宇宙戦艦ヤマト 復活編 40(終)
エピローグ~真の終章(4)
3(承前)
「ふたりとも健康そのものだけど、とっても寂しそう」
女の神がなにやら口にする。
「悩みごとがあるみたいね」
「ああ……そのようだな」
男の神が頷いた。
「一体、なにを悩んでいるのか、頭の中を覗いてみましょう」
女の神はオゾンとウランの額に手を伸ばすと、まぶたを閉じた。
「ああ……そういうこと」
「なにが見えた?」
「どうして私たちには子供ができないのか? と悩んでいるみたいね」
「接することを知らないのか?」
「教えてあげましょう」
女の神が身にまとっていたベールを脱ぎ捨てる。
「さあ、島さん」
「よし、テレサ」
男の神も裸になった。
オゾンとウランは呆気にとられながら、ふたりの行動を観察し続けた。
――古代さん、ユキさん……
頭の中に声が響き渡る。
目の前にいる神様の声だとすぐにわかった。
――いいえ、今はオゾンとウランでしたね。
裸で抱き合いながら、神はふたりに語りかける。
――あなたたちの手で再び地球を……
ふたりの神が天へと戻っていったあとも、古代とユキはその場を動くことができなかった。
呆然と空を見上げる。
「神様が子供の作り方を教えてくれた」
「ありがとう……神様」
そう口にしながら、ゆっくりとおたがいの身体を見つめ合う。
「……ウラン、君は美しい」
「オゾン……」
神様がやっていたように、オゾンはウランの身体を抱きしめる。
「ああ……オゾン」
ウランもオゾンを抱きしめ返した。
彼女の目から涙がひと粒こぼれ落ちる。
赤ん坊の泣き声がどこからか聞こえたような気がした。
大地が温かくふたりを包みこむ。
人類の新たな歴史が始まろうとしていた。
終わり