
Alder Lake-N N100の速度の秘密
元々ここで書いていた内容です(2023年7月か8月頃)。
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https://ncode.syosetu.com/n8898ej/14

N100は価格の割に非常に速いが……TDP6W設定のN100は猛烈に遅い
(2023年春頃から)やたら速いと噂になっているAlder Lake-N N100ですが、N100搭載ミニPCで、実際にどんな感じのCPUなのか調べてみました。
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N/Jシリーズは、N/J4xxx時代の頃から、『昔のCore iより速い!』と書かれていることがあったのですが、実際に比べると、『何と戦ってるのか全然わからん』というくらいの大差で負けるのが普通でした。
N/J3xxxやN/J4xxxは、
『快適ではないが、案外使える』、或いは、
『使えないというほど酷くは無い』という感じでした。
実際にN/J3xxxやN/J4xxxが十分な速度と感じるかどうかは、個人差があると思いますが、Core iとどっちが速いか比較するような速度では無かったです。隣に並べて比較してN/J3xxxやN/J4xxxの方が速いと感じる人はまずいないだろうと思うくらいの速度差があります。
個人的には、右ボタン押して0.5秒で気付く遅さという感じでした。
(私はN/J4xxx機が売られていた時代、N/J3xxx機や、N/J4xxx機、それに2コアの古いCore i機はけっこう頻繁に使ってましたので、横に並べて比較できました)
N/J4xxxまでは、スクロールバーがマウスに追従しないとか、スクロールすると真っ白画面になって、復帰するのに20フレーム以上かかる(i3-5005Uは1フレーム)とかそんな感じで、明らかに遅かったです。
そこまで速度に大差があるものを比較して速いと思ったのは4コアCPUを2コアのCore iと比較して、CPUベンチでスコアが高く見えたからでしょうか?
或いは、HDD搭載のCore iとSSDのN/Jシリーズ比較してたとか、CPUの性能差が表面化しないような環境と比較していたのではないかと思います。
内蔵GPUにも差はありますが、表示と関係無い純粋にCPUパワーで差が出るような処理でもはっきり体感できるくらいはCore iの方が速かったです。
内蔵GPUの差もありますので、CPU以外の環境を近くして比較すれば、誰が見ても簡単に分かるくらいの大差があることがわかると思います。
Windowsが起動してから負荷が下がるまでの時間を比べてもわかりますし、Windows Updateでも、Windowsのインストールでも、N/Jシリーズは遅く、差が出ない場面はあまり無いのではないかと思います。
Core iで機では、スクロールバーがあんなに遅れて追従するような場面は無いのですが、あれだけ大差があってもCore iより速いと褒めるくらいなので、今回(N100世代)もそれの延長かと思ってました。
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結果を先に書いてしまうと、条件付きではありますが、N100は噂通りの速さでした。
N/Jシリーズも毎年速くなってきていましたし、N5xxxで遂にL3キャッシュを搭載し、今までボトルネックだった絶望的なメモリ性能が上がって、そろそろ、大昔のCore iに追いつくかもしれないくらいの予想をしていましたが、普通に『昔のCore iより速い』というレベルになってしまいました。
わざわざミニPCでやる必要が無いと思えるような重い作業をやらせない限りは、多くの人はこれで十分満足できる速度なのではないかと思えるくらい、前世代と比べて一気に速くなりました。
『廉価版ミニPCとしては、もう、これで十分なのでは?』
と思える速度になりました。速度と価格のバランスが極めて良い感じです。
過去のN/Jシリーズとの比較はもちろんとして、CPUのスコア的にはN100より上の少し古めのCore i機と比較しても体感速度は速そうです。
所謂、”普段使い、軽作業用途”であれば、これで十分な人が多そうです。
正直な感想として『この価格でこの速度のPCが手に入るのは感動的だ』と言われても不思議ではないくらい速く感じます。
実際のところ、いわゆる【軽作業】と呼ばれる用途で使用する場合、コア数が増えても体感速度にはほとんど影響がありません。
【軽作業】に限って言えば、高速化して効果があるのは1スレだけで、残りのスレが速くなっても、恩恵は大きくないので、現状では4コアあれば十分で、それ以上コア数が増えても体感できる場面はあまり多くありません。
コアが増えれば速くなる場面もありますが、軽作業は1スレでシーケンシャルに進む処理が多く、コア数増やすより1スレが速い方が高速化を体感しやすい。
