#22 個人事業主のための「マーケティングの基礎」
こんにちは、kurokoです。今回のnoteでは「個人事業主のためのスキルア ップガイド」の第2弾は「マーケティングの基礎」です。
マーケティングという言葉を知らないという人はいないと思いますが、マーケティングに取り組もう!と思っても、まず何から始めるべきかイマイチピンとこないという人も多いのではないかと思います。
自分の仕事を世に広めるPRのみならず、クライアントの要望に対してマーケティングの観点を持って提案ができるというのも重要なことだと思います。
ということで、今回はマーケティングの基本について書いてみます。まずは基礎を押さえ、次回以降で実践編にできたら〜と考えています。
マーケティングってなんだろう?
平たく言うと「顧客が欲しいと思う商品やサービスを作り、適切な方法で届けるための活動全般」のことです。単に広告を出すだけでなく、市場分析をし、顧客ニーズを理解し、競合と差別化するための戦略を立てるところまでを含む、と認識しておくとよいです。
マーケティングの目的
顧客の課題解決
マーケティングの第一の目的は、顧客のニーズや課題に寄り添い、価値を 提供することです。例えば、仕事で時間がない個人事業主に対して、簡単に使えるタスク管理ツールを提供することで、「作業効率が上がる」という課題を解決します。顧客の視点に立ち、「どんな問題を抱えているのか?」を深く理解することが重要です。調査やヒアリングを通じて課題を明確化し、その解決策として自社の商品やサービスを提案します。
【例】
・ダイエット食品会社が「忙しくても健康的に痩せたい」という課題を解決するため、持ち運びやすい栄養バーを販売
・学生向けに「英語を楽しく学びたい」というニーズに応えた、ゲーム感覚で学べるアプリの提供。認知度の向上
いくら良い商品やサービスでも、存在を知られなければ購入されません。そのため、多くの人に商品やサービスを知ってもらう「認知度の向上」が重要です。ターゲット層に合わせた広告、SNS運用、イベント出展などの施策を行うことで、ブランドや商品が広く知られるようになります。
【例】
・新しいカフェが地元でSNSキャンペーンを展開し、無料クーポンを配布して来店促進。
・新発売の化粧品ブランドがインフルエンサーにサンプルを送付し、口コミで認知度を拡大。
・クラウド会計ソフトが、比較サイトやレビューを通じて知名度を上げ、中小企業に採用されるように。持続可能な成長
短期的な利益だけでなく、長期的に売上を伸ばし、事業を安定させることもマーケティングの大きな目的です。これには、顧客との信頼関係を築き、リピート購入や口コミを促進することが欠かせません。新規顧客獲得だけでなく、既存顧客を大切にし、ブランドのファンを増やすことが重要です。
【例】
・サブスクリプション型サービス(例: 動画配信プラットフォーム)が定期利用者向けに特典を提供し、継続率を向上。
・アパレルブランドが環境に配慮した商品ラインを展開し、「エコ意識の高いブランド」として長期的な支持を獲得。
・飲食店がポイントカード制度を導入し、リピーターを増やして売上を安定化。
基本原則
1. マーケティングの4P(製品、価格、流通、プロモーション)
マーケティングの4Pは、商品やサービスを顧客に届けるためにバランスよく計画する基本フレームワークです。それぞれが連携することで、効果的なマーケティング施策を実現します。
(1) 製品 (Product)
顧客が欲しいと感じる商品やサービスを提供することがポイントです。ただ製品を作るだけではなく、顧客が求める機能やデザイン、品質、さらにはブランド価値までを考慮する必要があります。
例: カフェが「糖質オフスイーツ」をメニューに追加し、健康志向の顧客層をターゲットにする。
考慮点: 競合との差別化(独自性)、市場のニーズ(トレンド)に対応。
(2) 価格 (Price)
顧客が価値を感じる適切な価格設定が重要です。高すぎると売れず、安すぎると利益が出ないだけでなく「価値が低い」と認識されるリスクもあります。
例: 高級ブランドが「希少性」をアピールすることで、高価格帯を正当化。
考慮点: コスト構造(利益率)、ターゲット層の支払い意欲、競合価格とのバランス。
(3) 流通 (Place)
顧客が製品を簡単に手に入れられる仕組みを構築します。実店舗、オンライン販売、サブスクリプションサービスなど、顧客が購入しやすいチャネルを選びます。
例: 化粧品ブランドがECサイトだけでなくドラッグストアでも販売し、顧客接点を増加。
考慮点: 流通コスト、顧客の購買行動、地域性。
(4) プロモーション (Promotion)
