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生きていていいんだ

がんと診断が出た時は、

「あー、そうだったのかぁ」

と、妙に納得していた自分がいた。

ただ、次の検査を受けるためには、

付き添いが必要と言われ、

いよいよ隠しているわけにはいかないんだ、

話さなければならない・・・

と、がんであることより、

家族に伝えることの方が怖くてたまらなかった。

意を決して、まず旦那さんに伝えた。

単身赴任で、群馬にいる。

もう、どう伝えたか、覚えていない。

それほど、怖くて、緊張していた。

この時、やっとことの重大さを知った。

私の命は、私だけのものではなかった。

大切な人たちを、悲しませてしまう私は、

やっぱりダメなやつだと自分を責めた。

本当に、情けなくて、そのまま消えてなくなりたかった。

そんな私に、

最初の主治医である先生は、

「怖かったんだね。だけど、よく来たね。」

と言ってくれた。

そして、

「治そうね。」

と、優しく声をかけてくれた。

この病院に来てよかった・・・・・

と、心から思えた。

「まだ、生きていていいんだ。」

と思えた。




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