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【幻想的すぎる教会】安藤忠雄は何故十字架の周りに水を張ったのか【水の教会】
お久しぶりです。
西加奈子さん作の「サラバ!」にはまっているくろにいです。
本日通勤電車で、中巻を読み終えました。
今日は安藤忠雄さん設計の教会建築、『水の教会』について話したいと思います。水の教会は、写真で見ても分かるように、とても幻想的な教会です。
透明な水盤の上に十字架が立つ。十字架の周りを森が鬱蒼と囲む。森の中に十字架が佇んでいるようにも見える。完全に森と建築が調和している状態です。この空間は、双方が己を誇示することなく一方を引き立てるような絶妙なバランスで保たれています。安藤忠雄さんの絶妙な感覚にただならぬ造形センスを感じます。
『水の教会』がなぜ幻想的・神秘的に感じるのか言語化していきたいと思います。『水の教会』に込められた安藤忠雄さんのアイデアや想いついて考察していきたいと思います。
1. 水の教会について
『水の教会』は1988年北海道勇払郡占冠村に建設されました。ちなみに占冠村はこのあたりです。新千歳空港から電車で約90分、車で100分くらいで行けるみたいです。
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『水の教会』は、星野リゾート トマムにあります。
『水の教会』は結婚式会場としても人気が高く、毎年多くのカップルが式を挙げます。
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設計者は前述した通り、安藤忠雄さん。
安藤忠雄さんは日本を代表する建築家です。『住吉の長屋』『地中美術館』『光の教会』など、数多くの名建築を生み出しました。安藤建築の多くが打ち放しコンクリート仕上げ(コンクリートの型枠を外した後に仕上げを施さないで現しのままの状態)で構成されています。
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もちろん、『水の教会』も打ち放しコンクリートで構成されています。しかし、安藤建築としての本当の芸術性は打ち放しコンクリートではありません。この件については後日、お話ししたいと思います。
2. 神秘を演出するための仕掛け
神秘なものは、いつだって簡単には手が届かないものです。秘境に行くには、難関を越えなればなりません。
秘境には簡単に足を踏み入れることができないのです。
だから、安藤さんは十字架の周りに水を張りました。容易には十字架に近づけないようにするためです。 十字架の神秘・神聖さを、十字架の周りに水盤をはることで表現しています。
3. キリストが寄り添う温かな空間
平面図から『水の教会』を読みといていきたいと思います。
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「水盤」のサイズ感と、「会場」と「十字架」の位置関係について平面図を参考に説明したいと思います。
「水盤」のサイズが明らかに大きいです。「会場」と「十字架」の距離感を考えれば、水盤はもっと小さくても良さそうな気がします。しかし、「十字架」は「会場」のかなり近くに配置されています。まるで十字架が祈りを捧げに「会場」にやってきた人達の近くに寄り添うような構成です。
「水盤」のサイズ感と「十字架」と「会場」の位置関係を巧みに利用して、十字架が会場のすぐそばにまで寄り添っているよう演出をしています。
4. さいごに
まだ中巻までしか読んでないですが、西加奈子さんの「サラバ!」オススメです。
「さようなら」でもなく「またね」でもなく「バイバイ」でもなく、
「サラバ!」。
永遠に別れてしまう時に使うような言葉ですね。
これから下巻に突入しますが、果たして題名の意味が分かる時がくるのかこなのか。
いい本や作品はいつでも、物語の内容と題名がしっくりリンクするものです。
少なくとも、「水の教会」はそうだと思いました。
水には、心地よさ、冷たさ、温かさ、恐ろしさなど様々なイメージがありますが、これらのイメージは十字架の神聖さ、厳かさのイメージとうまく調和しているように思います。そして、これらの調和(概念)を造形として建築に昇華した安藤さんはやっぱりすごいと思いました。「サスガ!」
以上です。