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毒物劇物取扱者試験 合格までの道のり

先日、令和6年度 東京都で行われた毒物劇物取扱者試験に合格しました。来年度以降に資格取得を目指している方のお力になれればと思い、稚拙ながら筆を執りました。


前書き

毒物劇物取扱者試験、通称『毒劇』は、各都道府県で行われている試験です。難易度や問題の傾向は各都道府県で全く異なり、合格基準もバラバラです。今回は私が受けた『東京都』の毒劇について述べますので、他の場所で受けようと思っている方は参考程度でお願いします。

参考書と勉強方法

試験問題が各都道府県の公式サイトに過去3年分程度載っていますので、始めに問題を見てみましょう。試験の傾向は多少違えど、内容については大体同じです。毒劇の試験では法規基礎化学毒物劇物の性質等の問題が出ます。

合格基準

東京都の場合、法規、基礎化学、毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱い方法をまとめて一般とし、50問問題があります。一般では合格基準として50点取る必要があります。満点は100点なので、1問2点と考えるのが自然でしょう。故に、半分の25問正解する必要があります。但し、点数配分は非公開ですのであくまでも参考程度にどうぞ。

一般の次ページには実地があります。実地は実技試験というわけではなく、一般と同様に筆記試験です。内容に関しては、毒物及び劇物の識別及び取扱方法であり、一般の毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱い方法と似たような問題です。実地も一般と同様に50点取る必要がありますが、こちらは一般と異なり問題数が半分の25問です。つまり1問4点と考えられます。最低でも13問は正解しなくてはなりません。

加えて、一般と実地を足した合計点が120点(60%)以上無ければ合格できません。

法規

『毒物及び劇物に関する法規』と書かれている場合が多いですが、長いのでここでは法規とします。東京都では、過去5年間法規に関してはきっちり20問出ていました。正直、法規は9割以上を目指せる部分なので、ここでしっかり点数を稼ぎましょう。法規ですから、当然暗記分野ではあるのですが、全文覚える必要はありません。

勉強方法としては、受ける地域の過去問を解く以外勉強方法は無いと思います。
3年分解くと分かりますが、聞かれているところは大体同じ場所です。

法規はネット上に載っていますので、分からなかった部分は毒劇法を調べると理解が深まるでしょう。 デジタルではなく、分かりやすいテキストが欲しい方向けに、私が使用していたテキストも紹介しておきます。

その名も…… 毒物及び劇物取締法解説!!

テキストとしては少しお高めなのですが、法規の理解を深めたいなら是非こちらをお使いください。法規以外にも主要な毒物劇物の性質等も載っています。

基礎化学

人によっては勉強しなくても点数が稼げる部分です。一般では15問基礎化学がありました。内容としては高校化学レベルです。私は、化学好きだったのでここの対策はしていませんが、問題を解いて傾向を掴むと良いと思います。特にpHの計算は毎年のように出ていますので、抑えておくと良いと思います。

ここで8〜9割近く取り、一般の合格基準の50%は難なくクリアできる計算ですが、化学が苦手な方は捨て問だと感じる方もいるはず。もちろん化学が苦手な方は、思い切ってここを捨てるという選択肢でも構いません。(但し、法規と性質でしっかりと50点取る必要がありますので、出来ればここは勉強した方が良いかと)

毒物劇物の性質等

東京都では、一般と実地にそれぞれ毒物劇物の性質等についての問題があります。毒劇最難関の壁はここであると思います。化学を少しでも齧った事がある方は塩酸や水酸化ナトリウムは聞いた事があると思いますが、ここで出てくる毒物劇物は、聞き馴染みのない物質ばかり。それの廃棄法や性質等知る由もないですが、ここは根気よく勉強しましょう。

私の場合、毒劇の勉強の9割はこれに費やしました。毒劇の勉強を二週間前に始めたのですが、法規は3日もあれば9割近く取れたのに対し、毒物劇物の性質は完全暗記で知らない物質が出てきたら終わりです。

私が行った勉強方法は、ひたすら実地問題を解くです。先述した通り、各都道府県が過去問を3年分くらいネットに出しています。私の場合は関東圏だけでなく、東北、北陸等、色々な地域の実地問題を解きました。間違った部分は答えと共にノートに書き取り、それを寝る前に一読して記憶に定着させていました。

試験当日

令和6年度の試験会場は早稲田大学でした。試験開始1時間前から開場しているとのことだったので余裕をもって開場の時間に合わせて試験会場に向かいました。
意外にも年齢層が高い方が多い印象を受けながら、自分の受験番号の席へと座りました。試験前に最後の追い込みとして間違えた部分を書き留めたノートを見返しつつ、好きな音楽でも聞いてリラックス。

試験自体はマークシート方式なので鉛筆や芯の太いシャーペンを持っておくと良いかもしれません。また、机上に腕時計(スマートウォッチではないもの)を置くことが出来ますので、時計も持っておきましょう。

試験時間は一般と実地合わせて2時間。1時間過ぎた辺りから終わった人は途中ですが、マークシートを提出して帰宅する事が可能です。

試験自体は1時間20分程度で解き終わりました。1時間経った辺りで続々と退室していくので、少し焦るかもしれませんが、自分のペースで大丈夫です。時間内には解き終わる量ですのでご安心を。最後にマーク間違いがないか4回くらいは確認しました。

合格

都庁とネットでの確認ができます。私はネットで確認し、自分の番号を発見。点数告知はしていませんが、同時に公開された模範解答より自己採点しました。結果は、一般45/50、実地20/25ということで、点数に直すと170点くらいでしょうか。9割には届きませんでしたが、とてもいい経験でした。


余談ですが、合格証は新1万円札にあるキラキラした部分が紙に入っており、ペラペラの紙かと思いきや細部までデザインが施されているものでした。



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