さすがに、多コアが主流になった現在ではOSも多コアに合わせてチューニングされており、2コアよりは3コア以上の方が速度出ると思いますが、4コア(4スレ)あれば、その先はコア数2倍にするよりシングルスレッド性能上げた方が体感速度は上がりやすい。
(4C4Tと6C6T比較しても、普段使いでは速度差はあんまり感じないと思います。私は体感できることはあんまり無かったです)
なので、理屈上は、現在では少スレCPUと言えそうな、4C4TのN100でも十分速く感じる可能性はあります。
とはいえ、N100はシングルスレッド性能でも同時期のミニPCやノート向けCPUと比較して最下位レベルであり、2/3にも満たない程度だったりしますが、その割には体感速度は、その数字以上に速い。
かなり古いCPUを含めても、CPU(IA)だけ見た場合、N100はそこまで速くも無いです。10年前のデスクトップPC並みとか、その程度です。
過去のN/Jシリーズと比べると圧倒的にCPUパワーが上がってますので、比較対象がN/Jシリーズであればすごく速いと感じるのも納得ですが、そういうわけではなく、昔のCore iより体感速度が速いのです。
N100は、CPU(IA)の速度自体は、かなり昔のCore iと比べても、特別高くはありません。上でも書きましたが、簡単に言うと10年前レベルです。
ところが、このCPUは不思議なことに、軽作業での体感速度が妙に速いです。操作に対するレスポンスが良い。10年前のCPUと比較してかなり速い。
おそらく同等のCPU速度を持つ昔のCore i機を今使っても速いとは感じないでしょう(少なくとも表示に関しては、猛烈に遅いです)。
CPU(IA)の処理速度的にはデスクトップ用のi5だと第3世代、ミニPCでよく使われるTDP35WのTシリーズだと第6世代と並ぶ程度で、N100が発売された時代の感覚では、決して速いと感じるような速度ではありません(むしろ、そんなに遅いCPUはあんまり売ってない)。
ところがN100は実際の体感速度はけっこう速い。
ただし、条件があります。
それは、TDP設定です。
N100はスペック上はTDP6Wなのですが、6W固定設定(PL1=6W/PL2=6W)で確認すると、同じ6W固定設定(PL1=6W/PL2=6W)の旧世代(N5100)以下の数字しか出ませんでした。
6W固定設定では旧世代にも及びませんので、ゴミレベルという感じです。
ミニPCの販売ページを見ると6Wと書いてあることが多いですが、本当に6W設定だったら、むしろ前世代より遅いという評価になりそうです。
(PL1=6Wであっても、通常はPL2にはもっと大きな数字が入っています。
その場合は、PL1/PL2共に6Wを設定した場合より速く動くと思いますが、PL1/PL2共に6Wを設定したときより速いなら、そのCPUは6Wでは無いです)
一般的にはN95とN100ではN100の方がやや速いという評価になっていると思いますが、実際にP6W設定のN100と15W設定のN95を比較すると、N95の方が圧倒的に速いです。
おそらく、スペック通りのまともなTDP設定であれば、N95が神機で、N100は失望機(駄作機)という評価になるかと思います。
ところが、6Wでは旧世代以下のN100が、TDPを上げると一気に旧世代とは別次元の高速機に化けます。旧世代機より大食いと言えるかと思います。
実際は最大消費電力だけでなく、アイドリングでも大食い傾向があり、TDP35WのPCを含めてもN100機の方がアイドル電力が大きく、スペックと実機の性質にだいぶ開きがあります。
(N/J3xxx、4xxxの頃はアイドル電力は低かったです。N5xxx以降は、 TDP35W軍団を超えるアイドル電力を消費しています)
特に細工しなければPL1がTDPと一致する数字になりますが、書き換えることも可能です。
N100の場合、PL1、PL2の設定で、性能が極端に大きく変化します。
PL1とPL2の設定を変えながら、PASSMARKを調べました。
12Wのとき5500程度なので、現在世の中に出回っているN100のPCは12W程度の設定になっているものが多いのではないかと思います。
※DDR5の場合の数字。DDR4で15Wでも5500程度になるのではないかと思います。
PL1/PL2を書き換えてPASSMARKで測定しました。
すべての画像は貼りません。例として2つ貼っときます。
例1.N100 PL1=デフォルト,PL2=デフォルト

例2.PL1=12W,PL2=20W

PL1(TDP) PL2(短時間) CPUMARK 単スレ
無設定 無設定 2017 1217 無設定では6W
7W 7W 3015 1581
8W 8W 3756 1766
10W 10W 4739 1991
12W 12W 5499 2043
12W 20W 5821 2086
15W 15W 5957 2083
15W 20W 6143 2084
実際に売られているN100機の評価は、『価格の割に異様に速い』というような評価が多いと思いますので、基本、6Wではないです。