顧客に製品やサービスを認知してもらうための活動全般を指します。広告、SNS運用、キャンペーン、口コミ戦略など、多様な方法があります。
例: 新商品発売時に、インフルエンサーとのコラボレーションで認知度を拡大。
考慮点: メッセージの一貫性、ターゲット層へのリーチ力、費用対効果。
2. 顧客視点
マーケティングの成功の鍵は、「顧客視点」を持つことにあります。企業側の都合や主張だけを押し付けるのではなく、常に「顧客が求めているもの」「顧客が感じている課題」を軸に考えることが大切です。
(1) 顧客ニーズを深く理解する
顧客が何を必要としているか、どんな課題を抱えているかを把握します。市場調査や顧客の声を分析し、製品やサービスに反映させます。
例: 飲食店が「子ども連れでも快適に過ごせる環境が欲しい」という声を受けてキッズスペースを導入。
(2) 顧客の感情や価値観に寄り添う
顧客がどのような体験を望んでいるか、どんな価値観を大切にしているかを理解することも重要です。
例: 環境問題への関心が高い顧客層に向けて、サステナブルな素材を使った製品を開発し、「地球にやさしい」というメッセージを伝える。
(3) 長期的な顧客関係を築く
一度きりの購入で終わらせるのではなく、リピートや口コミにつながるような体験を提供します。
例: 購入後のフォローアップメールで活用方法を提案する。ポイントプログラムで継続的な利用を促す。
一般的なマーケティング手法は?
以下に一般的なマーケティング手法を列記します。サラッと目を通して一般知識として理解しておき、仕事で使うものは深堀りして調べてみてください。
◉市場調査
市場の需要やトレンドを分析すること。事業の方向性を見定めることができる。調査の方法には、アンケート調査やSNS分析などがある。
◉競合分析
競合他社の商品やサービスを研究し、自分の強みを活かせるポジションを見つける。競合の価格設定やプロモーション方法を参考にするのも有効。
◉ブランド戦略
認知度やイメージの向上、競争力の強化を目的にした戦略全般。HPやロゴ、名刺のデザイン、SNSでの投稿内容に至るまで一貫性を持たせることが重要
◉ターゲットマーケティング
市場を細分化して顧客を分類し、特定のターゲット層を絞り込んで販売促進活動を行う手法。「誰に向けて発信するのか」を明確にすることでプロモーションの効率化的を図る
◉顧客セグメンテーション
顧客を共通の特徴(属性/行動パターンなど)に基づいてグループ分けし、個別戦略を展開する手法。例えば来訪頻度など(新規/リピーター/休眠)
デジタルマーケティングとは?
現代のマーケティング知識で欠かせないのがデジタルマーケティングです。日本人のスマホ所有率はなんと世帯で90%、個人では97%!インターネットへの接続が当たり前の現代において、デジタルを活用したマーケティング戦略はどんな業界にも欠かせませんよね。特に個人事業主にとっては、コストを抑えつつ広い範囲にリーチできるのは強力な武器にもなりますので、知識として知るだけでなく、習得しておきたいスキルです。
定義と目的
インターネットやデジタルデバイスを活用して行うマーケティング活動。オンライン上での顧客との接点を増やし、認知度や売上を向上させることが目的となる。
デジタルマーケティングの種類
SNSマーケティング: InstagramやTwitterなどでの情報発信や広告配信。
コンテンツマーケティング: ブログや動画を活用し、顧客に有益な情報を提供。
SEO(検索エンジン最適化): Google検索で上位表示されるための工夫。
メールマーケティング: メルマガやお礼メールを活用し、顧客との関係を深める。
マーケティング効果の計測方法とツール
デジタルマーケティングの利点はなんといっても正確な数値で分析が可能なところ。効果を計測するためのツールには以下のようなものがあります。使い方に踏み込むとやや煩雑になるので、今回はツールのざっくりとした紹介のみにします。(別途どこかで使い方紹介しようかな。)
Google Analytics: サイト訪問者数や行動データを分析。
HubSpot: 顧客管理やメールマーケティングの効果測定。
SNS分析ツール: 投稿のエンゲージメント率やフォロワー数の変化を追跡。
まとめ
マーケティングの基礎として概念や言葉を中心にサラッとインプットしておきたいことを書いてみました。身につけたいと思ったら、まずは使ってみるのが近道です。担当しているプロジェクトや案件で(進行中がなければ過去案件でも)、マーケティングについて考えてみたりマーケティング分析をしてみたりすると、理解が深まりやすいと思いますのでやってみてくださいね!
次回予告
次回は実践編として「自己ブランディングの作り方」について書いてみようと思っています。ではまた〜。