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#12 個人事業主が知っておくべき年金と社会保険制度

こんにちは、kurokoです。「個人事業主が知っておくべき◯◯」シリーズ第二弾は「年金と社会保険」です!税金に引き続き、会社員時代にまったく意識してなかった(←私だけ!?)シリーズから選定しました!

個人事業主として独立すると、社会保険や年金に関する手続きも自分の責任で判断することになりますね。「そもそも仕組みからよく分からないな…」と悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、国民年金や健康保険、厚生年金などの仕組みについてサラッと解説してみようと思います!(サラッと解説…できるか不安…)


社会保障制度ってなに?

社会保障制度とは、国民の生活上のリスク(高齢、病気、失業など)に備えるための国の仕組みです。日本で備えられている社会保障制度は、大きく以下の6つの分野に分けられます。

1. 医療保険制度
・病気やケガの際に医療費を一部負担してもらえる制度。
・種類:国民健康保険、協会けんぽ、健康保険組合など。
2. 年金制度
高齢になったときや障害を負ったとき、または家族を失ったときに生活を支えるための給付金を提供。
・種類:国民年金(基礎年金)、厚生年金。
3. 介護保険制度
・高齢になり、介護が必要になった場合にサービス費用を支援。
・対象:65歳以上、または40歳以上で特定疾病に該当する場合。
4. 雇用保険制度
・失業時や育児・介護で休業する際の収入を支援。
・給付:失業手当、育児休業給付金、介護休業給付金など。
5. 労災保険制度
・仕事中や通勤中のケガや病気、死亡時に給付金を提供。
・会社が保険料を全額負担。
6. 生活保護制度
・所得が一定水準以下の世帯に対し、最低限の生活費を支援。
・支援内容:生活扶助、医療扶助、教育扶助など。

社会保障制度は、日本国民全体が少しずつ負担することで、必要なときに誰でも利用できるように設計されているため、基本的には国民全員でその費用を負担する仕組みになっています。(※負担の内容や方法は収入や働き方によって異なりますが、ここでは詳細を割愛します。)

個人事業主が意識すべき社会保障制度って?

社会保障制度のうち、個人事業主が特に意識しておかなければならないのは、以下の2つです。

  1. 国民年金

    • 概要:個人事業主は「国民年金」に加入する義務があります。会社員の場合は厚生年金に加入しているため、自動的に年金が支払われますが、個人事業主は自分で年金保険料を支払わなければなりません。年金を受け取るためには、一定の年数(25年以上)の保険料納付が必要です。

    • 仕組み

      • 加入者: 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人(自営業者や学生なども含む)。

      • 保険料: 定額制で、毎月の保険料は全国一律です(2024年度は月16,610円)。

      • 受給資格: 受給するためには、保険料を最低25年間(300ヶ月)支払う必要があります。

      • 年金額: 支払った保険料に基づき、老後に年金が支給されます。

    • メリット

      • 老後の保障: 長期間支払った場合、老後に一定の年金が支給されるため、生活の安定に寄与します。

      • 遺族年金や障害年金: 死亡や障害に対する支援も受けられます。

    • デメリット

      • 保険料の負担: 定額制のため、所得に関係なく支払う金額が同じ。自営業者などには負担が大きいと感じる場合も。

      • 年金額が少ない: 保険料を支払った期間や額に比例して支給されるため、長期間加入しても年金額が十分でないことがあります。

  2. 国民健康保険

    • 概要:個人事業主は「国民健康保険」に加入する必要があります。会社員は会社の健康保険に加入していますが、個人事業主は自分で国民健康保険の手続きを行う必要があります。これも毎年、保険料の支払いが求められます。