通常はPL1にスペック上のTDPの2倍の数字を入れても性能は2倍にはなりません。ところがN100は2倍以上になるという妙な特性を持っています。
安くて速いPCが欲しい場合は、PL1が12W以上に設定されているものを買うことをお勧めします。
N100(TDP6W)のTDP12W版がN97なので、N97機を買えば、ほぼ確実に12W以上の設定になっています。最大クロックが上がっていますので、最大消費電力も上がっているはずです。
消費電力が、20Wや30Wで大騒ぎする人はそんなに多くないと思いますので、多くの人にとって安くて速いCPUとなると思いますが、TDP6WのCPUを選択する人の中には、省電力を求めて選択する人が一定数存在すると思います。
ところが、実際は消費電力がもっと高そうなミニPCよりも、消費電力が高めの傾向があります。
省電力CPUは重い処理を走らせると、省電力である以上に遅いので、同じ処理を実行するための電力は大きくなる傾向があります(これは普通です。高速道路走るなら、軽より軽ではない小型車の方が燃費良くなる現象と似てます)。
N4120よりもN100の方が処理が終わるまでに消費する電力は少なくて済んでいます。
同様にN100よりもRYZEN5 5600Uの方が少なくて済んでいます。
基本、省電力CPUは、処理能力が高いものの方が、同じ処理をするために必要な消費電力が低い法則があります。

以前使用したLibreOfficeが有料化していたので、WPS OFFICEで測りなおしました。
以前使ったのと同じ400MBのxlsxファイル(なろう全作品index)をUSBメモリから開く時間を測りました。
正確な手順としては、
1.xlsxファイルをダブルクリックして同時に電力計をリセット。
2.シートが画面に表示された瞬間に電力計の画面写真を撮る。
という方法でやってます。
開始と終了合わせて1秒くらいの誤差はあると思います。
なお、ディスクのキャッシュの影響を受けないように、再起動後、CPU使用率が下がるのを待ってから実行しています。
機種名のうしろにある2つの数字はPL1(TDP)と、PL2です。
N100は10Wのとき、待ち時間は長くなるけれど消費電力が僅かに下がるようです。
8W設定では急激に遅くなり、結果的に消費電力は上がる。
基本、同じ処理を実行して、終わるまでにかかった電力を測ると、省電力だと思われている機種の方が実際に消費する電力は多くなる傾向があります。
(PC全体の電力を測定しているため、CPUが考え込んでる時間にCPU以外が消費している電力が積算されるため、計算上、処理時間が短いほど有利になる)
N100は比較的速いので、同じ処理をこなすために使われる電力は前世代のN5105より少なくなっています。
RYZEN 5600Uと比較すると、瞬間消費電力は5600Uの方が上がりますが、かなりの速度差があるので結果的に同じ処理をするために使われる電力はN100機の方が多くなります。
低消費電力向けCPUの場合、回路規模の大きなCPUの方が電力あたりの処理能力が高くなる傾向がある。
(理屈上は回路規模の小さいCPUの方が電力あたりの性能が高いはずなのですが、実際にテストすると、大規模CPUを低クロックで動かした方が処理に必要な電力は少ないという結果にしかなりませんでした。
PC全体の消費電力を測る限りは、省電力を売りにしたCPUの方が処理量あたりの消費電力は大きいという傾向がはっきりと出ています。
仮にCPUが省電力であったとしても、CPUが遅いとCPU以外が食ってる電力が足枷になって、PCの消費電力としては回路規模の小さいCPUの方が不利になる場合が多いとは言えそうです)
その反面、一般的にはTDPの低いバリエーションしか存在しないCPUの方がアイドリング時の消費電力は低めになる傾向があります。
回路規模が小さいので、負荷が低いときには電気を食わないという特徴があります。
実際N4120のアイドリング電力はかなり少なめです。
そのため、TDPバリエーションが6~15W版しか存在しないN100の方が、15~25WのRYZEN5 5600Uよりアイドリング電力的には有利
……と思っていたのですが、RYZEN5 5600U機の方がアイドリング電力低いのですね……それどころか、TDP35WのCore i5-xxxxTシリーズも含めて、N100よりアイドリング電力が大きいミニPCは存在しない感じでした。
N5xxxで、並みのラージコアを超えて、N100はさらに上がって、アイドリング電力が非常に高いCPUになっている感じです。
他のミニPCと比較してアイドリング電力が大きいと言っても、2倍の差があるわけでもなく、デスクトップPCと比較すると1/5とかそんな感じの数字ですので、ミニPCの中ではアイドリング電力が大きいが、デスクトップと比較すれば、他のミニPCと同様に省電力であると言えると思います。
TDP6Wを前面に押し出して宣伝している例が多く、それを見て、24時間運用用途で、古いTDP35WクラスのミニPCから省電力目的で置き換えたりすると、むしろ電気代が上がったりするトラップがあります。
