原子力発電が二酸化炭素を出さない件
火力発電は炭素を含む物質の燃焼により発電するので二酸化炭素を出すが、原子力発電はウランの核分裂により発電するので二酸化炭素を出さない。
火力発電と原子力発電ではエネルギーを出す基本原理が異なる。火力発電は燃焼による化学エネルギーで、原子力発電は原子核反応による原子エネルギーである。
反応する物質により出るエネルギーと二酸化炭素の量は異なり、下表のようになる。
物質 :1トンが反応した時のエネルギー :排出されるCO2の量
単位 ギガジュール(GJ) トン
石炭 : 29.9GJ : 3.66トン
石油(A重油): 44.4GJ : 3.12トン
ガソリン : 47.4GJ : 3.09トン
LNG : 54.5GJ : 2.75トン
ウラン235 : 89×10の6乗GJ : 0トン
ウランの核分裂は二酸化炭素を出さないのでCO2排出量は0であり、反応で出るエネルギーは、上の数字から化学反応(燃焼の反応)とは桁違いに大きいことが分かる。
ウランの核分裂の反応を原子核の変化として記述すると。
ウラン235+中性子→イットリウム95+ヨウ素139+2中性子
この反応にはどこにも炭素がでてこない。
つまり原子力発電によって炭素は排出されない。
そもそも燃焼は化学的な反応であるが、上記の反応は原子核の反応であり化学反応ではない。原子核の反応によってなぜエネルギーが出るかというと、皆さん見たことがあるかもしれないアインシュタインのエネルギーと質量が等価という有名な式
E=mc2
上記の原子核の反応によって質量が減少して、その質量分がエネルギーとして放出されるからです。
cは光の速度を表し、c=299792km/S さらにそれが二乗されるので非常に大きな数になることがわかると思う。
具体的には上の表に記載したように、同じ重さの石炭の燃焼に比較して、約300万倍程度。
重さで比較すると、石炭1トンに対して、ウラン235では0.33グラムで同じエネルギーが得られる。
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