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スリコのハロウィン電飾をパワーアップさせた話
完成品
今回の記事は電子工作をする人以外だと読んでても「?」なので先に完成品の動画を載っけておきます。
最終的にこうなった(なんか縮尺おかしい…) pic.twitter.com/MVNMKFEEH0
— kurokky(黒木シンタロー) (@black_tree) October 2, 2024
きっかけ
早いもので2024年も10月を迎えました。弊社も9月には評価面談があったり目標を立てたりという恒例の行事?が行われていますが、我が家では幼稚園の2学期が始まったと思ったら、運動会、芋掘り遠足の準備やらで心を無にして「やるしかない」状況が色々あります。
そんな作業の1つとして、9月上旬にはクリスマスツリーを出して、オーナメント(装飾)をハロウィン仕様にするというのを毎年やっています。
まだまだ暑いのにツリーを出してハロウィン仕様に。今年は子ども達と一緒に余った #ナノブロック で #マイクラ のクリーパーを作りまくって飾っている… pic.twitter.com/QasN6lhR48
— kurokky(黒木シンタロー) (@black_tree) September 8, 2024
因みに去年はこんな感じでした。(電飾ないと寂しいのが分かると思います)
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ただ、毎年思うのですがハロウィンってツリーに最適化したいい感じの電飾がないんですよ。あっても大体カボチャ単体の口の中が光るみたいなので、クリスマスツリーの あの感じ がどうも出ないなぁって思っていたところだったのですが…
娘「パパ、幽霊の光るの買ってきたよ!」
どうやら3歳の娘がスリコ(3coins)で、これを見つけてきたのです。
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モヒカン「そっか、じゃぁ電池を入れてみようね…」
で、単三電池二本をセットしてスイッチON!
娘「……」
モヒカン「ん?どした?」
娘「パカパカ(ピカピカ)しないね…」
モヒカン「そうだね…」
ぶっちゃけ電池を入れた時に電飾の制御部分がなかった(明らかに3VをスライドスイッチでON/OFFしてるだけ)ので分かってました。
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息子「大丈夫、パパがやってくれるよ」
モヒカン「そ、そうだね…」
始まりました……意図せず勝手に宿題が増えるパターンです。
悪い予感しかしません。
息子「あと、電池だと勝手に消えちゃうから、クリスマスツリーみたいに勝手に着いて消えるようにしてくれるよ」
モヒカン「そ、そうだね…」
確かに我が家はクリスマスツリーなどの電飾を17時に着けて、21時に消えるというのをスマートプラグ等で行っているので、やれない事はないんですけどね。
何もこの時期に言わなくても良くないか?ってのはありました。
問題(要求)を整理する
電池式じゃなくす
LEDを点滅するようにする
タイマー式にする
ぶっちゃけ1の電池式じゃなくすなら、結構簡単でUSBの5Vから3Vに降圧するレギュレーターをかませばいいと思っていたのですが、なんせこういうのをやっていたのが6年以上も前なので3Vの降圧レギュレーターがどこにあるのか分からない状態です。
で、思い付きます。
「どこかに、Raspberry Pi Pico(初代)が2枚くらいあったはず!」
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そうです、どうせなら全ての要求を満たすものを作ればいいわけなので、大人しくマイコンで制御すればいいのです。
(※Raspberry Pi PicoとRaspberry Piは前者はOSなしのマイコン、後者はLinuxなどOSが必要で全く違うものです)
仕様を決める
今回は電源OFF(というより、電飾のOFF)制御をどうするか?を考えた時にマイコン自体にinternetの機能を持たせないように考えました。
理由は簡単で、クリスマスツリーの電飾の制御と同じスマートプラグを使うからです。
なので、Raspberry Pi Pico WやESP32などのIoT(wifi機能有り)ができる機器はリッチ過ぎますし、大きなメモリもクロック数も必要ありません。
そう言った意味ではRaspberry Pi Picoでなくても良いのですが、一番気にしなければならないのがUSBが5Vに対して電飾が3V仕様ってことです。
経験上、3Vのものって3.3Vくらいまではいけるんですが5Vは明らかに壊れるものが多いので、USBをそのまま使うのは危険です。
そうなると、メジャー所のArduinoのロジックボードは大体が5VでアウトするのでNGになりますが、その点Raspberry Pi Picoは3.3Vなので降圧という部分を余裕でクリアしています。 (もちろん、Arduino nanoなどを降圧すればいいんですけど、部品が増えると途端に↓にあるようなユニバーサル基盤が必要になったりしてカッコ悪いんですよね…)
ハードウェアがない?