私が買ったRYZEN5 5600UのミニPCは、N100機を買ったのと同時期にN100機より20%程高価なPCでした。
このRYZEN5 5600U機は、N100機と比べて、PD対応で、メモリ増設可能、NVMe x4対応という長所がありました。
個人的な感覚ではありますが、私の感覚では20%の価格差があっても、5600U機の方がだいぶ割安感がありました。
(N100機の方が割高感があった)
低消費電力のPCはPDで使いやすく、ACアダプタ持ち歩かなくてもPD電源使い回しで済めば楽ですし、メモリ増設可能であれば余ったメモリを使いまわせます。
ストレージは体感速度に大きく影響しますので、NVMe x4対応はうれしい。
なので、仮にCPU速度が同じであっても20%高くても割安感があるくらいに感じました。
そのため、N100と価格差が少ない機種として扱っていますが、その1年後にはN100機の価格は下がり、5600U機の価格はむしろ上がったような感じで、同価格帯ではないと考える人が多いかもしれません。
出始めの頃のN100機の価格は少々高かったのです。
ただし、このN100機、NVMeが x2で、安価なN100機と比較して体感速度はけっこう上です(体感速度はストレージの影響を受けやすい)。
x1とx2ではけっこう差があります。
SATAのN100機と比較すると、けっこう体感速度に差があります。
TDP12W設定のx2機とTDP15W設定のx1機だと体感速度はどっちが速いかわからないような感じです。
PL1/PL2の設定値
PL1、PL2の設定値はアプリで確認することができます。
この例だとPL1は15W、PL2は25Wに設定されています。
そこそこ速ければ、TDP6Wではないです。
この機種(スクリーンショットのPC)は、15W設定であると商品ページに書いてありますので、個人的には問題無いと思っています。

PLにはかなり大きな数字を設定できる場合もありますが、PLをいくつに設定しても最大クロック以上は上がりませんし、20Wあたりでおそらく最大クロックに張り付く感じなので、仮に50Wとか設定できたとしても、最大クロックまでしか上がらず、消費電力も上がりません。
PLで制限しているのは内蔵GPUも含むCPUパッケージ全体の消費電力だと思いますので、GPUとCPUを同時に酷使する用途ではもう少し上に壁があるかもしれません。
アイドル消費電力の謎
IA(CPU)が0.16WでGT(GPU)が0W。パッケージが4.06W。3.9Wを消費しているのは何の機能なのでしょうか?
この3.9Wがあるから、6W設定では2.1Wしか使えないのではないでしょうか?
PL1設定値6Wから7WでCPUMARKは1.5倍くらい上がります。
TDPはパッケージ全体の電力で、6W設定のときIAが使える電力が2Wで、7W設定だと3Wになると考えると、CPUMARKは1.5倍とだいたい合います。
CPUパッケージが常時4W消費していると、ミニPCの消費電力は8~9Wくらいになってしまいます。
これが、アイドル電力が大きい理由に見えます。
TDP35Wのi5-6500Tでもパッケージ全体で0.69W。DRAMとIA足すと0.75Wになるので、計算誤差が有りそうですが、まあ、1Wとか行かないです。
PC全体のアイドリング電力はN100機より低くなります。
こんな感じで、TDPが大きなCPUでもアイドリング電力は低いです。

アイドリング電力の少々の差なんて、使うときだけ電源入れる人には意味無い要素ですが、消費電力の低さを重要視する用途が存在します。
例えば、低負荷で24時間運用のPCをTDP35W機からTDP6WのN100機に置き換えて、省電力化しようと考える人は一定数居ると思います(プラ筐体の安価なミニPCが出る以前の時代の昔のミニPCはデスクトップ用のクロック下げただけのTDP35WのCPUが採用されていることが多い)。
ところが、入れ替えるとむしろ消費電力が上がるというトラップが発動する可能性があります。
普通は5、6年前とかのTDP35WのPCからTDP6Wの新しいPCに入れ替えれば、消費電力は下がると考えますよね。
ところが、負荷が低い場合、消費電力はむしろ上がる可能性が高い。
個人的に、これは酷いなと思います。
(アイドリング電力の低いN100機も存在するかもしれません。私が測ったものはすべてTDP35W機を超えるような数字でした)
実際試してみましたが、24時間運用で負荷が低い用途では、基本的にはアイドリング電力の影響が大きいという結果にしかなりませんでした。
同じN100搭載PCでも、アイドリング消費電力に差は出ると思いますが、私が調べた範囲ではN5xxx系と、N100/95はアイドリング消費電力が高く、TDP35W機よりも低負荷時の消費電力は大きかったです。
(core ix-xxxxT(TDP35W版)搭載のミニPCとの比較です)
TDPの高いPCは最大電力は高くなります。
