1998とても気になる作家たち21 05
清涼院流水
1.カーニバル・イヴ~人類最大の事件
2.ジョーカー~世紀末探偵神話
3.コズミック~旧約探偵神話
4.エル~全日本じゃんけんトーナメント
5.19ボックス~新みすてり創世記
★クセのある食べ物っていうのは、最初は大っ嫌いでも、食べ続けるうちにだんだん夢中になってきたりして……彼はそういう作家。上記5作品しか出版されておらず、ようやく夢中になり始めたのが、「カーニバル・イヴ」からなんで、まさしく「これから!」の作家ですな。超大作「カーニバル」――期待してます。
★いまだかつてここまで大笑いできた推理小説があっただろうか――ってことで、「ジョーカー」は忘れられない作品ですな。「エル」は「カイジ」を読んでいなければ、もう少し評価が上がったんだけどね。
西澤保彦
1.七回死んだ男
2.複製症候群
3.瞬間移動死体
4.仔羊たちの聖夜
5.ナイフが町に降ってくる
★ここ数年の間にデビューした作家さんの中では一番のお気に入り。西澤マジックの虜になったのは第3作「七回死んだ男」から。これを上回る作品が未だ登場していないのは残念だけど。トリックももちろん面白いけど、物語としてよくできているのがまた魅力ですよねぇ。そういう意味では「複製症候群」や「瞬間移動死体」なども文句ナシの傑作。
★今年はこれまでとはちょっと毛色の異なる「猟死の果て」なども出版され、相変わらずの活躍ぶりだった西澤さん。チョーモンインシリーズも面白くなってきたし、今後も目が離せませんな。
貫井徳郎
1.天使の屍
2.慟哭
3.誘拐症候群
4.修羅の終わり
5.失踪症候群
★貫井さんの作品を読み始めたのは比較的最近で、「天使の屍」が最初。これがムチャクチャ面白かったんで(巷の評判はイマイチみたいだけど)、一気にファンになってしまいました。講談社ノベルスで今年出版された「鬼流殺生祭」はシリーズ化されるみたいだけど、貫井さんにはあーゆーバリバリの本格モノよりは「天使の屍」みたいな作品をもっと書いてほしいなぁ。
★「烙印」は未読。「修羅の終わり」は読了後もいろいろと楽しませてもらったので(笑)ランクイン。「症候群」シリーズはお気に入りなんで、早く次の「殺人症候群」を。