宇宙戦艦ヤマト 復活編 35
最終章 戦士たちの帰還(3)
2(承前)
「島……」
古代の頬を涙が伝う。
「私はニューテレザート星へ帰ろうと思いますが……」
テレサはしばらくためらいの表情を見せたあと、意を決したようにいった。
「私に島さんを預けていただくことはできませんか?」
「……え?」
「無茶なお願いをしていることは重々承知しています。でも……私は島さんを愛している。赤ん坊の姿になった今も、その気持ちは変わりません。ふたりで……ニューテレザート星で暮らしたいのです」
古代たちは顔を見合わせた。
地球に島の肉親はもう存在しない。
近しい親戚もいないと聞いている。
もしいたとしても、今さら島が生きていたと聞いても戸惑うだけだろう。
赤ん坊になった今の姿を見て、彼が島であると信じるかどうかも疑わしい。
それならば、島が死ぬまで愛し続けたテレサと一緒に暮らすことが、彼にとって最善の選択になるのかもしれない。
「わかった……」
古代は頷いた。
「それじゃあ、ニューテレザート星まで送っていこう」
「ありがとう……地球の皆さん」
赤ん坊が小さな手をテレサの顔に伸ばす。
テレサは赤ん坊に頬を寄せた。
「島さん……これからはふたりで永遠に……」
つづく