戸惑い
もて遊ぶように
冬の風は渦を巻く
君の瞳は揺れる
僕の心も揺れる
二つの声がする
声が響く
呪文が聞こえたら
魔法の合図
囚われてしまう前に
抜け出さなきゃ
君が僕にかけた迷路から
違う世界を駆ける
君を追いかける
自由を飛ぶ君を
僕は見ていたい
見ていたいはずなのに
僕の手は
君を掴みたいと手を伸ばしてしまう
こんなのは僕じゃない
僕じゃない
そんなの分かっている
じゃあその震える手はなんだ
もう一人の僕が笑う
鏡の奥から覗いている
戸惑いを
隠し切れずに
震えを憎んで俯いた
君を僕は掴んじゃいけない
君は自由に飛ばなきゃいけない
僕はそこに映っちゃいけない
僕はまだ君にかけられた迷路の中を
彷徨う
明日の出口を探して
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