「猫ねこ展覧会2022」と私の絵
展示のお知らせ。制作中のお話。
展示のおしらせ
2022年4月15日~7月31日の期間中、千葉県匝瑳市にある松山庭園美術館で毎年開催される猫作品の展覧会に今年も原画1点で参加致します。
今年はそのまま展示販売しようかなと思ったのですが、またもやかなり気に入ってしまいまして(スマホのロック画面に設定してるレベル)、完成後すぐに発送して手元から離れ、このまま再度見られないまま運良く売れてしまったらサビシイ…。とか思いまして、今回の展示では原画販売は致しません。でも今後どこかで販売する予定の作品です。
制作中の話
この作品を描く時、Twitterで過去から続いている「トラウマという程でもない事」について呟きました。これまでずっと思っていた事なので今回取り分け思い悩んだわけではないけれど、この時はふと呟いてしまいました。
もう昔々の紀元前頃のお話ですけれど、私が透明水彩を使っている事に物凄く驚かれて、他の画材の方が合っているのではとアドバイスを貰った事があります。その記憶で、今でも時々手が止まってしまうという呟きでした。
相手が同じように透明水彩を使って描いている方だったので驚かれた事に衝撃を受け、まるで「君の描き方は認められない」と否定されたように感じたのです。だから他の画材の方が合っているのではというアドバイスも、きっと本当にそう思って言ってくれたのでしょうけれどプラスには受け止められず逆に「そこまで違うの?」とショックでした。
でもそれで全く絵が描けなくなったわけではなかったので「トラウマという程でもないけれど」と言っていましたが、その後頂いたリプを読んだり考えて返信していく中で自分でも気が付かなかったけれど、こんなに長期間その記憶に影響を受けていたなら自分で思っていたよりも深く刺さっていた棘だったのかもしれないなと思いました。
描いている途中でふと「あれ?濃過ぎた?」「汚い?」と手が止まって迷う瞬間が必ずあり、高価な絵の具を使う時には「せっかくの色を生かしきれてないかも」と小さな罪悪感があり…。小さな事なので、いつの間にかそんな気持ちを挟みながら描くのにも慣れてしまって麻痺していました。
刺さる棘と言うのは、おそらく自分にもある程度自覚がある事だからなんだと思います。私の場合、自分の塗りが濃いとは自覚していました。だからってそれが悪いとは思っていなかったし、絵は好きに描けばいいのだと思っていました。けれど指摘された事で透明水彩の使い方には正しい塗り方というのが存在し、それ以外の塗り方をしている私は「間違った使い方をしている」のだと思ったのです。
それからは「自分は間違ってるのかも。絵具の使い方も知らない奴だと笑われてるかも」と思いつつ、でも描き方は変えられずに描いてきました。何故なら、やはり私は透明水彩を使ったこの描き方が好きだからです。
皆さんの言葉
これに関して、Twitterでたくさんのコメントを頂きました。
皆さん優しい方ばかりで「儂らの姫様はこの絵を好きじゃ、良い絵じゃと言うて下さるわい」とナウシカに手を褒められた爺やの気持ちになりました。沢山の姫様やユパ様達がそんな風に言うて下さるので「描き方は間違ってるのかもしれないけど、良いって言ってくれる人もいるんだから、それを間違いだとは思えないな」と思えるようになりました。
「正しい技術で描かれた絵=良い絵とは限らない。惹かれる絵は人それぞれ」と言うご意見もあり、確かに私が好きな絵も一見チラシに描き留めた落書きみたいだったり絵の具が荒っぽくはみ出しているような絵だったり様々だな…と思いました。
更にハッとした言葉を紹介します。
バイオリンのピチカート奏法みたいなものだと開き直って
もうすごくしっくり、自分の悩みの落ち着き場所を教えてくれたと言うか。楽器にも本来の使い方とは違う弾き方があり、むしろそれが必要な曲もありますし演奏の幅を広げたりもしますから、それはもう「間違った弾き方」とは言えないはずです。「本来の弾き方ではないがそういう弾き方もある」という事。「本来の描き方ではないがこういう描き方もある」という事。咲吉さんに感謝です。
そしてもうひとつ。
画材は表現の為にあるので、表現の方を画材の使い方に合わせる必要はない
「ゥゥ…ウォーター!!!」って叫んだヘレンケラーの感覚がわかりました。ピシャーン!と雷に打たれた気持ち。これ、本当にその通りだなぁって。何をややこしく考えていたんだろう…と思いましたよ。この方は絵を描かれる方ではなく、ないからこそ、こんなシンプルな基本的な事を見つけられるんだなぁと。ののさん、どうもありがとうございました。
皆さんのナウシカのような慈愛に満ちたお言葉と、目からマナコやナマコが落ちるような的確なお言葉のお陰で、長年抱えていたモヤモヤした気持ちの整理がついたような気がします。まるで慰めて貰いたがっているような恥ずかしい呟きをしてしまったなぁと実は後悔していたのですが、文字として自分のモヤモヤを見る事と頂いたリプを読んで客観的に自分の悩みがどう見えているかを知る事、返信する際に自動的にその事について考えるので、その過程で頭が整理されていくのを感じました。
教訓
「自分で解決できない事を人に話してみるって大事」
第19回猫ねこ展覧会2022について
再度こちらの展覧会のご案内をいたします。
《日時》2022年4月15日(金)~7月31日(日)
(※金・土・日・祝のみ開館)
10:00~17:00(7月は18:00まで/最終日は15:00まで)
《場所》千葉県匝瑳市 松山庭園美術館 TEL:0479‐79‐0091
全国から絵画や立体等様々なジャンルの猫作品が集まります。
山の上にある美術館の敷地内には本物の猫もウロウロしていますので、車を駐車される際には十分お気を付けください。車でないと大変行きにくい所ですので駅からお散歩気分でのんびり歩いて…とお考えの方は今一度考え直して下さい。かなりの距離です。熱中症で倒れる恐れもありますし、全力でおススメしません。
美術館はお庭も広くてとても素敵な所です。のびのびと過ごす猫の姿も見られますし。金曜、土曜、日曜、祝日のみのオープンというのはご注意を!
私の出展作品
『ぼくらの木の下で』
ランプライト紙・透明水彩・色鉛筆・鉛筆
※こちらスマホのカメラ画像の為、実物と多少色が異なります。
冒頭でもお伝えしました通り、今回原画の販売はありません。
売店には下記のポストカード5種と過去の画集を置いてあるので是非お手に取って頂けると嬉しいです。
美術館展示作品や春らしい絵柄たち
前回展示作品
過去の画集
長くなってしまいましたが、読んで下さってありがとうございました。
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