6·インナーチャイルドセラピーをやってみた
何回目かのカウンセリングでカウンセラーから
「インナーチャイルドセラピーしてみませんか?」と言われた。
インナーチャイルドとは
幼少時代につらい体験をしたり、自分の感情をありのまま出せずにいたり、その傷付いた心が癒やされないまま大人になってもインナー(内側)に潜んでいる状態。
それをカウンセリングで癒やそうとゆうものらしい。
私はそれを試しにしてみる事にした。
カウンセラーの声に誘導されつつ
まず、イメージトレーニングをする。
扉を想像する。扉は何の素材か、色、場所、大きさ、匂い…
声に出して想像していく。
カウンセラーは、「その扉はあなたの心と繋がっていて、その扉を開けると現在あなたが苦しんでいる原因のヒントが見えます」
と言う。
そして、扉を開けると何があるか聞かれる。
私の場合は昔家族で住んでいた家だった。
そこでお姉ちゃんが泣き叫んで暴れている。
私は耳を塞いで、早く終わって…と願っている。
その時の私は何と呼ばれていたのかカウンセラーは私に聞き、そのあだ名で呼び始めた。
カウンセラー「○○ちゃんはどうして耳を塞いでるんですか?」
私は
「もう、うんざり。
うるさい。
やめてほしい。
私だって苦しい
私だって泣き叫びたい
私だって助けてほしい…」
そう答えた。
カウンセラー
「それを誰かに言った事はありますか?」
私「言ったことはないです。言えないです。」
カウンセラー「どうして言えないの?」
私「お姉ちゃんがこんなんだから、私だけは普通の娘でいてあげようと振る舞おうとしてるんだと思います」
カウンセラー「お母さんはそこにいますか?」
私「います。状況が治まらずにすごく疲れた状態で、お姉ちゃんの事ももう構う気力もないとゆう感じです」
カウンセラー「○○ちゃんはお母さんの事をどう思いますか?」
私「かわいそう…でも…もう少ししっかりしてほしい。私の事も心配してほしい」
カウンセラー「誰か他に信頼できる大人はいましたか?」
私「誰も信頼していませんでした」
カウンセラー「じゃあ、大人の今のあなたがそこに行って○○ちゃんの話を聞いてあげて下さい」
カウンセラー「○○ちゃんはどんな様子ですか?」
私「恥ずかしそうで何も話しません。」
カウンセラー「どうして恥ずかしいか聞いてみて」
私「弱さを見せるのは恥ずかしい。大丈夫だと思われたい。」
カウンセラー「辛いと思う気持ちは自然な事で、弱くも恥ずかしくもない。
今、耳を塞いでいる○○ちゃんは決して大丈夫ではないはず。
その気持ちをあなた自身が受け止めてあげてほしい。これは他の誰にもできないこと」
私は涙が溢れてきて言葉にならなかった。
カウンセラー「今泣いているのは誰?」
私「○○ちゃんです」
カウンセラー「何故ないてるの?」
私「辛くて、苦しくてたまらないのに誰にも言う人がいない。誰も聞いてくれないし誰も信用できない」
カウンセラー「○○さん(私の本名)、もし目の前にこうして泣いている女の子がいたらあなたならどうしますか?」
私「私なら…… 抱きしめます。そして、大丈夫だよ。私がいるよ。と言ってあげたいです。」
カウンセラー「じゃあ、そうしてあげて下さい」
私は自分の両膝をかかえるようにしてかがみこんだ。
すごく暖かくて、涙が溢れて止まらなかった。
はじめての感覚だった。
カウンセラー「○○ちゃんはどんな様子ですか?」
私「ありがとうと言ってます」
カウンセラー「ではまた○○ちゃんと会えるように、二人だけの秘密の場所に移動しましょう。落ち着ける、静かで安全な場所にあなたは○○ちゃんを誘導します。
どんな場所ですか?」
私「海岸沿いです。砂浜で、後ろには山があります。すごく静かで、波の音と鳥の鳴き声だけが聞こえます。」
カウンセラー「ではそこで○○ちゃんとリラックスして下さい。お話ししてもいいし、何かを食べてもいいし、遊んでもいいです。
好きな事をして下さい。」
私はしばらく瞑想した。
カウンセラー「○○ちゃんは満足した様子ですか?」
私「はい」
カウンセラー「では次に会うまでここにいてね、ここは安全だからね、と伝えて○○ちゃんとはお別れをして下さい」
私は言われるがまま、イメージした。
カウンセラー「○○さん、これがインナーチャイルドセラピーです。
どうですか?大丈夫ですか?」
私「不思議な感覚でした…自分が二人いるような…でもすごく傷ついている幼少期の自分がイメージとしてはっきりと見えたので、やっぱり私はなんらかのトラウマがあるんだなあ…と再認識しました。」
カウンセラー「それが最初の一歩です。よくできましたね。
まずはインナーチャイルドの存在に気付いてあげる、その傷ついた心に耳をかしてあげる、手を差し伸べてあげる。それがインナーチャイルドセラピーです。
これはあなた自身にしかできません。
私は少しだけやり方を教えてているだけで、癒せるのはあなたしかいません。」
そうしてはじめてのインナーチャイルドセラピーが終わった。
しばらく、爽快な気分になった。