1996ベストミステリを語る 08
ミステリコミック爆発!(97 1/2)
「『金田一少年の事件簿』がヒットしたせいか、今年は本格ミステリコミックが急激に増えたんじゃない?」
「超能力と犯人捜しを絡めたミステリも『ジャンプ』や『マガジン』で始まったしね。青年誌では犯人当て懸賞付きの漫画が結構目立ったし」
「少女コミックの方では我孫子さんの『人形シリーズ』がコミック化されたり、さらに我孫子さん原作のオリジナルコミックが始まったりね」
「少女コミックといえば、野間さんのお天気ミステリ『アトモスフィア』も気になる存在だよね」
「今後も本格ものを扱ったミステリコミックはますます増えるんじゃないかしら?」
「だろうね。その他、『名探偵コナン』がTVアニメになったり、『金田一少年の事件簿』が映画化されたりと、なにかと話題の多い一年だったね。そうそう、春から『金田一少年の事件簿』がTVアニメになるらしいぞ。これはびっくり」
「アンケートでも、ベストミステリにコミックを選んでいる人が何人かいたわよ。紹介するわね。まずはA富さん。『ジョジョの奇妙な冒険』45、46巻がベストミステリとのこと。以下、そのまま引用するわね。『はっきりいってジャンプにのっているとは思えないほど(笑)、推理にたいする理解力のいる作品です。(セリフの横の傍点の多さも推理小説なみ) 特に45巻は漫画版『七回死んだ男』ともいえる内容でとても面白いです。(すでにほかのインターネットの感想文で書かれていましたが)』」
「ああ、思い出した。第4部のクライマックスのエピソードだね。うん、確かにあれは面白かった。『ジョジョ』は僕も単行本を揃えていたんだけど、途中でなんとなく止まっちゃっているんだよね。これを機会に、また揃えてみようかな」
「第5部になってからはまったく読んでないんだけど、今も面白いのかしら?」
「『ジャンプ』で終了しないってことは、まずまずの人気があるってことでしょう」
「他にSさんが『蝶迷宮』というコミックを挙げてるわね。読んだことないんで、どんな作品なのかまったくわからないんだけど……機会があったら読んでみます。コメントは『これをミステリーを呼んでよいのなら、ですけど・・・』となっております」
「……とまあ、ミステリコミックもいろいろあったわけだけど、なんといっても僕のお薦めは『カイジ』なわけよ」
「すでに何度も触れているけど、ホント、この作品は面白いわよねぇ」
「まだ連載中なんだけれども、今後、どのような展開となるのか、今もっとも興味がある漫画だったりするわけです」
「しつこいけど、本格の好きな人はぜひ読んでみてね」
解説
~金田一少年の事件簿~
「金田一少年の事件簿」(金成陽三郎/さとうふみや*講談社少年マガジンコミックス)
金田一少年の孫で高校生の少年が難事件を解決していく。
~人形シリーズ~
「人形はこたつで推理する」(河内実加*ソニー・マガジンズコミックス)
我孫子武丸氏の人気シリーズをコミック化。
~アトモスフィア~
「アトモスフィア-12か月のひまわり-」(野間美由紀*白泉社花とゆめコミックス)
気象予報士が名探偵となって、日常の些細な事件を解決していく。
~名探偵コナン~
「名探偵コナン」(青山剛昌*小学館少年サンデーコミックス)
高校生名探偵工藤新一は毒薬を飲まされ、小学生になってしまった……。
~ジョジョの奇妙な冒険~
「ジョジョの奇妙な冒険」(荒木飛呂彦*集英社ジャンプコミックス)
スタンドという特殊な能力を持つ人間たちの戦いを描く。
~蝶迷宮~
「蝶迷宮」(神谷悠*白泉社花とゆめコミックス(?))