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日本のハーブの底力 どくだみ編 どくだみ茶とローションを作る
厄介者だけど優れもの
地下茎で繁殖しているので、抜いても抜いても生えてくる庭の厄介者、ドクダミ。その独特の臭気や名前から毒でもあるのかと思われがちですが「毒矯(た)み」毒を正しく治す という意味に由来するとも言われ、とても優れた野草なのです。
子供の頃、トイレの裏の日陰に自生していたのと、鼻の病気になった小学生の姉が、鼻の中に揉んだドクダミの生葉を詰め込まれていた映像が、生臭い臭いと共に強く思い出されて、どうもその負のイメージが拭えませんでした。 しかし、昔から日本では、沢山の薬効があるので「十薬」と呼ばれ民間療法の万能薬として活躍していたんですね。 「ゲンノショウコ」「センブリ」と共に日本三大薬草なのです。
ドクダミ仕事の季節! ドクダミ茶とチンキを作る
春先の芽の出初めに一回キレイに刈り取られていたのに、気付いたらまた庭にワサワサ、今の季節たくさんの花を咲かせています。驚異の生命力!そんなドクダミを刈り取って捨ててしまうのはもったいないので、お茶とチンキを作ってみることにしました。あぜ道などのドクダミを使う場合は、除草剤、犬猫の排泄物にご注意ください。 ドクダミは花が咲く頃に収穫します。
ドクダミ茶
・抜き取って(茎から切り取るでも)よく洗う。 ・根を紐で縛って葉を下にして乾燥させる。(葉を取ってザルで干しても) ・カラカラに乾いたら、瓶や缶に詰めて乾燥剤を入れておく。 (煎じる前にカラ煎りすると香ばしくなります) ・やかんに水とドクダミを適量入れ、沸騰後弱火にして煎じる。
ヨモギ入りドクダミ茶
一緒に干したヨモギも混ぜてみました。 量が少なかったのでちょっと色が薄い。 あの臭いはありませんね。ちょっと甘味も感じられるし飲みやすい!
ドクダミチンキ
花のチンキは綺麗です!
全草を使ったものと花を使ったものとの2種類を作りました。 ドクダミの花は白って思われがちですが、実は花を支える苞という葉を白く変化させているのです。本当の花は花芯に見える黄色の突き出た部分。細かくてとても小さな花がびっしり。葉を白く変化させるのは花を大きく目立たせて虫を引き寄せるためでしょうか。
・煮沸したガラス瓶を用意する。(アルコール消毒でも) ・洗って乾かしておいたドクダミをそれぞれ瓶の8分目位まで入れる。 ・アルコール(今回は40度のウオッカ)を9分目位まで入れる。 ・1日1回ビンを振る。 ・そのまま1か月~3か月位冷暗所で保管し、コーヒーフィルター等で濾して 葉と花を取り出したら完成。(花のチンキには美容作用があると言われてい るので、精製水で10倍位に薄めてローションに。お好みでグリセリンを加え る。少しづつ作ってなるべく早く使い切る)
チンキの使い方
・虫よけスプレー そのままスプレーボトルに入れ、30㎝位離して ・うがい薬 数滴水に垂らして ・ローション 精製水で10倍位に薄めて ・入浴剤 そのまま適量をお風呂に入れて
身体にいいと言われていること
ドクダミと言ったらあの臭い。「デカノイルアセトアルデヒド」といって強い抗菌力があり、体内の老廃物や有害物質を排除する働きがあると言われています。(熱を加えると臭いも効能も弱まりますが、チンキにするとその成分は抽出されます)
また生葉の搾り汁は昔から腫物・虫刺され・水虫・ニキビなどの皮膚の炎症に効果があると言われています。お茶は利尿作用があり、便秘やむくみ等にも良いようです。
注意が必要なこと
カリウムを含んでいるので腎機能に問題のある方はご注意ください。 過剰摂取を避けて適量をご利用ください。 ローションはパッチテストをしてからお使いください。
どくだみって
東南アジア原産のドクダミ。サラダにしたり生春巻きに入れたりと食用にしている国もあるようです。あの臭いはそのままなんだろうか。食べてみたいですね。昔日本では各家々に生えていて、必要な時に生葉を摘んだりお茶を飲んだり暮らしに密着していたんですね。正に「緑の薬箱」です。