24時間運用等で瞬間速度を重視しないなら、最大のプロセッサの状態の設定で100%出ないようにする手もあります。
基本はクロックを上げるには電圧を上げる必要があり、消費電力は電圧の二乗に比例するので、最大クロックを少し下げるだけで、消費電力は大きく削減できます(元から低クロックで動いている場合、大差が出ない場合があります)。
なので最大のプロセッサの状態を90くらいにしておくと、最大消費電力は10%と言わず、もっと大きく下がると思います。
ちょっと注意が必要な点として、100%から99%に変えただけで一気に速度が落ちる場合があります。
おそらく、”プロセッサの状態”の数字はスペックから計算されているような感じです。
基本速度が低いCPUでは99%に設定しただけで、速度が大幅ダウンする可能性があります。
TDP35WのCPUを35W設定、TDP28WのCPUを28W設定で使っている分には問題有りません。
TDP6WのCPUを12W設定で使っていたりすると、99%にした途端、一気に速度が落ちるので、期待する性能に設定できないかもしれません。

24時間運用であれば、TDP35WのxxxxT機の最大クロックを下げて使った方がN100機を使うより省電力で快適に使えるかもしれません。
N100が速いのは、画面の反応なので画面の反応が関係無い用途では、古いxxxxT機の方が速いと思います。
N100/95はアイドリング電力がかなり高め
スペック上TDP6Wという省電力のイメージに反して、N100機はアイドリング電力がかなり高目なので、何の処理もしていなくてもRYZEN5 5600Uよりも電力を多く消費するようです(これは大きな欠点)。
N100の2世代前のN4120はアイドリング電力に関してはRYZEN5 5600Uよりも低めです。
(RYZEN5 5600U機は6.5W程度です。ほとんどのミニPCは6~7Wで、5600Uのこの数字は標準的なものです)
N5xxxが8W程度。N100/95は8~10.5W程度でやたら高い。
(PCごとに異なりますが、安定して7Wを超えるのはN5xxxと
N100/95だけで、私が測ったPC全てで7Wを超えてました。
おそらくアイドル電力は高いと思います)
TDP6Wの数字に釣られて省電力だと思っていると、実はむしろ高いというトラップがあります。
なお、画面出力は、出ていても止まっていても、N100/N95では消費電力に特に差は見えませんでした。
(古いCPUは4K画面の出力ON/OFFで多少は消費電力変わるように感じました。新しいCPUでは変わらないのが普通かもしれません)
私はN/Jシリーズは電源入れっぱなしでしばらく放置するような用途で使うことも多かったので、アイドル消費の大きなN100は、そういった用途では旧機種より使いにくいようにも感じています。
体感速度を語るうえで、実はCPU(IA)速度は、軽作業ではあまり重要ではない(だからN100が速く感じる)
どのPCならN100より速く感じるかをいろいろ調べましたが、調べれば調べるほどに、
『多くのCPUで、CPU(IA)速度はボトルネックになっていないので、体感速度とCPU(IA)速度はあまり関係ない』という結果が見えてきます。
(軽作業での話。CPUの処理待ちよりは、GUIの画面描画を待っている時間の方が遥かに長いので、画面表示速度が支配的になるだけで、軽作業であっても、画面表示が速くなればCPU(IA)の速度差も体感可能になります)
N100はCPU(IA)の速度としては第3世代か第4世代のCore i5と同じくらいで、現在の基準で見た場合、速いCPUではありません(4万円もしない価格のミニPCと比較してもCPU MARKで1/3も行かないくらいの速度です(体感速度は1/3というほど低くないです))。
古い機種と比較しても簡単に負けてしまうくらいの数字ですが、
実際はCPU(IA)がもっと速いCPUと比較しても、けっこう速く感じます。
だからこそ、安いのに速いと評判になっているのだと思いますが。
比較すればするほど、軽作業での体感速度は、画面周りの速さが支配的で、CPU(IA)はあんまり関係ない感じです。
どこまで差が出ればN100より速く感じるか調べてみたのですが、結局、画面周りが速くならない限り、CPU(IA)が少々速くなっても、軽作業での体感速度は上がらないことがわかっただけでした。
i5-8500Tと比較すると、GUIの反応速度がN100の方が圧倒的に速く、軽作業に使う範囲ではN100の方が快適な感じでした。
それ以上に速いCPUと比較しようと思うと、そのCPUの内蔵GPUも表示が速いので、CPU(IA)速度の影響で速くなったかどうかはわからなかったです。
諦めて関係のありそうなスペックで比較することにします。
表示能力(ピクセルレート、テクセルレート)で見てみる
テクセルレートが、テクスチャ表示能力で、2Dの画面をテクスチャとして扱っているので、これが2D画面の表示能力に影響するのだと思います。
