踏まれて怒って、死ぬかもしれない
朝の通勤電車。
渋谷に着いて前の席が空いたので座る。
隣の席にいた60代くらいの女性が降りるために踏み出した一歩と、
座った時の僕の足の位置が重なったのか、踏まれる形に。
女性は僕の顔をまじまじと見て、去り際に「ばーか」と一言残し、
電車を降りていった。
「踏まれたのに、怒られたな今」
「私が通る道に邪魔なモノを置くなってこと?」
「小学生みたいな文句だったな」…とかいろいろ浮かんだけど、
「見ず知らずの人に対面でキレるってすごい」にたどり着いた。
そもそもキレるってかなりのエネルギーを使う行動を、
朝の電車でくりだせるバイタリティがすごい。
多分、たくましく生きてきた女性なんだと思う。知らんけど。
都会で電車に乗ったり、混雑している場所だと、
こういう場面にはよく遭遇する。
新宿駅のホームや改札付近なんて舌打ちでビート刻めるくらい、
みんな初対面の知らない誰かにキレてる。
でも、その人がもしも陰惨な気持ちを抱えて、
今から「誰でもよかった」人にそれをぶつけようとしていたら?
ネット上の発言をまとめられただけで逆恨みして、
面識のない人を殺めることができる人がいるこのご時世。
「見た目が弱そうだから平気でしょ」と、
悪態をついた相手のポケットにはナイフが眠っているかもしれない。
いま、目の前から歩いてくる人も。つり革に立っている人も。
ふとしたきっかけで、あなたを殺し得るかもしれない。
「怒り」って感情の中でも重くて強いものだと思う。
あなたにとっては大したことなくても、人によっては刺さる。
だから、そんな簡単に怒りを相手に伝えるのはやめましょうよ。
朝から気を悪くする人を増やさない意味でも。自衛の意味でも。
「すいません」「ごめんなさい」の一言で済むなら、
そっちの方がご機嫌な1日を過ごせるでしょうよ。
明日の山手線は、優しい空間でありますように。
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