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好きを身近に置くことで心も生活も豊かになるから好きにこだわり続ける

わたしは気に入ったものや好きなものを身近に、所狭しと置きたいタイプだ。

こう見えて物凄く感情に左右される。怒りや悲しみは感じないけど、ワクワクやスリルは大好物なのだ。

「じっとしていられない」
一言で言うとそんな人間で、行きすぎると失敗して後悔することも多いのだが、大人になってからその線引きもなんとなく理解できて、楽しく活用している。

例えば、黒猫魔術店も気に入ったレイアウトでなければ気が済まない。わたし好みの空間にしたい。

書く仕事が多いのでデスク周りも気に入ったものを置きたい。ノートや付箋の色や形、ペン立てや本棚までの心地いい距離感が重要だったりする。

変なところで異常にこだわりが強いのである。これは今に始まったことではない。

先日調べ物をしていたらプロモーション広告でヴィヴィアン・ウエストウッドの秋冬最新モデルが流れていた。そのモデルが着用しているマフラーがとても気に入った。
ヴィヴィアンの代表的な市松模様と、渋鮮な原色で描かれた北欧モチーフ。幅広のストールにもなるサイズと長さ。

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ほしいと思って公式サイトに行ったけど、どうやらわたしが見たのはプロモーション用にモデルが着用していたものらしく、実際に販売されているものではないらしい。残念だ。

でもそれもそうかもしれない。
あんな奇抜なデザインのものが一般受けするとは思えない。

よく考えてみるとこのジレンマはわたしの中で相当根が深い。一般を理解してはいるが、一般はわたしと違うからたまに認識がズレていたりする。「ふつうは〜だよね」と言われてもピンとこない時があるのだ。

ファッションでいうなら今流行りのみんなが着ているだぼだぼした服は、かわいいと思えない。黒猫魔術店の制服として黒服を着るが、厳密に言うとわたしはゴスロリよりもゴシックが好きだし、黒だけより色鮮やかな方が好みである。

ゴシックでも型にハマったものは好きではないので、おそらく下北沢の古着屋に行った方がお気に入りが見つかると思う。つまりわたしは、好きを追求すると面倒なくらいこだわりが強いのだ。

ヴィヴィアン・ウエストウッドに関して言えば、オーブのネックレスや財布が日本でも人気が高かったが、わたしはそれらに魅力を感じない。やっぱりチェックや市松模様がヴィヴィアンだと思うし、原色の使い方が好みなので一般販売品よりもコレクションのワンピースやジャケットが好きなのだ。販売されないけど。

ANNA SUIだってそうだ。昔のアメリカを思わせる小花柄で、チュールレースがふんだんにあしらわれた、ワンピースやスカートやブラウスが好きなのだ。決してコスメが好きなわけではない。

そういったわたしの好きが身近で手に入らないので、昔から自分で着る服もインテリアもアクセサリーも手作りをしていた。古着のウエストを引き裂いて穴を開けたり、左右の袖の長さをアシンメトリーにした。ゴシック服なら既製品はレースの量と柄が好きではないので盛りまくった。

ハンドメイド業界もメルカリやミンネなど気軽に事業化できるようになって、多様にある。でもその中でわたしが好きを感じるのは極端に少ない。好きを感じないなら魅力的に思えない。百均や新宿のどこかに安く売っているだろうと思ってしまうのだ。

しかしこれはわたしだけの感覚だろうか?
わたしの極端な好き具合は置いておいても、モノが多様にあって情報もあって、通販もできる便利な世の中じゃ、普通は霞むのではないか。
それこそ普通を求めるならユニクロやGUやH &Mの安くて可愛くて流行っぽいのでいい。流行なら一般からズレないから。

わざわざお金を出して買うものに、安さ以外に、求めるものがある気がする。「つまんない」と思うものは、わたしの心を豊かにしてくれないから買わない。
逆に魅力を感じたら高いけどヴィヴィアンのマフラーでもほしいと思ってしまう。そして自分のそばに置いたらきっとウキウキ気分になって仕事ができそうだ。

心から求めるものが、結果的に自分に価値がある生活を与えてくれる。それは、このモノがありふれた時代において、お金という価値よりもはるかに尊い。

という記事を書き終えた後に、やはり忘れられず再度サイトを見てみると、同じものが売っていた!
商品のサムネ画像が、モデル着用のものとイメージが全然違うために見落としていたのだ。だがほしい色のものはsold out。残念。
わたしの好きにハマるものがこれからもたくさんあり続けますように。

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