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環境法、万歳!!!!



 どうもこんにちは。R6年司法試験合格者が28人しかいない環境法選択者の1人、デスメタル・黒・もふもふです。
 これは、令和5年に環境法で47点を取り不合格、令和6年に手を抜きまくって42点(汗)を取って合格した私が、環境法選択を強烈にお勧めするnoteです。



 

私が環境法を選択した不純な動機


  • 出会った環境法の教授が全員桁違いに優しかった

  • 好きなプリキュアがキュアアース(地球)だった

  • 基本7法と違って、未来を考える科目

もちろん3つめは後付け、弁護士の先生に聞かれたとき用のよそいきです。

環境法の勉強履歴


R5年(受験1回目)

 ロースクール既習1年目で環境法の講義をとったはいいものの、コロナのせいで期末試験はレポートに、さらには泣く子も黙る一限+zoom(寝る)という不運に見舞われ、卒業まで「環境法なにそれ美味しいの?」の状態でした。
 

 3月にローを卒業、時間にゆとりができたのでようやく環境法に手を付けはじめます。公法系、民法系、刑事系、環境法の4つのカテゴリーを一週間ごとに回すスタイルで、ひたすら過去問を一日2つ起案することにしました。

起案を試みるものの…

 最新の令和4年を解いてみようとしたものの、解答の筋すら浮かばず、世界最速で起案を諦めました。
 それからは、出題趣旨・採点実感を読んで六法を引いていみるものの、法改正などで規定が存在しない、条文がずれているなど多数あり、引くほど(六法だけに)面倒な作業に取り組みました。
 それでもなんとか正気を保って、出題趣旨、採点実感を法改正を加えてwordでまとめノートを作成。形式は箇条書き、次に解いたときに出題趣旨・採点実感が読みやすくなる程度なものです。(それでも時間はかかりました、、)
 ただ、その中で環境法について気付いたことは、合格までずっと活きたので後述します。


私でも気づいた環境法の試験の特色

  • 条文を引かせる問題が多い、条文は枝番が膨大だし準用も多い

  • 規制の仕組みについては条文にすべて書いてある。問題も採点実感も「条文頑張って読んでくれたら点数つけるよ!」という感じ(好き)

  • 法政策的な観点、時事的な問題もあり、基本七法と試験問題の感じが違う(好き)

  • 一問当たりに最低限求められている論述量はさして多くはない

 この気づきから、個別法から逃げられないと悟り、環境六法を購入しとにかく条文を引きました。

過去問演習

①過去問をみて、使えそうな条文を羅列してみる
②出題趣旨・採点実感まとめノートをみながらもう一度条文を引き直す
③R4年からH18年までを3周する

基本書なるものについて

 法政策的な観点については、まとめノートを見ながら北村環境法を読んでマーキングしていきました。ただ、司法試験で聞かれている論点が言及されていないなと感じる部分もあります。誤解を恐れずに率直な感想を述べると、この本を持ち込んで司法試験を受けても解けない問題があります( ´∀` )

 そして、辰巳1冊本刊行!!!ようやく環境法の論証集が本屋さんで変えるということで早速購入。論証などはそれまで手元にはなかったので、これをAnkiアプリに落とし込みました。

 全体としては起案に埋もれたR5年でしたが、環境法には起案の気力が残っているわけもなく、TKC模試と本番以外で起案はしませんでした。



リベンジマッチ R6(2回目)


R5の感想と反省

 上記の通り、「条文書いてね!」形式の試験だと楽に構えていたら、なんと第1問で判例の変遷が登場。「おいおい、学者がローの定期試験と間違えてんじゃねーの?」とキレました。
 ただ、メジャーな論点だったのが救いで、基本書で読んだ感じをなんとなく書きました。もちろん、一冊本には規範は一個しか書いてないので完璧にかけたのはその規範だけです。
 第2問はTKC模試の論点が的中、法改正も絡む激アツな問題が出て感動しました。

 が、時間が足りない!3時間あると思って1時間のんびり答案構成してたら全然時間足りなくて焦りました。

 これは足切られるな、、、とよぎるほどでしたが、結果はそこまで悪くなかったので、R6は基本7科目に時間を割き、環境法は最低限で乗り越えようと決めました。


環境法~最高のタイパはここにある~

 2月まで環境法はノータッチ、3月は8時間22分、4月は3時間35分、5月は16時間29分、6月は5時間31分、7月は1時間45分(論証は通学路でぶつぶつ言っていたので含めず)。嘘だと思われそうなので、スタディプラスから正確な時間を持ってまいりました。合計は面倒なのでしません。
 ちなみに、他科目合わせた勉強時間はちゃんとどの月も200時間を超えています。


短文事例演習を追加

 3月頃、アガルートの選択科目は結構いいと小耳にはさみ、環境法の重要問題集を購入しました。全30問からなり、個別法やそれらが複数絡む問題が掲載されており、レベルとしては本試験レベルではありませんが過去問に未出題の論点の問題が多く掲載されているのがとても有用でした。
 解答例については某塾的な文体に、若干の癖を感じましたが、こういう風に書けばいいのか、や、こういう言語化の仕方かと参考になる部分もあり、プラスマイナス普通にお勧めです。


