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勝っても、負けても。

ワールドカップ。
ドイツと韓国の試合が審判の笛によって終わりを迎えた瞬間、
スタジアムは歓喜と絶望の2色にはっきりと別れた。

現実を受け入れられないドイツ選手の顔。
ピッチを叩きつけ喜びを表現する韓国選手の顔。
国旗のフェイスペイントが流れる涙で滲むドイツサポーターの顔。
周りの人と肩を組み、勝利の歓声をあげる韓国サポーターの顔。

カメラマンによって次々と移り変わる感情に満ちた顔、顔、顔。
きっとその顔は普段は見ることのできない、感情が爆発した瞬間。

勝利と敗北が決まるその瞬間から、
感情がピークまで溢れつづける。
時間にしておよそ5分。
その一瞬のための、4年間であり、90分。

たかが22人の球蹴りに、他のことが考えられなくなるほど夢中になる。
スーツ姿のサラリーマンも。小綺麗な格好のお姉さんも。
この日のためにユニを着た大学生も。眠い目をこする子供たちも。
そんな人たちを見られるから、僕はサッカーが好きだ。

今日は日本代表の命運がかかった試合。
普段からJリーグや海外サッカーを見ない人や
なんだったらサッカーいまいちルールもわかってない人も、
今日の代表戦はリアルタイムで観る人が多いかもしれない。

勝っても、負けても、その時の感情や景色を噛みしめてほしい。
試合が終わった直後の映像を、スマホで撮影するのも良いけれど、
周りの人の表情や自分の中に湧き出る想いを記憶してほしい。

その時の気持ちの高鳴りを、好きだと思えたなら、
フットボールを”応援すること”がもっと好きになれる人だと思うから。
そしたらもう、その瞬間から、
あなたは”サポーター”になれると思うから。

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