真の目的は、自分の器を広げて自分の人生をより楽しくすることにあると思っています。そして、複業はこの目的を達成するため多くの選択肢の内の1つだと思っています。
この視点は私が考えるものであるので、複業の目的についてそれぞれがしっかりと考えて置かないと、いろんな人が言うことに惑わされてしまうと思うので、これを機に考えてみるのも良いかも知れませんね。