レースって、走れたら良いだけじゃなかったんだ。
9ヶ月ぶりに、リアルレースに出た。セントラルパーク4マイルレース。
2ヶ月前ぐらいから、NYC最大のレース主催団体NYRRが、試験的にレースを開催し始め、これはその第五弾。
以前は毎週5000人程度の規模で開催されていたレースが、今は300人程度に縮小。コラールも1つで、30分毎に振り分けられたスタート時間15分前程度に、検温と質問を受けた後、入る。そこでも、ランナーは前後2メートルのソーシャルディスタンスで並び、スタートは2名づつ、10秒おき。マスクは、オールタイム着用が義務つけられている。つまり、コース上でも、マスクを外せないのだ。これは、他の主催のレースの中でも、一番厳しいプロトコール。
マスクオンで、4マイル(8キロ)レースって、どんな感じ?
私、黒リス的には、人体実験のつもりで、いざ、チャレンジ!
結果から言えば、ハイ、走り切りました。何度となく、マスクを顎まで下ろしたい、いや、せめて、鼻だけ出したい、という誘惑に駆られたけどね。
参加者も少ないので、密になることもないし、ずっと見張りが付いているわけでもない。だったら、ランナーとすれ違うまでは、マスクずらしていたって、誰に迷惑もかけないし、いいんじゃない?大体、スピード出して走っている状態で、マスクオンって、身体にも良くないのでは?
走っている間、色んな言い訳が、次から次へと頭に浮かびます。
だが、ここでマスク下ろしたら、レースに出た一番の目標”マスクオンで4マイルレース完走”が水の泡。
必死に自分と戦い、走り切りましたよ。ちなみに、レース運びはこんな感じ。
1マイル目:7分40秒>慎重にスタート。登り坂区間。兎に角、1マイル目から、息が上がるのは危険。最後まで走りきる為には、ペースは抑え気味に。後ろからスタートの女子3人にあっという間に抜かれる。
2マイル目:7分15秒>フラット区間になり、ペースが上がる。抜かれた3人の女子が見える状態を保って進んでいるのもペースが上がった理由かも。やっぱり、相手がいることで刺激されるのがレースなんだと実感。
3マイル目:7分29秒>段々坂区間。2マイル目を想定以上のスピードで走ってしまい、お陰で、マスクを外したい衝動が強くなる。スピードを制御し、何とかマスクオンを続ける。
4マイル目:6分53秒>下り基調区間。最後のマイルなので、1マイルぐらいなら、マスクオンでMaxスピードで走っても最後まで持つだろうと、スピードアップ。抜かれた3人の女子2名を抜き返し、残り300メートルってところで、左足に違和感を感じて、見ると、紐が取れて、地面にパシパシしている〜〜!!ぎゃー!このまま行くと、靴、脱げそう!!。止まって、靴紐を結び直すか、そのままスピードを落として、ゴールまで行くかの選択を0.2秒で決め、後者を選択して、なんとか脱げない様に走り、ゴールを目指す。最後10メートルのところで、折角、抜き返した女子1名に、また抜き返され、ゴール。。。。
何とも、スッキリしないゴールとなったが、タイムだけ見ると、最後の1マイルを7分切って走れており、びっくり。がん治療後、マイル7分を切るペースは、ほぼ前世の記憶ぐらいだったので、嬉しかった。
だが、このレースに出てみて、良かったのはそこだけ。
まず、スタート地点もゴール地点も、え?これ?ってぐらい地味な作り。スタート前の国歌斉唱もなければ、DJのノリノリの音楽もない。アワードもない。だって、オールタイムマスクオンでは、限界に挑戦みたいな走りできないもんね。もちろん、ゴール後のイベントもない。
レースに出る意味って何だろう?
マスクオンでは、タイムも追えない。イベント的要素もゼロ。その場に行って、スタートして、規定のコースをほぼ一人で走って、ゴールする。
これって、レースじゃないよね。練習会だよね。
レースって、実は色んな要素があるから、面白かったんだ。
今更ながら、失って分かったこと。
本当に新型コロナパンデミックは、色んなことを教えてくれるなぁ。
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