「新米フォスター奮闘記1」黒ごま・きな粉①
フォスターとは、里親という意味で、フォスターボランティアは、シェルター(保健所)やアニマルレスキュー団体に保護された犬猫(&他のペット達)をフォーエバーホーム(新しい家族・終のすみか)が見つかるまでお世話をする役目である。
私と相方は、4年半前に初めて、フォスターボランティアした。それは先住犬ミルキーが旅立った3ヶ月後の出来事だった。
しかし、1匹目で、落第。
理由は、自分たちが手放せなくなったのだ。つまり、自分たちがフォーエバーホームになった。これを、Foster failer、里親を失敗したなんて言葉で表現されるけど、ニヤニヤしながら使う言葉だ。ワンコも引き取り側も、そして、レスキュー団体も、みんなハッピーな結末だから。
そんな経路で、うちの子になったコーディが、今年2月末に旅立った。
そして、3ヶ月が過ぎた頃、”まだ、次のワンコを飼う気持ちにはなれない。でも、ワンコと関わる日々を過ごしたい。だから、フォスターボランティアしよう。”そんな気持ちになった。
ん?なんかこれ、先住犬ミルキーが旅立った後と同じパターン。・・・いや、まぁ、良い。なるようになれだ。
いくつかのアニマルレスキュー団体のフォスターボランティアに登録した。Second Chance Rescueという老舗?のレスキューと連絡を取り合い、7月の第1週の週末から開始する予定になっていた。
だが、その8日前、6月24日(木)の夜、コーディを救ってくれたレスキュー団体・PupStartz Rescueのこんなフェイスブック投稿を発見してしまったのだ。
「今週土曜日6月26日までに、10匹のパピー(仔犬)のフォスター達、急募!自分が出来ない場合は、このポストを拡散することでのサポートお願いします。誰かの知り合いの誰かが、フォスターになってくれるかもしれないから!」
相当、切羽詰まった状態なのを感じ、そして、そこに写っているパピーの可愛さに目が奪われ、相方に、「こんな投稿、見ちゃった。」とiPhone画面を目の前に押し付けた。
「Second Chanceから来る子ともう1匹、フォスターしても良いんじゃない?一度、多頭飼いってしてみたかったし。」
相方のウルトラC級の解決方法を持って、両方のレスキュー団体に連絡。
結果、Second Chanceが、「事情は分かったわ。でも、うちは、他のレスキューの仔と同時にフォスターするのはダメなの。あなた達には、まだうちからのワンコはアサインされていないから、PupStartzのワンコを引き受けてあげて。その子のフォーエバーホームが決まったら、連絡してね。」と、神対応をしてくれた。
だったら、、、と、PupStartzには、「フォスター探しに苦労しているんでしょう?うちで2匹、引き受けるよ!」と連絡。
「サンキュー!じゃぁ、この仔達をお願いできる?年齢は6ヶ月、体重10ポンド(約5キロ弱)」
と、送られてきた2枚の写真。
か、可愛い。。。でも、言われているより、大きく見える。パピーというより、中型犬?それとも、大型犬の仔犬?まぁ、良い。兎に角、この仔達のフォスターが見つかることで、キルシェルターから救い出せるのだ。そう、この仔達は、南部のキルシェルターに収容されており、どうやら、今週末までが滞在できる期限だった模様。ひとまず、私たちがフォスターとして引き取ることで、命が繋がるのだ。きっと、こんな若くて可愛い仔なら、すぐにアダプション(譲渡)が決まるだろう。そしたら、私たちのフォスターミッション成功だ。
「2匹、引き受けオッケー!」
PupStartzに快諾の連絡をした翌日金曜日、2匹のフォスター契約書が届いた。フォスターをするにあたり、色々、ルールや規約がある。例えば、アダプター(引き取り手)候補者にワンコを会わせる役目の義務があるとかね。そして、判明した2匹の名前。
黒い仔がZAN。茶色い仔がZACHARIAH。
ふーん、どうやら、レスキューでは、アルファベット順に名前をつけているようだ。やっぱり、この仔達は兄弟で、順番にZから始まる名前をつけられたんだな。まぁ、それは良いとして、、、、ZAN「ザン」は呼べる。だが、ZACHARIAHって、、、?
アメリカ生活ほぼ30年選手の自分たちでも、会ったことのない名前であり、その上、スペルを見ても、どう発音して良いのかすら分からない。
ヤバイ。
自分たちの呼びやすい名前に変えたい。だが、それはフォスター契約で禁止事項。つまり、自分たちが、ZACHARIAHを自然に呼べるようにならねばならぬ。
金曜日の夜、iPhoneでZACHARIAHの単語を入力し、音声を出し、それに従い、練習することにした。
「ズァチャァーリァ」
出だしはZだから、ザって日本人の耳には聞こえるが、実は、ズァって音かな。で、その後、チャーを強く発音、そして、リは、Rなので巻き舌。最後がHで終わるので、ちょっと息を吐く感じだろうか?どこまでも日本人を苦しめる名前である。しかし、私は、その夜から、名前を何度も連呼し、特訓に特訓を重ねた。舌が何度も絡まった。
ピックアップは明日の午後1時半。
間に合うか、私?
そんな私を尻目に、相方は最初から諦めたらしく、すっかりiPhoneでユーチューブをエンジョイしていた。
(つづく)