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『人工冬眠の技術の進歩』医療、介護、宇宙、家畜。応用出来る可能性も。

#とは

先日職場で同僚社員がこんなことを言っていました。

「仕事しないで冬眠したい」

彼は単に仕事をしたくないという意味で言っていましたが、どうやら本当に実現しそうな雰囲気になっています。

冬眠というと冬を越すために備わった生命機能と言いますが、それを使うと人類に大きなメリットを及ぼすことになるということです。
要は冬眠を使っての医療やビジネスにも役立つということになります。

それに加えてスペインの洞窟遺跡で30万年以上の人骨を調べた結果、毎年数ヶ月成長がとまっていることが判明。

それは何を意味するかというと、古代の人は食べ物が乏しい寒い冬は、何ヶ月も冬眠をして新陳代謝を抑え越冬をした。その時の骨の成長が影響したのでは?

と唱えています。

その時に私が尊敬している。堀江貴文氏のこの対談を思い出しました。

それは筑波大学の「国際統合睡眠医学研究機構」の櫻井武先生が人工冬眠での研究で重要なところまで到達し研究成果を得たというものです。

それは一体どういうことなのか興味深いところを抜粋していこうと思います。

それではいきます。

・人工冬眠とは

・医療、介護、宇宙、家畜に応用とは

・今後人間への応用は?

人工冬眠とは

脳の視聴下部という恒常性維持に関わる部位に人工的な刺激を与えると

冬眠状態にできる可能性があるということです。

これはマウスを使って偶然発見されたようで、元々櫻井先生は冬眠の研究というより、未知の脳内物質を見つけてどんな役割をしているかを研究していました。

そこでマウスの脳の視聴下部の一部に存在していて、神経ペプチドを発現する神経細胞群(Q神経)を刺激をすると冬眠状態になることを偶然発見したようです。

たまたまマウスに Q神経を刺激をしていたらマウスが全く動かなくなり、体温がみるみる低下をしていきました。

その反面マウスの尻尾の体温が上昇していたようです。

人間に例えると汗をかいて体温を下げる役割と一緒で放熱をはじめました。

1時間もすると外気温と同等ぐらいの体温まで落ちたようです。

すなわちとエアコンと一緒で、体内の設定温度自体を4〜6度に設定し体温を下げてしまい、もしその設定温度を下回ることがあれば体内の脂肪を使い生命維持をしようとすることです。

過去に日本で遭難した人が3週間生き延びその時の体温はおよそ22度。

海外では大雪で車に閉じ込められた人が2ヶ月飲まず食わずで生き延びた例もあります。

本人は意識はありずっと夢うつつの状態のようでした。

これは冬眠状態に陥り極度に代謝が落ちることが要因となり、代謝が通常の100分の1で済むようです。

つまり脂肪があればそれを少しずづ消費をして生き延びるというわけです。

息留め世界記録で20分維持するような人は、代謝を下げて維持をしている可能性があるということです。

ですので条件が揃えば低代謝が起きるかもしれないという事です。

動物のリスは冬眠して10日に一度目が覚めて餌を食べます。

ですが1度冬眠に入ると心拍数も代謝も極度に下り排泄も必然的に必要ではなくなります。

もちろん代謝が下がるので筋萎縮も骨密度も下がらないメリットがあります。

ですので。

寝たきりで筋肉が落ちるということがなくなるのです。

これらを応用できる例を次に紹介します。

医療、介護、宇宙、家畜に応用とは

先ほどの

代謝が落ちること

が冬眠の特徴でもあります。それらを活用して次のことにいかせます。

医療

救急医療では大怪我や心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、血管や肺循環系がトラブルになると酸素を供給できなくなったり、脳は低酸素になると細胞がすぐに損傷します。そうなると急速に救命率が下がります。そこで人工冬眠の技術を使って代謝を落とし仮死状態にすれば時間稼ぎができます。

他にもコロナウイルスによる肺炎や人工呼吸器やECMOなどは無理やり酸素を送りますが人工冬眠にしてしまえば人工呼吸器は必要ではなくなります。

これも代謝を下げて一時的に仮死状態にする事で有効になります。

なので今後AEDに変わり、人工冬眠にする注射ができれば格段に救命率が上がると思います。

・介護

介護では介護者を寝かせるために睡眠薬を投与することがあります。

人工冬眠を活用して寝たきりな人でも、筋肉の萎縮や骨密度が下がらないのでその点メリットがあります。

睡眠薬や麻酔などとは違うメカニズムなので、違う方向から安全にアプローチができます。

それと代謝が下がるので老化防止にも繋がります。

・宇宙

宇宙に行くには食料や筋萎縮の問題があります。

宇宙飛行士が帰還された際車椅子でしばらく寝たきりになり筋肉が戻るまで時間がかかります。その点かなり改善されるのではと思っています。

また宇宙の冬眠はSF映画みたいにハッと起きるわけではなく、たまに起きてまた冬眠をすることになるようです。

なので食料補給も少なく済みます。

加えて放射線の影響も受けなくなります。

火星に行く程度なら安易かと思います。

家畜

食用肉の牛を冬眠状態にしてしまえば代謝も進まず生体のまま輸送できます。

ということは競走馬の輸送も安易になります。

競走馬は輸送中に怪我をしやすいので大きなメリットにつながります。

今後人間への応用は?

現在は遺伝子改変マウスと遺伝子を細胞内に運ぶウイルスの実験をしている段階です。

Q神経自体は人にも存在します。

そこをどのように刺激をして興奮させるかなどはこの先見つけ出し、治験を行ってそこから10年はかかるみたいです。

ただし確実に今回の発見は大きな進歩になったのは間違ありません。

これらの技術が完成すれば様々な夢も一気に広がることと確信しています。

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