私と保護犬くるみの物語:わたし➇”あたくし、女優ですから。”
成長するにつれ、段々、分かってきたようだ。
私や相方の意図する言動。「NO!」の意味。でも、だからこそ、敢えて、挑戦したいらしい。それでも、自分のやりたいことがまかり通るのか。
また、甘噛みの延長で、私の手を強く噛んできた。”そんなんじゃ、もう、遊んであげないよ。”の意味で、立ち上がり、背中を向ける。そうすると、今度は足をガシガシ噛んでくる。「NO!」と強く言っても噛んでくる。それも、ガルルと唸りながら。
・・・仕方ない・・・。やるか。
キャイーン!!
噛んでくる瞬間を捕まえ、背中をガブリと噛んでやった。母犬になりきって。くるみ、衝撃を受けて、目を丸くして、私を見つめる。
ここで負けちゃダメ。
私も強く見つめ返す。”てめえ、舐めんなよ。あたしを怒らすんじゃねぇ。”とメッセージを送る。
くるみ、一瞬ひるむが、また、ガルガルと戦いを挑もうとする。だが、その瞬間、私も鼻に皺を寄せ、
「ガルッ!!(いい加減にしろっ!)」
と、怒りのオーラで威嚇。
じっと見つめていたくるみ、スゴスゴと相方の方に移動するも、相方も無視。背中を丸めて、くるみ、ベッドの下に退散。
2分ぐらい経った頃、くるみを呼ぶ。
「くるみ、カモーン!!」
ベッドの下から、すごい勢いで飛んでくる。
尻尾を振って、おすわりのポーズ。「隊長!くるみ、参りました!」と敬礼しているかの如くである。
なるほどね〜。この子は体育会(軍隊)系なのね。
ミルキーもコーディも(先住犬男子)は、おっとりタイプで、優しく教える方がいい関係を築けたけど、この子は違うようだ。犬は犬種によって、気質が相当違う。気質を理解して、その仔に合った教え方をしないと通じない。
仕方ない。本当は”どこまでも優しいママちゃん”やりたいんだけど、ちみ(君)の好みは、”強く、厳しく、そして、優しい(おやつをくれる)ママちゃん”なのだろう。
やってやろうじゃないの。だって、黒リス(私)は女優だもの。(例のいつもの妄想)