面接の反省を正義とする主張の穴
はじめに
こんにちは。JJです。
22卒の皆さんは本選考の面接が始まったのか、面接に関するツイートも増えてきましたね。その中には、落ちた辛さを綴っているものも散見されます。
当然、面接があれば、そこには選ばれなかった人がいます。
落とされるのは非常に辛いですよね。わかります。
しかしなぜか最近は、そんな人の心にズケズケと入り込み、合理的な"アドバイス"をぶん投げてくる人が多いように感じます。(だいたいなぜか"逆転"した自分の経歴をかかげ笑顔のプロフ画像を設定しているタイプのヤツ(めっちゃ偏見ですごめんなさい))
彼らは、「よくなかった面接は何が良くなかったか反省して理解!次に活かそう!」みたいな趣旨のツイートを武器にぶん殴ってきます。
僕自身、確かに面接の反省はした方が良いと思う一方で、このメッセージはそのまま伝えるには少々荒すぎます。
なぜなら、これをそのまま受け入れるには二つの仮定も合わせて受け入れることが求められるからです。そしてそれは、
1.人間が就職活動に割ける時間が無限である。
2.人間は感情を持たない生き物である。
というものです。そしてこの仮定は多くの人に当てはまりません。よってこの手のアドバイスを僕はあまり信用していません。
なぜ時間が無限にある必要があるのか?
では、どうして先ほどの仮定が必要なのでしょうか。まずは1の仮定が必要な理由から見てみましょう。
就職活動をするに当たって、私たちは面接でのパフォーマンスを向上させる必要があります。そして、そのパフォーマンスは、得意(持ち味)を伸ばすことと、不得意(面接官の感じた自身のネック)を克服することで向上できます。
よって、面接で落ちるということは、多くの場合持ち味がないことか不得意な部分が致命的になったことの裏返しなので、反省をして問題点を知覚・克服することで次に活かそう!という主張なのだと思います。
さて、聞いていて疑問に思いませんでした?
自身のパフォーマンス以外が原因で面接に落ちた可能性は?(面接官との相性が悪かったのでは?もう定員近く通しており、自分が残りに食い込むほどのパフォーマンスが出せなかった可能性は?)
パフォーマンスが原因で落ちたとして、致命的な部分を自分で知覚できるのか?(しょうがない枝葉末節に目がいかないか?)
その致命的な部分は他の会社においても致命的なのか?(質問が変化球すぎたのでは?会社の風土が独特すぎるのでは?)
大体、この3つの可能性を排除しきれないのです。そして、面接なんて緊張感ある場で瞬間的なパフォーマンスに期待するのですから、だいたい反省点なんかゴミのように出てきます。もちろん、就活生という、面接官から見たら主観的かつ低い視座から見えてきた反省点が。
そうなると、どうなると思いますか?
完璧を目指そうとして、枝葉末節にまでがむしゃらにこだわる狗の作業人間が誕生します。そして、そのためには無限の作業時間が必要ですがそんな時間もないので、だいたいなんか浅いところだけ埋めて、根本解決してない。以上。て感じになります。
なぜ人間が感情を持たない必要があるのか?
さて、では感情を持たないロボット限定のアドバイスになるのでしょうか?
先程の話に立ち返ってみましょうか。あなたは、面接に落ちたあなたの原因を全て知覚し、それを重要な順番に解決していけば、あなた目線では、いずれ最強の人材になれます。
さて、それではあなたは、無尽蔵に出てくる自身の問題点らしきものに対して、絶対に病まずに、心折れることなく、一つ一つ向き合って解決していけるのですか?
もちろんあなたのパフォーマンスが悪いからと言って、あなたの存在そのものを否定する必要は全くありません。でもあなたは、そんな性格を少しでも持っていませんか?そんな作業と向き合っているうちに、いつしか心は疲弊し切らないと言えますか?
言えるなら良いと思います。ただ、多くの場合は、ここまで並べられた自分の"短所"を見て、そしてそれを埋めていく作業を見て絶望すると思います。
面接の反省をするなとは言ってない
じゃあ、一体どうやって自分の欠点を知れば良いの?と思うでしょう。
結論、あなたの反省と、周囲の視座の高い人間の分析を掛け合わせ、その結果見えた問題点を積極的に改善していきましょう。
面接が終わったら、まずは自分にお疲れ様と言いましょう。そして、可能な時で良いので、面接の結果がどうであれ、どこが良くてどこが良くなかったか考えてみましょう。
そして、周囲の友達でも先輩でも構いませんので、彼らに自身の問題点と思わしき場所を伝え、そして、彼らのアドバイスを求めましょう。
人を選べば、きっとあなたの問題点のうち重要度の高いものを選んで指摘してくれるはずです。
そのアドバイスをもとに、自分の持っていた仮説を検証し、直すべきだと思ったものは積極的に改善していけば良いのです。
結局、友達を作ろう、大事にしよう
面接とは、常に相手とのコミュニケーションを通して、相手から見た時の自分を良く見せる競技です。よって、自分を自分で見て、一人で練習する"だけ"の独りよがりな対策は、だいたい非効率かつ苦しいものになると思います。
自分で反省する姿勢も大事ですが、それ以上に、自分を成長させてくれる他者を尊重する姿勢を大事にしましょう。そして、彼らとギブアンドテイクの関係を作りましょう。
なぜなら、あなたは就活に無限の時間を割ける仙人でも、ロジカルに納得できればなんでもできるロボットでもないのですから。
理想論を追うのではなく、今のあなたができることを、効率的に、そして可能な範囲で必死に、やっていきましょう。