ピクセルレートは3D寄りの機能で、3D表示のレートだと思うので関係無いように思ったのですが、実際はテクセルレートよりもピクセルレートの方が体感速度の関係に近いように思えるときもあり、よくわからないので両方載せています。
表示のスペック的には、N100は古いCore iより上の方に居ることがわかります。

元々、CPUMARKで見ると速いはずの8500T(6C6T 35W)より8259U(4C8T 28W)の方が快適なことが多く、たいして速くないはずの5257U(2C4T 28W)の体感速度はCPUパワーで勝るはずのPCと比べて案外速いということはわかっていて、私は8500T(6C6T 35W)より8259U(4C8T 28W)のミニPCを使用していました。
グラフ見るとわかりますが、N100は8500T(6500T、7500Tも大差無し)より表示能力が高そうです。
古いCPUは表示がボトルネックになっていてCPU(IA)速度が高くても体感速度が遅かったと言えそうです。
N100は古いCPUより表示が速く、ボトルネックが解消された結果、CPU(IA)速度的には格上のCPUよりも、体感速度が速いという現象が起きているように思えます。
結論としては、高めのTDPを設定したN100は価格の割に体感速度が非常に速い。
実は元々ボトルネックはCPU(IA)ではない場合が多かったので、ボトルネックが解消されて、軽作業用としては少し前のCPU(IA)が速いCPUより体感速度が速く感じるくらいバランスの良いCPUとなっているように思います。
N100は、CPU(IA)速度自体は、そんなに極端に速くはありません。
CPUの進化が停滞していると言われていた時期のCore i第3世代か、第4世代のデスクトップ版Core i5と同程度くらいで、その後AMDがRYZENを出してから、CPUの高速化が再スタートしていますので、N100が発売された時代(RYZEN7世代)には、そんなに速くはないのですが、表示が速く、CPUパワーがさほど重要ではない軽作業では、むしろ少し前のCPUより体感速度は速いように感じます。
GUIで操作している都合、GUIが遅ければ、CPUが速くても、CPU負荷の小さい軽作業では速さを感じにくい。
GUIで操作する限り、GPUとCPUはバランスの問題で、片方だけ速くても、体感速度はあまり向上しない。
WindowsGUIは、昔は速かった時期があるのです。
昔はWindowsGUIを高速化するための機能がビデオカードに付いてました。
Windows XPの頃、2Dでは体感速度が飽和して競争する意味が無くなるくらいのところまで来ていました。
ベンチマークの数字が上がっても、体感できないところまで来ていたのです。
ところが、2DぼWindows画面を3Dで描画するように変更して、わざとGUI用の2Dアクセラレータを使用不可能にして超鈍足化を進めたように感じます。
3D化してからは、速度が飽和どころかボトルネックになってます(なので、CPU的にはさほど速くないN100が速く感じる)。
現在のレベルは20年前と比べて速くなっているか疑問です。
少なくとも、キーリピート速度はWindows11は設定変えてもほとんど速くなりません。XPの頃は操作不能なほど速くできたわけで、かなり激しい性能低下だと思います。
(操作不能なほど速くする必要はありませんが、遅くするのは簡単なので。自由に設定したいです。現状のWindows11のキーリピート速度は普通に苦痛を感じるくらい遅いです)。
内蔵GPUがどのくらい速ければ、WindowsGUIを動かすのに十分な速度になるか……と言うと、たぶん、Windows3.1の頃のように、WindowsGUIを速くするためのアクセラレータでも搭載しない限り、体感速度が飽和するような速度にはならない感じです。
内蔵GPUより遥かに速い外付けGPUでも、さらに速いものに差し替えると、速度差が体感できるくらいなので、内蔵GPUが10倍くらい速くなっても、余裕で速度差が体感できそうです(メモリ帯域が1ケタ違うので、その差が何年かで埋まるとは考え辛い)。
N100にはGPUの性能を落としたN95というバリエーションモデルが存在しますが、TDP15Wなので、基本PL1=15W以上に設定されていると思います。
CPUクロックは全く同じなので、CPU(IA)の最大消費電力に差は無いはずですが、内蔵GPUが電力を消費すると、そのぶんCPU(IA)が使える電力が小さくなります。
N95も体感速度はN100と比較して、そこまで大差は無いので、価格差が大きければN95も有りだと思います。機種ごとにTDPがいくつに設定されているかわからないN100機よりN95機の方が安定して速いかもしれません。
内蔵GPUでは、古くて(中古価格が)安いビデオカードにも全く歯が立たない
画面表示が遅すぎてCPUの速度が良くわからないという現象は昔からあって、どんなに速いCPUを搭載したPCでも、外付けビデオカードを挿したデスクトップPCには絶対にGUIの反応速度では適わない。
速いカードを挿すとテキストエディタやブラウザのスクロール、ウィンドウの移動が速くなるのが体感できます。
