【松本さくら前線】まだ八重桜が楽しめる場所
2024.4.22
松本市歴史の里
桜が散ってしまった松本市でも、まだこれから八重桜が楽しめる場所があります。それが「松本市歴史の里」です。明治時代に建てられた松本区裁判所庁舎が移築復元された、歴史的な博物館があります。建物周辺は民家や田んぼに囲まれているためか、そこだけ過去にタイムスリップしたような雰囲気が漂っています。
歴史の里内には建物が5つあって、裁判所庁舎の他に、旧松本少年刑務所独居舎房、旧昭和興業製糸場、工女宿宝来屋、木下尚江生家があります。私が興味深かったのは工女宿宝来屋。木造平屋一部2階建、切妻造、妻入りで、屋根は板葺(石置き)です。江戸時代後期から増築もしながら現代に残る。凄くないですか?もっとすごいと思うのは、障子1枚隔てればもうそこは外で、冬の寒さの中、着物1枚でこの建物で暮らしていたんだと思うと色んな意味で鳥肌が立ちます…。
お隣には江戸時代後期の浮世絵コレクションでは世界最大の美術館である日本浮世絵博物館もあるので、ちょっとレトロな雰囲気とお花見を楽しみたいという時にはおすすめの場所かなと思います。
江戸時代松本の豪商だった酒井家の200年にわたる「酒井コレクション」がメインとなっています。浮世絵は質・量ともに日本一と言われ、所蔵作品数は約10万点。作品の状態が良く、色鮮やかな作品を見ることができるので展示スペース自体はこじんまりとしていますが、見応えがありますよ。
八重桜つながりの番外編:千曲川河川敷の桜堤
2019年に発生した台風19号で長野県も千曲川の堤防が決壊し多くの被害を受けましたが、その河川敷には「千曲川河川公園」があります。高速なら小布施ハイウェイオアシスのスマートICが最寄りのETC出口です。当時は4月下旬にかけて花桃、ソメイヨシノ、菜の花が一斉に咲き誇り、河川敷と高速道路の狭間地には約4kmにわたり薄いピンクの八重桜の木が600本ほど植えられて見事な桜堤を作っていました。
高速道路との狭間地の桜堤は変わりなく、今も見事に花を咲かせています。満開の八重桜の間から臨む北信五岳は格別です。桜堤は2列の場所と3列の場所とありますよ。河川敷は大木の八重桜の木は残っているものの、花桃はすっかり流されてしまって当時の姿はありません。昔のようにたくさんの花桃が植えられるなど、カラフルな空間がもう一度見られると本当に嬉しいんですけどね。
千曲川つながりの番外編:小布施町
もはや桜は関係ありませんが、千曲川河川敷から小布施町までは車でたったの5分程度。栗おこわ、栗アイスクリーム、モンブランと楽しみながら、東は岩松院で葛飾北斎筆 八方睨み鳳凰図を、西は西證寺で大瀧巨峰筆 鳳凰の天井画を鑑賞するのもお勧め。これは本当に一見の価値ありです。特に西證寺の白い鳳凰図は知らない方が多いのではと思いますが、優しい色合いとまなざしが葛飾北斎の鳳凰図とは対極にあって組み合わせで観たくなると思いますよ。
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