「連載」ツーピース:チームすー。地球一周大冒険(44)
(祝)ペヤング、トライアルマラソン、サブ2:40!!
チームすー。乗組員、ペヤング、ほぼ単独走で、2:40分の壁を突破!
実は、ペヤング焼きそばって、ドーピング剤が入っているの?
と、疑惑の目を向けたくなるぐらい、乗組員、ペヤングの躍進が止まらない。いや、きっと、チームすー。で、地球一周旅行をしているのが、日々の試練に繋がっているに違いあるまい。ペヤング、我々に、感謝してくれて良いぞ。それから、本番のマラソンでは、やはり女子高生か白マスクで走って欲しい。
そんなランニング馬鹿のチームの中、黒リスは、独自路線を走っている。
最近、セントラルパークに生息しているアメリカフクロウ(Barred Owl)を探しに行っているのである。TwitterにManhattan Bird Alertというアカウントで多くのバードウォッチャーが連日、”ここで発見!”という、お知らせしてくれるのだ。
というわけで、フクロウ探しの週末である。土曜日の朝、相方と共に、発見された場所へ向かう。いたっ!だが、如何せん、見えるのは、このレベル。相方の双眼鏡でも、胴体らしきものがそこにあるとしか分からない。
こんなんで満足する黒リスではない。
仕方ない、やはり、バーディングボブの助けを借りるか。
そう、NYCには、バーディングボブ(Birding Bob)なる野鳥ツアーがあり、ボブ鳥博士が、定期的にツアーを開催しているのだ。先週、バーディングボブのサイト登録をしている黒リスの元に、12/19の日曜日の夕方4時から”フクロウツアー”開催との案内が入っていたのだ。参加費は、$10。ツアーでは、高性能の双眼鏡の貸し出しもしている。これも$10。
借りよう。
ここでケチってはならぬと黒リスの本能の判断だ。野生のフクロウを見れるチャンスなんてそう訪れない。
そんなわけで、参加してきました、フクロウツアー。
先週半ばの大雪が未だ残るセントラルパーク、夕方4時、空は相当薄暗い。だが、夜の番人・フクロウにとっては、そろそろ目覚めようかなぁ〜という時間である。
集合場所から、ボブ博士と共に、15人弱ぐらいの鳥マニア達が、ぞろぞろと目指す木の場所まで移動。中には、隣の州ニュージャージーから、三脚と望遠カメラを担いでの参加者もいる。
ボブ博士が、指差しながら、「あの木のあの木の股の先の、左側の枝と枝と間のあの場所にいる。」と、分かるようで分からない説明をすると、参加者は、全員、同じ方向を凝視する。黒リスも、レンタル高性能双眼鏡を駆使して、フクロウを探す。中々、見つからない。枝の色と同色の為、分かりづらいのだ。
いたっ!!あの大きな松ボックリみたいなのが、そうだ!おお、さすが、高性能レンズ、羽の色合い、柄までくっきりと見える!!!
ボブ博士のガイドで、他の角度からも見上げる。おお、顔が見える!見えるよ!!
ボブ博士の話では、このフクロウは、いつも夕方4時半から5時の間に起きて、餌を探しに飛び立つらしい。そう、このツアーの目的は、この飛び立ちを見て、その後、ボブ博士が、フクロウを呼び戻すという技を披露してくれるらしい。黒リスは、ワクワクしながら、その時を待った。
午後4時半、午後4時45分、午後5時、と時は流れるが、フクロウは、毛づくろいをしたり、飛び立つフリをしたりしつつも、まだ、飛び立たない。
首が痛い。肩も凝る。動かず、その場にずっといるので、足腰も冷えてくる。野鳥観察は、マラソン以上の、忍耐力と集中力を要することに気づく黒リス。
野鳥マニア、恐るべし。
そんな敗北感を感じ始めた時、
バサバサバサ〜〜
と、羽音を立て、一瞬の間に、飛び立った!!
デカい!羽を広げると、あんなにでかいんだっ!
感嘆の声を上げている間に、なんと、ボブ博士、南側の5メートル先に、瞬間移動しており、「こっちだ。こっちの枝に移動しているぞ!」と、私たちを呼んでいる。
す、すごい。なんという動体視力と瞬発力。クマのぷーさんみたいな雰囲気&体型からは到底想像できない身体能力である。
その上、ボブ博士は、秘密兵器の”フクロウの鳴き声”スピーカーを駆使して、飛び去った後のフクロウを呼び戻す熟練の技も持っている。
「Trust me! 俺を信じろ。こっちだ。こっちに絶対、来る。ついてこい。」と言って、森の奥へと誘うのだ。
セントラルパークのランブルという森の小径は、もう真っ暗だ。そこで、ボブ博士は、フクロウの様々な鳴き声をスピーカーから流す。
ホーホー! ホッホッホー!ウホッホー!ウホッホー!
数分間、静かに待つ。参加者の静かな息遣いしか聞こえない。
すると、バサバサバサと羽音が近づいてきて、なんと、すぐ側の枝に、止まった!!
「今から、フラッシュライトを照らすぞ。」と、ボブ博士が、数秒間、フクロウに向けてフラッシュライトを浴びせる。闇夜に浮かぶフクロウの姿が、はっきりと見える。顔つきまでくっきりと見える!!カメラマン達が、狂ったようにシャッターを切る。黒リスも、自分の瞳シャッターを切りまくった。
クラクラする程の非日常感をたっぷり味わい、夕方6時、黒リスは、帰路についたのであった。
チームすー。ジャパン:現在走行距離2,858.84キロ(1,786.78キロ)