生きているから

このまま公開してよいものか考えました。
読んだ人が悲しくなってしまってはいけない。
悲しみに触れたくない方は、読まれない方がよいのかもしれません。
わたしは楽しく生きています。
それでも暮らしのなかに、自分で制御できない感情がある。どなたにもあるそんな当たり前を、わたしも書いてみたくなりました。
#なんのはなしですか

うちの犬１号は
一昨年１０月に死んだ

それから毎日何度も
心に浮かんでくる
ことば

ずっといっしょに生きたかった

仔犬でうちに来たときから
決意していたことがある

わたしの手の中で
幸せに死んでもらう

彼が幸せに死ぬために
幸せに生きてほしいと
毎日を必死になって
いっしょに楽しんだ

わたしは先に死なない
わたしが看取る

覚悟していたはずなのに

いなくなった今
ずっといっしょに生きたかったと
不意に心に浮かんでくる

着替えているとき
窓の外を見て
コーヒーを淹れるあいだ
どんなときでも
不意に

ずっといっしょに生きたかった

彼は
わたしの手の中で
幸せに死んだ

そうしてくれた
とても楽しく生き
最期までがんばって生きた

ありがとう

そう伝えたいのに

ずっといっしょに生きたかったと
不意に心に浮かんでくる

それはわたしが生きているからだ