フェラしてて草

 少年は自室のベッドに座り、自分の脚の間、股の手前に居る少女の頭を撫でていた。暖かく、それでいてサラリとした長く艶やかな髪を触りながら、少女の様子を伺う。
 少女は、少年の緩いズボンから張られたテントに顔を近付けていた。少年の優しい手つきが、少女の被虐心を強く煽る。押さえ付けられてしまったら、恐らく逃げる事は難しいだろうという考えが、幾度となく少女の頭を駆け巡った。少年の内股にある『それ』の硬さをある程度伺い、少女は少年の腰に巻かれた紐を引っ張ると、少年の下着を晒す。そのまま少年の下着の中に居る、硬い陰茎を外界に晒す。
 もう何度も見て、何度も感じている『それ』に、少女は子宮が握り込まれるような寒気と脳内に溢れる快楽物質で感覚が狂ってしまっていた。おかげで口の中には唾液が生成され、目の前のモノを無意識に食べ物だと認識していた事に驚く。
「……いいの?」
 少年は弱々しい声色で少女に問い掛けると、少女は少年の一本を口に咥えた。大きく口を開ける事なく、少女の小さな口の中に自身のそれが入っていく様子を、少年は真上から眺めながら少女のうなじと後頭部に触れる。
 少女は捕まれる事に対する興奮と、口に充満する少年の濃厚な匂いによる愉悦で、徐々に判断能力が落ちている事が理解できる感覚があった。
「……あっ、そこ、すご、上手くなってる」
 少年とこうして何度も夜と身体を重ねれば、何となく弱い所が理解できる。少年の優しい手の動きが、少女の寂しさをひた隠すように蓋をする。少年は下から伝わる少女の舌の質感と口の温かさで、少しずつ自分の陰茎が大きくなり始めた。その原因は紛れもなく、溜まっていた欲望であり、願うならそれを少女へ直接受け止めて欲しい、というモノだった。
 少年は少女の頭に添えていた両手を、彼女の手へと移動させた。指の隙間を埋めるように、少年は少女の手を支配する。
「……飲んで欲しい、いい?」
 少年がそう言うと、少女は少し驚いたような表情をした後、目を細めるような笑い方で答える。
「んふ、ひーよ」
 敢えて抜かず、喉の奥から発せられた振動は、少年の心を強く揺さぶる。自身の中に眠る加虐心を、こうも上手く刺激されては溜まったモノではない。少年は左手を再び少女の後頭部に当て、そのまま優しく撫でる。
 少女は口を少年の身体の方へと近づき、彼の分身を深く深くまで飲み込む。少年はその奥に連れて締まる感覚に耐えかね、少女を抱えるように身体を丸め込んだ。
 突然行われた体制の変化に、少女は驚きながらも、その動きに攻撃性がない事を悟り、同時に自身のそれで快楽を得ているのだと理解した。
「っ、ごめん、そろそろ出る」
 少年は申し訳なさそうにそう呟きながら、少女の手から離れようとした。少女はそれを悟るとすぐに少年の手を握り込み、逃すまいとそれを止める。少年が驚きながらも自身の陰茎に来た限界に耐え切れず、鈴口から決壊を始める。
——少女の口、喉の奥へ、熱い液体が注ぎ込まれた。根元まで咥えていたそれから口を離し、舌の上に吐き出される少年の種を、少女は瞼を閉じて味わうように待っていた。
 別に美味ではないし、寧ろ不味い。少年から頼まれたために飲んでいるが、飲み込むには少々時間が掛かる代物である。半固形故に喉に引っ掛かり、かと言って噛んでも意味はない。僅かに薄い塩味の後に来るのは、ごく薄い有機的な塩素の匂い。
(まっず……ボク頑張ってるな〜……)
 少女は少年の柔らかくなった肉棒を咥えたまま、口の中に多めに放出された精液をゆっくりと飲み込んでいく。
「……ありがとう」
 少年の声が上から聞こえる。そのまま少女は脇を抱えられる仕草を察知して立ち上がると、すぐに対面で抱きしめられ、ほとんどノータイムでキスをされた。
「ごめん、まずいのに飲んでくれて」
 少年の顔は火照ったように真っ赤で、自分より判断能力が落ちているようにすら感じられるほど力のない声色だった。
(まぁ、可愛いからいっか)
少女はそんな少年を見ながら脚で少年の身体に巻き付いた。

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