宇宙戦艦ヤマト 復活編 38
エピローグ~真の終章(2)
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古代とユキは宇宙科学センター内の地下シェルターに避難していた。
壁はひび割れ、その隙間から溶岩がこぼれ落ちる。
ここもそう長くはもたないに違いない。
「ユキ……人ってなんだと思う?」
古代はそう口にした。
「この世に人類が誕生するまで、世界は平和だった。自然破壊も無意味な争いもない……それなのに人間がすべてダメにしてしまったんだ」
「…………」
「人ってなんだ? 地球を蝕む癌細胞か? 神はなぜ、こんなにも愚かで醜い生物を作りあげたのだろう? ああ……もう一度、人類の歴史を一からやり直せるのであれば――」
あたりに爆音が轟く。
天井が崩れ落ち、溶岩がなだれ込んでくる。
「古代君」
ユキが古代にしがみつく。
その身体は震えていた。
「俺たちはいつまでも一緒だ」
古代はユキを強く抱きしめ、目を閉じた。
これでなにもかもおしまいだ。
覚悟を決める。
だが、古代は気づいていなかった。
地下シェルター内にネオアルゴンの光が漏れていたことに。
つづく