 この重問は、
①解答例を見ながら答案構成(1周)去年の環境六法を引きながら
②解答例を見ずに答案構成(1周)
 解答をみながら環境六法の条文にマーキング(直前期に素読用)
 要件は黄色、効果はピンク、但し書きは青など視覚的に条文構造が分かるように
③一冊本にのってない論証や、しっくりきた論証を解答例から」抽出し一冊本に加筆
④論証をAnkiアプリに投入

 で使いました。過去問は(やろうと思いましたが)答案構成すらできず、まとめノートを何回か見返すにとどめました。

論証はどれぐらい覚えればいいのか

 論証は覚えるべきか、覚えるとしてもどれくらい覚えるべきか。受験生が永遠に悩む答えなき問いといっても過言ではありません。
 わたしは、暗記が苦手だったので、一冊本に書いてあることとアガルートの重問以外の論証暗記には手を付けませんでした。


お気に入りの基本書との出会い

 R6では基本書を大塚先生の『環境法BAISIC』に変えました。これは、本当に良かったです。司法試験との乖離が少なく、痒い所に手が届くコラムも秀逸です。
 使い方としては、近年出ていない分野や苦手な分野についての章を息抜きがてら読んでいました。必須ではないような気がしますが、独学であれば義務教育です。

 手続きのフローチャートなど詳しく乗っている基本書もありますが、結局は条文引けないと意味がないと考えていたので使いませんでした。



 

R6試験を終えて

 去年の定期試験デジャブから一転、今年は従来の傾向に戻ったはいいものの問題数が爆増。第1問は設問が3つ、小問も数えれば4つ、第2問は設問が4つ、小問も数えれば6つ!!!!!
 第2問の設問2(2)で原告適格を問われたときは、「嘘だろ!?」とぶちぎれました。
 時間なくて第2問の設問1つは白紙で出しました
 救いがあるとすれば、近年出題されていなかった温対法が廃掃法、特に業許可取消が順当に問われたことです。

 それでも、足は切られないし、環境法の足切りは全体でもゼロです!!!ここまで読んでいただければ、こんなに素敵な科目はないことをわかっていただけると思います。



深入り厳禁!

 選択科目はみんなできないからここで点を稼ごうという言説がありますが、環境法には当てはまらないと思います。

 もちろん、選択者数が少ないのと日陰科目なので母集団のレベルはそこまで高くはありません。頭一つ抜けることはたやすいと思うでしょう。

 ただ、私は2回中2回、ぶちぎれています。来年はもしかしたら不要物該当性の判例変遷がでるかもしれないし、設問数が減って一つの論点を深堀しなくてはいけなくなるかもしれない…。試験問題の形式自体定まってるとはいいがたいです。私は信用してません。

 何より、法改正や国際的な取組・動向などのトレンドネタが含まれるため、それらすべてでホームランを打つことは不可能です。試験対策に特化した教材も無に等しく、よっぽど暇人でない限りは、環境法に賭けるのはやめましょう。

 一方で、出そうなところが順当に出る傾向があるところ、法政策についての未知の問題は参考資料をみるなり、関係しそうな基本原則を書いてそこからひねってそれっぽいことを書けば、多少は何とか点をいただける点が大きな魅力だと思います。
 この現場思考風問題も、設問数が多く1問あたりに割ける答案の分量が比較的少ない選択科目では、基本7法ほどの厳密な論理が要求されないので、そこまで苦労はしないと思います。


まとめ

重問以外の講座はうけていませんが、

環境法の出題趣旨・採点実感に向き合い、環境六法を引いて答案構成をする
 (1冊本は出題趣旨・採点実感を現代でも齟齬がない部分をまとめてくれていますが、省略があったりわかった気になるのでまと逝きめノート作成時点では見ないほうが良さげ。)
重問の答案構成
大塚先生の基本書に目を通す

 で、事足りると思います。重問がとてもよかったので論証集も気になりましたが、お財布事情でかないませんでした。あってもいいのかなとおもいます。①が力になるので過去問講座は初めからはとらないのがおすすめです。

 何より、環境法を信じることが大切です

 教材も少ないし、受験者もいないし、選択した後で不安を感じることも多いと思います。私は、1年目に過去問を解いたから大丈夫と思って臨んだ試験で、嫌いな学説問題がでたことで心がぽっきり逝きかけましたが、成績通知をみて「それでもこれぐらいの点数とれるのか」、と思い直すことができました。基本7科目は手応え通りのAやらEやらがついていたので、この「こんなもんか」の感覚は環境法だけです。

 ただ、1年目にそう感じたことで、環境法で2回目も受けると決め、何とかなる所で最低限を補い、学習時間を削る気持ちになれたことが2回目の合格につながったと感じます。
 

環境法、万歳!!!!!!

 選択科目、変えたっていいじゃないですか(悪魔のささやき)。60点台後半の友人も、知財から環境法に変えていました。
 信じる者は救われる、あなたも環境法を信じてみませんか?

 

おまけの次回予告

 次は、在学中受験生は下駄をはいているのか?について私なりにまとめてみようと思います。鋭意カタカタしております。
 複数回受験生にはかなりショックな内容になるかもしれませんが、フォローやスキ!してもらえたら大変励みになります( ;∀;)
 ここまで読んでくれたあなたの今週の幸せ、わたしが無責任に保証しましょう、今ここで。


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