雪が積もってるのに仕事に行くの?(小説風に描いてみる)
※小説は一切書き上げた事はありません。完全なド素人です。温かい気持ちで、もしお時間あれば読んで頂けると嬉しいです。
※この記事を読む事で、自動車の運転を今後も気をつけようという気持ちになります。あと悪天候の日は家で大人しくして、外出しないようになるかもしれません。
家を出るまで
今日は、朝起きて窓の外を見たらやばかった。玄関先の庭に雪がめっちゃ積もってるし、雪が吹雪いている。
いつものように仕事に行けるような日ではないことが一目でわかる。
しかし、昨日の時点で今日の為に残業して作業をギリギリまでしたけど、予定通りにいかず中途半端にしてきてしまった。道具も材料も現場内にやりっぱなしの状態で全く片付けられていない状態。
明日は建築工程(計画予定)で別の業者さんがくるので、必ず現場に行かないといけない状況。
『このままではマズイ、今日必ず現場に行って最低でも材料や作業を片付けておかないと現場監督に叱られる』と思い仕事に行く準備をした。
作業車のトラックはノーマルタイヤで、この雪で積もった道路をとても走れる状況ではないのが一目瞭然。スタッドレスを買えば良いのだが、今年買い替えの予定が忙しくて余裕もなく準備できなかった。
それにトラック用のスタッドレスタイヤは何しろ高い!別の車で対応できるなら対応すれば良いと思っていて、買うのを躊躇って今日に至る。
会社に残っている車を確認すると、出番の少ない軽トラックがある。しかも、タイヤはスタッドレスを履いているし、この軽トラックは4WDだった。
まさに救世主とも言えるこの状況での神的作業車が残っていた。
天候は最悪。道路も積雪とアイスバーン状態。
でもこれなら、なんとか行けるかもと思い身支度をして早々に軽トラックに乗り込んだ。
エンジンをかけて暖房を全開にする。エンジンが温まるまでは暖房は出てこない。
この時間を使って、軽トラックに山積みになっている雪をホウキと水で流し落とす。
この時間も結構かかるし、何より寒い。体が凍える。手が悴んでくる。
それでも目の前に車内を温めようとエンジン音を唸らしている軽トラックを見て、自分も頑張って早く温かい車内に乗り込むのだ!っと気合を入れて雪を落としていく。
そして、15分程で雪を落とし走れる状態にまでしたので急いで車内に乗り込んだ。
空からは淡々と雪が降り注いで再び車を雪で覆い被さろうとしてくる。また時間が経てば同じ作業を繰り返さなければいけない。何より早く仕事を終わらせて帰ってくるのが1番良いと思い車のワイパーを作動し、一先ずは現場に向かう事にした。
道路の状況は最悪だった
道路に出てゆっくりと走行していく。路面は車の通りの多い所は雪が踏み固められて凍っているアイスバーン。脇道に入れば、綺麗に輝く真っ白い雪の山。
現時点の道路の状態で、車で走行するにはかなり厳しい状態だった。
現場まで向かう経路には、大きな交差点はもちろんあるし、堤防道路もある。川もあるので大きな橋も越えなければいけない。難関が多い経路だけあって注意しながら車を走らせなければいけない。
周りの走っている車も、トロトロとゆっくり走っている。自分も速度を合わせるように、万が一の接触事故に備えて車間距離を取り速度を落として走っていた。
現場に早く着いて仕事を終わらせたいという気持ちで車のスピード上げたくなってしまう。そんな感情を抑えて、気持ちを落ち着かせながら焦らず現場に向かう。
一つ目の大きな交差点に差し掛かった時、予想通りの渋滞に出会う。交差点内の雪道によるスリップ事故だ。事故により、車線に制限がかかり渋滞が発生していた。
警察による交通整理がまだ出来ていない状態であるがために、他の車も事故現場を確認しながらゆっくりと走れる隙間を縫って通過していく。
交通事故の現場はどうしても目に付き気にしてしまう。確認することによって、本人も注意しなければいけないという気持ちが湧いてくるのだろう。
そんなことを思いながら、自分も事故現場を横目に交差点内をすり抜けていった。
先ほどの交差点を過ぎて少し走っていくと次の難関ポイントがある。
それは川の両側にある堤防道路だ。割と大きい川なので、洪水を避けるために平地と比べると高く作ってある。
