1998とても気になる作家たち21 04
小森健太朗
1.ネヌウェンラーの密室
2.ネメシスの哄笑
3.ローウェル城の密室
4.神の子の密室
5.眠れぬイヴの夢
★デビュー作の「コミケ殺人事件」が出版されたときから、気になっていた作家でした。なんせ至上最年少で乱歩賞の最終候補に残った人ですからね。――で、初めて読んだのが、その最終候補に残った怪作「ローウェル城」……ぶっ飛びました(笑)。以後、なんやかんや文句をたれながらも、ずっと追い続けている不思議な作家さんであります。
★ベストは「ネヌウェンラーの密室」。巷の評価はどうあれ、僕は純粋にこのトリックには驚きました。近々、「ネヌウェンラー」の続編が出るそうで……非常に楽しみにしております。
真保裕一
1.奪取
2.奇跡の人
3.ホワイトアウト
4.密告
5.盗聴
★乱歩賞受賞作の「連鎖」があんまり僕好みじゃなかったんで、しばらくの間はそれっきりだったんですが、友人の薦めで読んだ「ホワイトアウト」にはまり、それ以降の作品はどれも大好きになってしまいました。初期の頃に較べると、ますますエンターテイメント性が強くなってきたような感じで、今後がとっても楽しみ。
★「奪取」はあの分厚さをひと晩で読んでしまった徹夜本。最近、分厚い本は多いけど、徹夜で読んでしまうほどに夢中になった作品は、これ以降まだ現れてませんな。
鈴木光司
1.リング
2.ループ
3.楽園
4.らせん
5.生と死の幻想
★「リング」を読んだときの衝撃はいまだに忘れられません。読み終わってすぐに、続編の「らせん」を買いに出かけたことも懐かしい思い出。1996年は鈴木光司イヤーといってもいいくらい、彼の作品を読みふけった年でした。今年は「リング」「らせん」の映画化から始まり、シリーズ完結編の「ループ」が出版されるなど、ますます大活躍の1年でしたよね。
★「リング」三部作は当然ベスト5に入るとして、その他のお薦めは……やっぱりデビュー作の「楽園」かな。手塚治虫の「火の鳥」を思わせる壮大なスケールには度肝抜かされます。