「気象庁生物季節観測」大幅削減に対する各界の動き
11月に「生物季節観測について」という記事を投稿しました(下記参照)。これまで気象庁が長年行ってきた動物の初鳴き・初見や植物の開花等の生物観察を約9割も大幅削減し、6種の植物のみにするというニュースについての記事でした。
今日、NHKのニュースを見ていたら、この件に関する各界の動きを知らせていましたので紹介します。
【生物系の学会、27団体】
生物季節観測を大幅削減することは、学術的にも社会的にも大きな損失になるとして気象庁へ要望書を提出したそうです。その内容は、①全国一律での中止を改めること、②市民が参加することを含めた観測体制の継続を検討すること、を求めるということです。また、これまで気象庁が長年実施してきた生物季節観測は海外では例が無い貴重なもので、海外の研究者からも大幅削減に対する懸念が示されているそうです。
【日本自然保護協会】
観測の継続を求める声明を発表。合わせて、全国に8,000人いる自然保護観察指導員(実は私も新米の指導員です)に一部の観測を行ってもらうことを検討。
【埼玉県北本自然観察公園】
公園内で、気象庁が観測してきた57種類の動植物のうち34種類を観測できることを確認。先月から観測結果を投稿する取り組みを開始したそうです。
【気象庁】
観測手法をまとめたマニュアルの公開と観測の講習会を実施予定。
【所感】
生物季節観測を大幅削減するというニュースを知った時には、残念だけど仕方がないのかな、と思っていました。しかし、何とかして継続しなければいけないと考える人達が大勢いて、動き出していることを知り嬉しくなりました。
四季の豊かな日本で長年行われてきた生物季節観測は、やはりこれからもできる限り続ける価値があることだと思います。なんらかの形で少しでも多くの観測が継続されることを願っています。皆さんも本件に関心を持って頂ければ幸いです。