宇宙戦艦ヤマト 復活編 31
第9章 さらばマグネ星人(3)
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「なんだこれは?」
ゴーステストが怪訝そうな声を漏らす。
彼の身体は赤い光に包まれていた。
「この銃にはネオアルゴンの成分が凝縮して詰め込まれている」
「ネオ……アルゴン?」
「この光を浴びたおまえの肉体はどんどん若返っていく」
「ふは……ふはははは」
ゴーステストは大声で笑った。
「気でも触れたのか? 私を若返らせてどうする? ……をを! どんどんと力がみなぎってくる。私はもっと強くなれるのだな」
「それはどうかな?」
古代は笑った。
「光を浴び続ければ、赤ん坊にまで逆戻りだ」
「え……」
ゴーステストの顔色が変わる。
『カックーミサイル到達まで残り三十秒』
部屋の外から合成音が聞こえた。
「おい、やめろ! やめるんだ!」
慌てふためくゴーステストの顔が突然変わったことに、古代とユキは気がついた。
その顔は――。
「ま、まさか……」
ユキが目を見開く。
「そんな馬鹿な……」
古代も驚きを隠しきれなかった。
ゴーステストの身体は青年から少年、そして赤ん坊へと変化していく。
彼の手からスイッチが落ちる。
『残り十秒』
ユキはスイッチを拾い上げると、ゴーステストを抱え上げ、彼の指先にスイッチを押し当てた。
『自爆装置発動。カックーミサイルはすべての機能を停止し、消滅しました』
地球滅亡の危機は回避できた。
しかし、古代とユキは喜ぶ余裕などなかった。
複雑な表情で、赤ん坊の顔を覗き込む。
「……島さん」
ユキはそう呟いた。
つづく