両想いになるには、好きって気持ちに加えて、自分が出来ることを理解しておくのが肝要
今回もCOMEMOのテーマ企画に参加します。
今回は、企業とアカデミア人材の両方が考えるべき事について書きます。
というのも、私個人のキャリアを振り返ると、日本で博士号を取得してから、日本とアメリカでのアカデミアでのがんや免疫での研究に加えて、製薬企業での基礎研究を経験している身からすると、このテーマには参加しなくてないけない使命のようなものを感じます。
博士のキャリアについては個人的にずっと気になっていて、もう2年も前の話ですが博士の採用についての noteも書いています。
まあ、現職では研究とは全く違う分野で主に製薬企業向けに自社データベースを利用したデータドリブンな多種多様なレポートやデータ納品などのご要望を形にするコンサルタントとして楽しく仕事をしています。こんなキャリアパスもある(多分稀なケースだとは思う)ので、前職で私をチームに迎えてくれた元上司には今も感謝しています。
私が以前にいた製薬業界では、古くからアカデミア人材の活用が活発だと思います。それだけ最先端の知見が新しい医薬品の創出に関わるのがこの分野であるからだと私は認識しています。それ以外にも化学、医療機器、情報通信など新しい研究成果を元に自社製品の開発をするような業種ではアカデミア人材を活用していますし、アカデミアとの共同研究も活発だと思います。
業界によってその偏りがあるとは思うものの、今後はより両者の連携が必要になるだろうと肌感覚としてはあります。それは科学と産業の間にあった間隔が確実に狭まっているからです。
〇アカデミア人材を民間企業で活かすには、どのような工夫が必要だと思いますか?
〇どのような分野でアカデミア人材の活用が求められていると思いますか?
〇これから日本企業で複業が進んでいくと、産学連携はどのように変わると思いますか?
上記のような問いが立てられていますが、当たり前ながらアカデミア人材を受入れる民間企業側の視点とアカデミア人材自身の視点との二つの視点が大切となることは疑問の余地がないと思います。
今回のnoteでは、民間企業側とアカデミア人材側に求められている前提について書きたいと思います。お互いの歩み寄りがない事には長続きしないと思っているので、この視点から書きたいと思います。
民間企業側が考えること
少なくとも以下の3問にはしっかりとした答えや考え方を用意していないと、自社に必要な人材が現れても獲得するチャンスを逃してしまうと思います。
第一問は、そもそも、なぜアカデミア人材を活用しようとするのか。これにすらりと答えられないようでは、アカデミア人材の活用はおぼつかない気がします。。。
第二問は、採用するアカデミア人材にどんな仕事をしてもらいたいか。これも必須の質問だと思います。
第三問は、採用するアカデミア人材の人物像の詳細はなにか。第二問と付随した質問ですが、候補者の特性も含めて求める人物像は必要です。
自分たち自身が今後進めたいと思っている仕事やプロジェクトの意義やゴールをしっかりと理解していて、その上でゴールに到達するためにどのような仕事内容が考えられ、どのような人物がその仕事に必要かをはっきりと言語化できていることが必須だと思っています。
そのためには、仕事の棚卸しが必要だと思うんです。違う言葉で言うと、ジョブ型雇用の向けた準備を進めることが必須になると思います。
ジョブ型雇用に関しては、私自身がそれにあたるので思うところは色々ありますが、自分たちの仕事ってこれだよね!と言える会社であると、アカデミア人材の活用もよりスムーズになると思います。
アカデミア人材自身が考えること
これに関しは以前のCOMEMOのテーマ企画に投稿してことがあります。
それが以下の noteです。
私の持論ですが、ジョブ型の働き方では、「チームワーク」がキーポイントになると考えています。自分の仕事とのバランスはしっかりと考える必要はあるが、チームメンバーが忙しかったら、助けたいし、手伝いたい。
状況に応じて臨機応変に対応するのがジョブ型の真骨頂だと私は思っている。この助け合いは、チームとしての活動を円滑にするし、自分が忙しかったら助けても貰える。
GIVE AND TAKE は忘れてはいけない。
このチームワークやチームへの貢献ということが大切になることを書きましたが、これはアカデミア人材だけでなく一般的に必要な基本姿勢だと私は思っています。これは特にジョブ型であればあるほど大切になると思います。
逆に言うと、各自の専門性と言うのは前提条件で、それが有って当たり前だと私は思っています。なぜならアカデミア人材を活用したい企業からするとこれまでの研究での経験や知見は今後のプロジェクトにおいては当然必要となる条件だとすぐに想像できるからです。
そのため前提条件を満たす候補者が多くいる場合においては、私は先ほどのチームワークやチームへの貢献という利他的な行動ができることが本当に大切となると思っています。
一方で、1人で仕事をすることを好む人もいるのは知っていますし、私もどちらかと言うと1人だけで仕事をするが合っているように思っています。でも、民間企業で仕事をすることは、自分1人だけで進められる仕事は少ないです。自分でいろいろな人に根回しをして、仕事を進めたりしなくては行けない場面もありますので、そうしたことは理解しておく必要があるとは思います。
(1人での仕事を好む人にどうやって活躍して貰うかについては、企業側での制度としても整備してあるとより望ましいとは思います)。
アカデミア以上に企業ではこの意識が大切となりますし、そのために大切となるのはコミュニケーション能力と言えると思います。このコミュニケーションには、話し言葉と書き言葉の両方ありますし、相手の言っていることや書いていることをきちんと把握・理解することが本当に大切だと思います。
ベタではあるのですが、企業とアカデミア人材がお互いにしっかりと歩み寄ることが大切だと思います。
どちらかの片思いではなく。