堤防道路は、路面が凍りやすく溶けにくい。それに道路脇にあるガードレールは殆ど設置されていないので、スリップを起こしてハンドル操作を間違えれば堤防から落下してしまう。堤防まで登る坂道も一度止まってしまえば、スリップして前に進まず登れない時もある。
そして堤防に登る坂道にゆっくりと進入して、アクセルとハンドル操作に気をつけながら徐々に登っていく。路面を確認しながら、凍っていない箇所を出来る限り通るように慎重に慎重に登っていった。
堤防道路にでると、渋滞が発生していた。川を渡る橋に完全に車が並んでる。しかし引き返すことはもう出来ない、堤防道路は片側一車線。車の進行方向を変えることが出来ない。やむを得ず、渋滞祭りの橋に向かっていった。
堤防道路と橋の入り口に交差点があるのだが、この交差点は信号はあるけど右左折専用の矢印がないタイプの物。今日のような悪天候ではない日でも、我が先にと交差点内に車両の先端を前車ギリギリまで突っ込んで進もうとしている交差点だった。
吹雪状態の本日も、悪天候にも関わらず負けじと車両の先端をいつもながら突っ込んでいる状態の車ばかり。当然、橋の上で車が渋滞しているので前に進めず、交差点内に車両が二、三台止まっている状況だった。
橋の道路は二車線あって反対車線の車も通る場所なので交差点に車が止まっていると、交差点を通過できない状態の時もあった。
自分もここは諦めて渋滞に身を任せゆっくりと待つことにした。
橋の道路にようやく 乗れた時には時間は30分以上かかっている。いつもなら5分位で乗れるところなのだが、今日の悪天候であれば仕方ない。あとはこの橋を通過すれば目的の現場に辿り着けられる。もう少しの辛抱だ。
橋の上の渋滞もちょっとづつではあるが、一台また一台と橋を通過していった。橋を超えた先で先程の交差点内での接触事故があるのかもしれないと思い、慎重に車を操作していく。橋の道路も堤防道路と同じで凍りやすく溶けにくにので、慎重に運転操作をしなければいけない。それに橋の道路には道路の継ぎ目となる鉄の部分がある。
これがまた、非常にスリップしやすい原因となっていて繋ぎ目の箇所だけは最大級に気をつけなければいけない。低速走行でも、アクセル操作やブレーキのタイミングで容易に滑ってしまうのだ。
そんな危険ポイントを通過してようやく橋を通過した所で、大型トラックが反対車線の橋の手前でスタックしたようで前に進めず立ち往生していた。
当然ながら大型トラックの後ろの車は前に進めることなく、こちらも立ち往生状態。こちらの進行側の車の気遣いでたまに一旦停止して、トラックの後ろの車を先に迂回させていた。
橋の渋滞の原因がこの大型トラックの立ち往生で、反対車線の車を迂回させる為だったのである。他の運転手さんも急いでいる中で、反対車線の車を進ませてあげてるのには心が温まる。
自分もノーマルタイヤのトラックで現場に向かっていたらもっと酷い渋滞を招いていただろうとも思う。
スタッドレスタイヤでも滑ることもあるしハンドル操作も誤ることもあるので、安易に車を走らせるのは非常に危険だと思った。
橋を通過して、ようやく現場の近くまで来れた。住宅街の一角で大通りでもなければ車の通りが多い場所でもない。なので道路は輝くような真っ白な雪で道路を隠していた。
凍っているわけではないし、今の運転している軽トラックはスタッドレス装備の4WDなので自分のタイヤの跡を残すように雪を踏み潰していく。凍っているアイスバーン道路よりも数段に走りやすかった。
目的地の現場は富士山の山頂ですか?状態
ようやく現場に到着したので早速ミッションに入る。っと思いたいのだが、建設現場なので車も通らなければ人も通らない。しかも今日は自分が初めて現場に入ったので見事な積雪が現場全体を覆っていた。
車から降りてどの位積もってるのか確認するも、足が膝付近までズッポリと入る長靴装備ではあったが、ギリギリ中に侵入するかしないかの瀬戸際だった。
昨日のやりっぱなしの状態を綺麗に片付けないといけないのだが、雪で材料も完全に埋まっている。材料のおいてある場所が自分の記憶にしっかりと焼き付けてあればピンポイントで探し当てられるのだが、自分の頭のメモリーは非常に低く2MBくらいだ。
せめて1GB位の記憶領域があれば良いのだが当然アップグレードも出来ないので材料のおいてある場所は記憶に保存されていない。
さて、宝探しの始まりだ!
