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森嘉朗氏の退陣ではなく、組織委員会の解体を!

教育現場には要請できるのにオリンピック組織委員会には要請できない?

 東京にオリンピックはいらないネットです。今、話題になっている2020年の東京オリンピック・パラリンピック以前の石原慎太郎氏が言い出した2016年東京オリンピック・パラリンピックから反対しています。
 で、この期に及んでオリンピックをするのか。ということが皆さまの知りたいことだと思います。権力者は何がなんでもオリンピックをやりたいと躍起になってます。

要請に対し回答しない準備局

 添付した資料をご覧下さい。オリンピック災害おことわり連絡会(以下おことわり連絡会と略)が東京都オリンピック・パラリンピック準備局に送った要請書です。12月15日に担当者がメールで送りました。文中に書いてあるように1月14日頃に交渉をしたい旨を記載してあります。東京都オリンピックパラリンピック準備局は行政です。にも関わらず何の連絡も来ません。担当者が連絡しても要領を得ない返事しかありません。 

東京オリンピック・パラリンピックの即時中止を求める要請書_PAGE0000

東京オリンピック・パラリンピックの即時中止を求める要請書_PAGE0001

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東京オリンピック・パラリンピックの即時中止を求める要請書_PAGE0003

(東京オリンピック・パラリンピックの即時中止を求める要請書の全文)

 どうなっているか確認してほしいとの依頼で、1月21日に準備局に電話しました。おことわり連絡会の申し入れの件でと電話したら担当者と思われる人につないでくれました。私とのやりとりでおことわり連絡会の申し入れの文書を受けとったことは認めた上で、どの団体とも交渉を受けていない。だからおことわり連絡会とも交渉はしない旨の発言をしました。それは事実ではありません。現に、2017年2月22日のアワープラネットTV の記事で申し入れをした様子が載っています(注1)

 そして、交渉を出来ない旨を相手に連絡しないなんてあり得ません。教育関係では中々担当局が出てこないで教育情報課という部署が出てきて対応して困るという話を聞いていますが、オリンピックに関しては交渉をするかどうかすら直接相手方に連絡をしないのですから都教委以下の対応でしょう。     挙げ句の果てにはそちらから連絡会の方に交渉しない旨を伝えてほしいと言い出したので、交渉できないならその旨を自分で伝えろと言って電話を切りました。私の報告を受けて連絡会は簡易書留で要請文を送り直したという状況です。まったく行政にあるまじき対応でオリンピックなら何をやってもよいとでも考えているとしか思えません。

おごりを示す森発言 

 オリンピックなら何をしてもゆるされる。そういう態度はオリンピックの担当の行政だけでなくオリンピックの組織全体に蔓延しているとしか思えません。その典型例が2月3日オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長である森喜朗氏のJOCでの臨時評議員会の発言です。 この発言を日刊スポーツが3回に分けて全文文字おこししています。最初は「NHKは動かないと」中身は神宮外苑地区再開発と岸記念体育館移転問題です(注2)次は「私が悪口を言ったと書かれる」で、いわゆる女性問題の部分(注3)最後は「どんなことあってもやる」で、再延期は費用等からあり得ない。2021年になんとしてもオリンピックをやるという中身です(注4) 

 字数を数えたら全部で8061字もあり、文字おこしをした日刊スポーツによれば発言時間は約40分だそうです。話が長いのは女性ではなくどう見ても森嘉朗氏の方だろうと思いますが、それだけ字数もあるということで、森氏の本音があからさまに出ており、オリンピック推進派の現在の狙いが表れています。この点は様々な運動にも関連しますので必読です。必ず読んで下さい。

森氏の発言はオリンピック憲章違反

 私はこの発言全部を読んでビックリしました。私のようなオリンピック反対派が引用するのは変ですが、オリンピック憲章のオリンピズムの根本原則6にはこういう規定があります。引用します。
 (引用開始)このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会的な出身、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない。(引用終了)
 根本原則の7はこうなっています。
 (引用開始)オリンピック ・ ムーブメントの一員となるには、 オリンピック憲章の遵守および IOC による承認が必要である。(引用終了)
 森氏を辞職させないということは森喜朗氏の態度はオリンピック憲章の遵守している。そしてそのことをIOCが承認していると私は理解します。
 

 そもそも私は神宮外苑地区地区計画の問題に取り組んできましたし(注5)、オリンピックにまつわるムダ遣いにも反対してきました(注6)から、森嘉朗氏の発言全体にわたってとんでもない発言だと思っています。
 オリンピック招致賛成派が私と同じように思えないのは当然ですが、女性に関する部分に関しては、普通どう考えてもオリンピック憲章と一致しているわけがありません。オリンピック憲章を遵守する気がない。そういう人が会長であるのはおかしい。辞職を求めるというのがオリンピック招致派の態度ではないのですか。
 当然国会でも問題にされ質問をされましたが、菅総理は当初「発言内容の詳細は承知していない」といい、野党議員が森氏の発言を紹介して始めて「あってはならない発言」と言いました。あれだけ報道され、世界中のマスコミが報道しているのに「発言内容の詳細は承知していない」。そんなことがあり得ますか。

権限なしに介入し教育現場は大混乱

 そもそも、直接命令する権限がなくても全国の小・中・高・特別支援学校に対し休校要請をしたのはどこの総理大臣ですか。前総理大臣の安倍晋三氏ではありませんか。その結果、学校現場は大混乱になりました。急遽春休みになり、卒業式、入学式もまともな形でできません。授業もリモートで行うような状況で、学校行事や、各種試合の延期や中止。挙げ句の果ては一生に一回しかない成人式まで中止に追い込まれたではないですか。
 こういう風に児童や生徒。学生に多大な犠牲をしいて、様々な我慢をさせておきながら、4年に1度のオリンピックは何としても実施する。そういうスポーツ関係者のわがままを許していいんですか。
 こういう本音と建て前の使い分けは悪いと理解している皆さまが大きな声をあげ、世論を変える中心的な一翼を担うことを期待して話を終わりにします。ありがとうございました。

(2021年2月7日「日の丸・君が代」強制反対!「10・23通達」撤廃!2・7総決起集会での発言予定稿)

注1ー膨らむ五輪を批判〜市民が小池都知事に質問書

   http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2103

注2ー森会長「NHKは動かないと」/発言全文1  

注3ー森会長「私が悪口を言ったと書かれる」/発言全文2

注4ー森会長の心境「どんなことあってもやる」/発言全文3

注5ー『新国立競技場建設計画について ー情報公開請求を使って行政の問題点を解明する』等参照

注6-『増収見込みって何のこと!』等参照

https://note.com/kuropotokin/n/nfbd6465c028a

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