軽作業の大半は操作に対する反応待ちなので、そこを高速化するには、GUIを速くするのが効果的です。
GUIが遅いと、待ち時間の大半を画面処理が食うのでCPU(IA)が速くなっても体感できない。
これはかなり顕著で、かなり古いビデオカードを挿した古いPC、例えば、Windows11対応の最初の世代である第8世代Core i5 8500にビデオカード刺したPCと、最新のミニPCを比較しても、軽作業の体感速度では全く勝負にならないです。
(ゲーム系ベンチで内蔵GPUが古いビデオカードより高スコアを出しても、Windows GUIは、古いビデオカードの方が速かったりします)
例えCPU MARKで2倍の数字を出すCPUと比較しても、ぜんぜん勝負にならない。
内蔵GPUの進化はCPU以上に速いのですが、それでも全く歯が立たないようです。
内蔵GPUと外付けGPUの速度差がどれだけ大きくても、体感速度が飽和するほど速ければ(ボトルネックにならない程度に速ければ)、何の意味も無いのですが、現状はまだ、内蔵GPUはWindowsGUIを実行するのに十分な速度を持っていないので、CPU(IA)が速くなっても、画面書き換えを伴う処理では、体感速度に大差が出ているようです。
CPUの内蔵GPUは、CPU用のメモリを共用しているので、あまり画像向きではありません。CPUは細かな単位でメモリをアクセスしますので、バス幅が広くても速度があまり上がらないのですが、GPUはバス幅が広い方が都合が良いです。
(DDR5にはバス幅半分にして2か所のアドレスをアクセスできるような機能があるようです(バス幅が半分のメモリを2つ繋いで別々のアドレスををアクセスするのと近い状態を作り出す))
GPUはバス幅が広いほど性能は上がる傾向が強く、スペック表眺めれば、高いものほどバス幅が広くなっていることが確認できると思います。
外付けGPUはGPU都合でメモリを決められるので、メモリ帯域がCPU内蔵GPUの10倍とかあり、簡単な処理でも勝負になりません。
少し前のCPUでは内蔵GPUの能力不足が顕著で、CPU(IA)とのバランスが悪かった。
表示速度が重要であるなら、ビデオカード付ける前提で作られていたのだと思います。
ビデオカード不足で手に入らなかったり、価格高騰で気軽に買えなくなったこともあり、現在は内蔵GPUで使う前提に方針転換されているようです。
N100は、過去に存在した多くのCPUと比較して内蔵GPUでのGUI処理速度が速いので、結果として、体感速度は凄く速く感じるという現象が起きているようです。
WindowsGUIの表示速度なんて、邪魔にならない程度に速ければ良い(XPの時代にはこのレベルに達していた)のですが、実際には表示が遅すぎて、CPU(IA)の速さが体感できないレベルだった……というのが、ここ10年くらいの現状だったようです。
なので、ボトルネックである表示が改善した方が体感速度は上がる。
その結果CPU(IA)がたいして速いわけでもないN100がけっこう速く感じるという現象が起きているとも言えると思います。
軽作業用途では、操作に対する反応が重要で、体感速度はGUIの画面書き換え速度の影響が大きいので、表示能力の高いCPUを選んだ方が体感速度が上がりやすい傾向があります。
バランスの問題ですが、多くの場合、ボトルネックになっているのは、表示側で、CPU(IA)が速くても画面描画時間が支配的になり、CPU(IA)の速度はあまり意味のないものとなっている例が多かったと言えるかと思います。
N100同様、新しいCPUは表示が速いものが多いです。
N100が速いと言われるくらいなので、もう少し高いPCはもっと速いです。
基本、新しい機種ほど体感速度は上がっています。
以前CPUの進化が停滞していた時期があり、ミニPCのCore ix xxxxTシリーズ(6500T、7500T、8500Tなど)を見る限り、第4世代でも第9世代でも体感速度は変わらず全部遅いという感じです(10世代でも変わらないと思いますが10世代のTは持って無いため)。
AMDのRYZENの場合、GPUを内蔵する場合は、けっこう高性能なものを内蔵します。
INTELはGPU内蔵が普通なのに対して、AMDは内蔵GPU無しのCPUがけっこうあります。
(私はデスクトップ向けでGPU内蔵したRYZENは買ったことが無いです)
内蔵GPU有りのRYZENは、それなりのGPUを内蔵していることが多く、ミニPCでも、けっこう表示能力は高いです。
とは言え、新しいものでも内蔵GPUでは、ビデオカードには全然適わない。
※3Dの話は全くしていません。WindowsGUIが速いという話です。
内蔵GPUと外付けGPUを一つのグラフにまとめるとこんな感じです。

テキストエディタ等では、NVIDIA系よりAMD系の方が速度速いことが多いのですが、グラフにしても、多少なりとも差がありそうです。
RX570の方がGTX1060より25%程度速いことを考えるとテクセルレートの方が速度に対する影響が大きいのでしょうか?