さて、そんなこんなで子ども達を寝かしつけて22時、深夜工作の時間です。
自分の部屋のIoT部品やらがある棚を探してみます。
「……ない」
まぁ、Arduino派だったので、あふぉみたいにArduinoの亜種のボードが出てきますが肝心のRaspberry Pi Picoが見つかりません。
で、購入履歴を見たら2021年の2月。
「……3年以上も前のは見つからなくてもしょうがない…」
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ということで、いつもの通りArduinoで実装をしようと考えますが、前述した通り基本的にArduinoのロジックボードは5Vです。
で、出てくるのはArduino Nano系(5V)のボードばかり…
「確かPro miniが3.3だった気が……」
そこで、未開封のArduino Pro miniの封筒を見つけたのですが…
「USBのシリアルケーブルがみつからない!」
そうです、Pro miniにプログラムを書き込むにはシリアルケーブルが必要なんです。
「くっそ、こうなったらESP32(8266)系でいいや!」
そう思って、探して簡単に見つかったのが7年前に外出先から風呂を自動で沸かす為に使っていたESP8266でした。
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中のesp8266は7年前の1月にインフルエンザになってる時に開発したお風呂自動システムのやつ pic.twitter.com/3XJcUYiquU
— kurokky(黒木シンタロー) (@black_tree) October 4, 2024
「もう、これでいいや。wifi機能も何かあれば使うかもしれないし…」
ということで、分解作業に入ります。
電池ボックスをぶっ壊し…
ハードウェア系の何が面倒か?って言ったら、個人的にはハンダ付け以外の全てなんですが…
今回はもとからついてた電池ボックスに回路を入れ込む為、ラジオペンチで内部のへり?を折っていきます。
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そして、Micro USBが刺せる穴を開けます。
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マジでこの辺をちゃんとやろうとするとプラモデルスキルの方が必要になりますが、今回はいつも通り適当です。
で、無事にハンダ付けとプログラミングをしてなんとか出来上がりました。
というか、プログラミングと言ってもLチカっていう基礎の基礎なので、脳を通さずに書く内容なのでコーディング時間3分以下でしたけど…
結局ランダムで光る速度を変更する
朝起きて、子ども達と妻にできた事を報告すると、案の定「光る速度」を変更してほしいという要望が…
そうです。こういうものを作る場合は一旦ちゃんと動くものを作る事が大事で、それをやると初めて次の要望が出てくるのです。
ということで、5秒ごとにランダムで1秒、0.5秒、0.25秒に点滅する仕様に変更します。 (これもプログラミングと言えるか怪しいくらいのコーディング量です)
妻からの要望で点滅のパターンをランダムで3つ用意した。 pic.twitter.com/cdRTKAEbvo
— kurokky(黒木シンタロー) (@black_tree) October 2, 2024
そんな、感じで無事に家族の検収が終わり無事に納品が終わりました。
ボードを探す時間を除いたら1時間かかってないと思いますが、夜中にリビングに一人でミニバイスでUSBの穴を開けている時に「何やってんだろうなぁ」とか思ったのは内緒ですが、これからもIT父ちゃんとして「無いものは作ればいい」の精神で家族の要望に応えていきたいと思います。
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