古風な人達の冒険

池田秀作(イケダシュウサク)21歳は縁側で音楽プレイヤーを片手にほうじ茶を飲んでいた。

彼は今個人製作のインターネットラジオを聞きながら彼らの放つ世界観に心を通わせている最中でした。

時折そよ風が吹き庭に植えてある木々がざわつきながら温もりのある実りの香りをおすそ分けしてくれている様

な何気ないひと時。

ふと耳から聞こえてきたある単語に池田は身を震わせた。

「なっ。なんだと」

ささやく様な一言を言い放つと。

すかさず一人の青年が姿を現した

「池田様。どうかされましたか」

「どうされました?気分でも害されましたか?」

「いや。大したことではござらんよ。それより。その。なんだ。様付はやめてもらえないだろうか。竹内君」

竹内君は池田と同じ21歳幼少期から小中高と同じ学校に通う青年です。

「何をおっしゃりますか。我が竹内一族は代々

池田様の家臣としてお仕えさせて頂いて

おります間柄でございますので。」

「いや。もうそういう時代じゃないから。」

「そうでございますか。ならばお役御免ということでございますね。ならばかくなる上は…

「おーい。今君何考えた?」

「いえ。大したことではございませんよ。

再就職先を探さねばと思った次第でございます」

竹内の一言に池田はほっと一息をついた。

「それよりも一つ聞きたいことがあって。

竹内君。俺は聞いたことも見たこともなかったのだが

『デパ地下』とは一体何なのだろうか」

「池田様。それならば任せて下さい。

現代のあれこれは常にリサーチしておりますこの竹内。是非『デパ地下』についてご案内致しまする」

「では早速。語ってもらえるか」

「何をおっしゃいまする。『デパ地下』は人づてに聞くよりも実際に見て体験されることがよろしいかと」

「そうか。では今から向かうとするか」

池田秀作の屋敷は田舎にある貴重な古風な

雰囲気の建物だった。

そんな屋敷の母屋には日々の生活に欠かせない

愛車であるコンパクトなサファイアブラックカラーのファミリーカーが駐車されている。

突然の来客時の送迎や買い出しにも便利な今流行のコンパクトなのに大容量低燃費自動車だ。

この物語は由緒正しき家柄の末裔『池田秀作』と家臣の竹内君による

日々の何気無い日常をテーマとした

古風且つ現代的なフレーバーを持った作品です。

「では参りましょうか」

「よろしく頼む。『デパ地下』とは一体なんぞ?』

車のエンジンを掛けて彼らは屋敷を後にし

目的地へと目指した。

このあと池田秀作にとってかけがえのない出会いが待ち受けています。

-続/

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日々文章を書きつつ。どうにか生き延びようと派遣にて働き口を探しつつ転職活動中の身です。金欠中ですが。 noteでは楽しみと人と人との出会いを大切にして いきたいと思っております。