軽作業での速度だけで言うと、けっこう古いPCに、これまたけっこう古いビデオカード挿しておけば、最新CPUを外付けビデオカード挿さずに使うより速く感じます。
GTX-1060(2016年発売)かRX570(2017年発売)あたりを挿しておけば十分速いです。
(速度差は圧倒的で、何倍だかよくわかりません)
表示が速くなると結果としてCPU(IA)の速度差が、体感しやすくなります。
GTX-1060もRX570も追加電源無しの75Wでは足りず、電源ピンを追加で刺さなければならないようなビデオカードですが、実際の消費電力はさほど大きく上がらず、基本アイドル状態に近いです。
放熱能力が高く、アイドル時にはファンが停止するようなビデオカードでは、常時ファンが停止していることが多いです。
※なお、WindowsGUIに限った話をしています。
GTX-1060とRX570は、だいたい似たような速度ですがGTX-1060よりRX570の方が25%くらい速いです。
メモリ帯域の問題かと思いましたが、GTX-1060からメモリ帯域倍増のGTX1660SUPERも、特別速くも無かったです。
基本、WindowsGUI実行時は、ビデオカードはほぼ寝てる状態で真面目に動いていないので、ビデオカードのスペックとGUI速度は一致しないことが多い。
消費電力とGUI速度のバランスをある程度自由に設定できるツールが欲しいところです。
GUIが関係無いような用途であれば、N100の強みは失われ、単純にCPU(IA)性能に比例したPCになると思います。同じ値段で買える中古ミニPCの方が性能は上になる可能性が高そうです。
わざわざ重い処理を選んでN100機でやる意味は無いので、重い処理は除くとして、
私が凄く意外に感じた例に、お絵かきソフト(Photoshop等)の例があります。
多少なりとも、GPU性能が関係ありそうだと思ったのですが、軽作業でN100が健闘するのと逆の理由で、軽作業でGPUがボトルネックになっているようなPCの方が健闘します。
どんなに凄いビデオカード付けても、体感速度にはほぼ影響せず、CPU(IA)のシングルスレッド性能と、メモリアクセス性能とストレージだけでほぼ決まってしまいます。
線1本引くたびに、undoバッファを貯めこんでいくので、ストレージとCPUのメモリアクセス性能が重要になります。35W系ミニPCは、第6世代の時代からNVME PCIe x4が普通ですし、メモリ増設可能なので、軽作業ではN100より見劣りするような機種の方が、パワフルに感じるのではないかと思います。
(N100機の多くはストレージが圧倒的に弱い)
N/J3xxx機やN/J4xxx機はメモリアクセス性能が絶望的に低いため、特に苦手な処理でした。そのあたりのCPUと比較したらN100は圧倒的に、まともに使えると思います。ストレージがI/Fがボトルネックになるほど速くなったのは、ここ数年の話で、お絵かきソフトはそれ以前から存在していたわけで、N100でも十分ではあると思います。
電源設定でスリープ時間をなしに設定してもスリープしてしまう場合
ミニPCは電源入れたまま放置して使うことも多いと思いますが、スリープしない設定にしても、勝手にスリープに入ることがあります。
スリープ時間なんて、ものすごく基本的な設定だと思うのですが、設定しても、設定どおりに動かない。
このOS作った人頭おかしいのではないかと疑いたくなりますが、電源オプションのハードディスクの電源を切る時間を0(無効)に設定して、さらに、レジストリいじって無人スリープタイムアウトも0に設定するとスリープしなくなると思います。
スリープ時間を設定する機能が存在するのに、そこでの設定が無視されて、わざわざレジストリいじらないとスリープしない設定にできないのはどうかと思います。
私はよくOS再インストールするので、たびたび寝る子に戻っていて腹立つので、ここに書いておきます。
レジストリの、
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\238C9FA8-0AAD-41ED-83F4-97BE242C8F20\7bc4a2f9-d8fc-4469-b07b-33eb785aaca0
の
Attributesの値を2にすると、電源オプションのスリープの項目に『システム無人スリープタイムアウト』が出現する。
これを0にすると、その機能は動作しなくなる。
”システム無人スリープ”で検索すると、わかりやすいページが出てくるのでそれを見てください。