宇宙戦艦ヤマト 復活編 30
第9章 さらばマグネ星人(2)
1(承前)
「……ゴーステスト」
銃口を目の前の敵に向けたまま、古代は落ち着いた口調でいった。
「勝つのは俺たちだ」
「はったりはよせ。おまえに私は殺せない。私を殺したら、地球を救う術は完全になくなるのだからな」
「いや、殺しはしない」
「なに?」
ゴーステストの表情がわずかに曇る。
古代は静かに銃の引き金を引いた。
「ダメ! 古代君!」
ユキの叫び声が耳に届く。
ゴーステストに向けて真っ赤な光が照射された。
2
ヤマト艦内では、全員が古代からの報告を今かと今かと待ちかまえていた。
「カックーミサイルが地球に到達するまであと二分しかありません!」
モニターを見ながら相原がいう。
地球滅亡まであと二分。
今からミサイルに追いつくことは不可能だ。
「古代、なにをしている?」
真田が苛立ちの表情を見せる。
「テレサ、なんとかできないのか? 君ならきっと――」
「……いいえ」
テレサは申し訳なさそうに首を横に振った。
「私にそのような力はありません」
「地球はどうなる? 君は予知能力を持っているのだろう? 地球の未来もわかるのではないのかい?」
真田の問いかけに、テレサは答えようとしない。
まるで、地球の滅亡を確信しているかのようだ。
「地球はもうおしまいなのか?」
真田が苦しそうに呻く。
彼の質問に答えられる者は誰もいなかった。
つづく