積雪はかなり多い。そして今も空からは雪が降り続いている。
長靴を履いた足で雪を掻いてみたり足で雪を踏んで、昨日片付け忘れた材料がないかを確認する。雪掻きスコップで雪をどければ少しは作業も捗ったのだろうが、今は持ち合わせていない。
現場にある竹箒くらいで、こいつでは雪をかき分けられない。
地道な作業で材料を探していく。足の感覚で、材料の形状を確認し少しづつ見つけては現場内の資材置き場へと運び片付けていった。
一時間ほどで、だいたいの材料を発見出来たので『これで帰れる!!』っと思って周りを見渡していると、大きな雪山を発見した。材料を探している時には探すのに集中して気にもしていなかったので、目に入らなかったのだ。
明らかに、昨日の自分が建設重機で穴を掘り、掘った土を山のように積み上げていた作業がある。多分、その土の山に雪が降り積もって雪山のようになったのだろう。
そして、その雪山は、明日以降の工程において必ず邪魔になる場所にいた。
明らかに自分の責任である。そして責任もって邪魔な雪山を除去しなければいけない。
第二ミッションの始まりである。
穴を掘る建設重機を使用して雪山になっている元の土を崩して、周りの地盤に合わせて平らにする作業となる。
使用する重機は、運転手がキャビンタイプ(室内空間)の中に入って操作するタイプのものではなく屋根もないオープンな物だ。寒い中で重機に乗り、降り続く雪を浴びながらの作業は必須だった。
自分の責任なので諦めて、重機を運転して作業に取り掛かる。。重機は、雪だるまのように雪に覆われ、すぐに動かせる状態ではないのでまずは重機の雪かきをしてエンジンを始動し、暖機運転を行い作業に取り掛からなければいけない。
この時間はおよそ30分。雪かきは勿論のこと、エンジン始動して暖機運転をする時間が割とかかる。
ようやく動かせる状態になったので作業を開始した。
手が悴んでくるし降り続く雪も自分の体に容赦なく浴びせてきて、時間が経つにつれて自分の体は雪だるまへと変化していく。雪が溶けて作業服に染み込んで冷たい。カッパを着れば少しはマシなのだろうが、用意していなかったので雪だるまへの転職は進んでいった。
一時間後、ようやく雪だるまに転職する前に作業が終了し帰宅できることとなった。
ここまでの現場に来る運転の苦労と、現場内の土の処理を完了した旨を現場監督に連絡する。
きっと、こんな寒い中作業してくれて感謝してくれることだろう。そして、きっと褒め称えてくれて賞賛してくれるだろうと思いスマホを手にとり連絡した。
『現場内の片付けと、土の処理が完了しました。雪も降り続いて現場内も積雪がどんどん増えていっています。今日のところはこれで終了して帰宅します』
上司に報告として丁寧な言葉を探して報告した。現場監督の回答は、、、
『あざーす』
以上でした。日頃から仲良く日常会話もしている仲なので気軽に話せるとわいえ、この一言で終了。寒いのも忘れるような一言。こちらも『あざーす』です。
帰りは思いっきり車内の暖房をきかせて、来た時と同じように会社に帰りました。雪道の運転は非常に危険ですし、悪天候の時の無理な作業は今後は控えようと心に誓いました。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。同じ境遇の方や、道路がアイスバーンの状態でも車の運転をされる方も十分に注意してハンドルを握ってもらえる事を願っています。事故のないようにお互いに注意していきましょう。
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