    • 仕組み

      • 加入者: 自営業者、フリーランス、無職の人などが対象。会社員は会社の健康保険に加入していますが、個人事業主は国民健康保険に加入しなければなりません。

      • 保険料: 所得に応じた金額を自治体に納付。所得の額や住んでいる地域によって金額が異なります。

      • 給付内容: 医療費が発生した際、自己負担は通常3割(高額療養費制度もあり、一定額を超えた場合には追加支援があります)。

      • 家族のカバー: 扶養家族も同じ保険に加入することができます。

    • メリット

      • 医療費の軽減: 医療機関での支払いが3割負担となり、病気や怪我をした際の経済的負担を軽減できます。

      • 高額療養費制度: 一定以上の医療費がかかった場合、自己負担額の上限を超えた分は還付される仕組みもあります。

    • デメリット

      • 保険料の負担: 所得に応じて保険料が決まるため、収入が少ないときにも支払い義務が生じ、負担が大きく感じられることも。

      • 地域差: 保険料は居住している自治体によって異なるため、住む場所によって支払額が変わる点がデメリットと感じることがあります。

※上記2つ以外の社会保障(労災保険や雇用保険など)は、基本的に会社員が対象となるため、個人事業主には関係ない場合が多いです。
※特別なケース(従業員がいる場合など)では関わることもありますがここでは割愛しています。

国民年金と国民健康保険の仕組み

個人事業主のみなさんは「国民年金」と「国民健康保険」の手続きを忘れず行う必要がある!と覚えておいてください。


保険料軽減の仕組みはある?

国民年金、国民健康保険の2つとはいえ馬鹿にならない保険料ですが、いずれも保険料軽減の仕組みがあります。以下に概要を書いておくので、当てはまる方は申請の是非を検討をしてもよいかもしれません。

1. 国民年金の保険料軽減の仕組み
国民年金の保険料軽減にはいくつかの制度があります。以下が主な軽減策です。

  • 免除制度: 所得が少ない場合、全額または一部の免除が受けられる場合があります。免除を受けることで、年金の支給資格を維持することができますが、免除された分については年金額が減額されることがあります。免除には以下の種類があります:

    • 全額免除: 収入が一定基準を下回る場合、全額が免除されます。

    • 一部免除: 一部の保険料が免除される場合、残りの部分は納付が必要です。

    • 納付猶予: 特に若年層(20〜50歳未満)は、収入が不安定な場合に、納付猶予を受けることができます。

  • 学生納付特例: 学生に対しては、一定の条件のもとで保険料の納付が猶予されます。年齢が20歳以上で学生であれば、学生納付特例を受けることができ、後で納付することが可能です。

これらの軽減策を利用することで、事業開始後の収入が少ない状況でも年金の支払いを軽減することができます。ただし、免除や猶予を受けた期間は、年金額が減額される可能性があるため、検討する際は担当窓口に問い合わせたうえ、ご自身の状況等を照らし合わせて確認をしてみてください。


2. 国民健康保険の保険料軽減の仕組み
国民健康保険には、保険料を軽減するためのいくつかの仕組みがあります。

  • 保険料の減免制度: 災害や所得の急減などで困窮している場合、自治体が保険料の減免を認めることがあります。例えば、大規模災害や病気で急激に所得が減少した場合、その年の保険料の減額が可能です。

  • 特別減免制度: 一定の条件を満たす場合、保険料が減額される場合があります。具体的には、所得が一定額を下回った場合、保険料の減免を受けられることがあります。

  • 所得の低い世帯の軽減: 低所得世帯に対しては、所得に応じて保険料の一部または全部が減額されることがあります。これも自治体ごとに異なるため、居住している自治体の条件を確認することが重要です。

  • 高額療養費制度: 医療費が高額になる場合、一定の限度額を超えた分については返金される仕組みがあり、これも間接的に負担軽減に役立ちます。

国民健康保険の保険料軽減も、基本的には住んでいる自治体に申請する必要があり、審査を経て減免や猶予が適用されるので、申請を検討されている方は自治体の担当窓口で確認してみてください。


まとめ

いかがでしたか…と書きつつ、簡単にサラッとわかりやすく書こうと思っていたのに、やっぱりややこしくて長くなってしまった…(簡単にできず、、、ごめんなさい…)
ただ、こういった“ややこししい”手続きが発生するものって、きちんと調べて対応すると案外得したというケースも多いので、ややこしいとは思いますが、ご自身の状況に適した制度を選んでみてくださいね。


次回お知らせ

次回は「個人事業主が知っておくべき経費の落とし方」というテーマで書いてみたいなと思っています。それでは〜。

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