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魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語 感想

万人おすすめ度3/5

個人的刺さり度5/5

あの…………………………
おいしかったです…………………………

わたしのまどか。

これは愛の物語である。
自分の輪郭さえも忘れるほどの、苦くて甘美な、狂おしい愛の物語だ。

あなたの笑顔を見たかった。
あなたの幸せを願っていた。
どうしても掴みたい未来があった。

なんどもなんども、心を折られていくたびに。

あなたのことが、ほしくてたまらなかった。

何度も何度も心を手折られても、最後にほむらが願うのは平凡そのものの、彼女との毎日であった。
その祈りさえも利用されていることに気づき。心が絶望に蝕まれた先の救済さえも、彼女のためにと閉じこもる。
そんなほむらが。最後の最期に彼女の救済がもたらされる。
彼女のためにと走り続けた彼女がついに、その時魔女になった。いいや、魔女を超えた。



‪あまりにも好みな愛の物語だったんだよね、まず濁りきったほむらが描く街が‬転校したばかり、まだ髪を結っていたころのほむらたちのただの日常なの最高で、そこでただ甘い夢を見ていればいいのに、聡い彼女はその違和感に気付いてしまうし、自らまた髪をほどく。
もう…!!あなたは……!!あんなにも絶望を循環させてその身に、ただ1人で背負ってきたのに、描くものは変わっちゃいない、尊いよ…
全ての違和感を解きほぐし、自らが魔女であることに気付いたほむらは、また1人で抱え込むことを選択する。
結局、"円環の理"サイドのさやか、ぺぺ、まどかが加勢して、結界を中から打ち破るんだけど……
あのまどかとほむらが2人でキュゥべえの作った結界を射るシーン超熱かった!!!!!!
さやかも最後まで、キュゥべえからまどかのことを守り続けてかっこよかった……あなたそんなにかっこよかったっけ(´;ω;`)


そして結界は打ち砕かれる。
繰り返し続け、溜まり続けた呪いは解き放たれ、救済の手が差し伸べられる。
それはずっと思い続けた彼女との再会なのだ。
でもそこで彼女は魔女に、いや魔女を超えた存在になる。
今まであなたのために、と思い続けた焔が。
あなたが欲しいと思った瞬間世界を包んだ。

(願いが叶った瞬間闇堕ちするの好みすぎる。どうあがいても彼女は頑張っても報われないな……!! 綺麗な優しいまどかのことが好きで、そのために自分が濁りきるほど絶望を繰り返したのに、ようやく彼女に会えた瞬間世界を彼女ごとまっくろに包むの、すきです!!!!)

まどかが世界の円を作り直すほどの因果を背負った分。
ほむらも自らの焔を燃やし続けていた。

それはもちろんこの世の理を変えるほどの業火で。

あなたが好きだと1人で叫び続けた想いが、今ようやく解き放たれた。それが爽快で、快感でなくてなんだ。
これは秩序を溶かすほどの愛の物語なんだ。


そして世界は書き換えられた。

時間軸を超えた存在となった円から、個体の意識としてのまどかを抜き去ったほむら。
しかし、抜き去ったところでそれはまどかであることに変わりはないのだ。

「あなたは人を救うことで自分の願いを叶えたいの? それとも相手の恩人になりたいだけかしら」
初期にマミがさやかに投げかけた言葉であるが、ここでもその問いは訴えかけてくるように思う。
救われた誰かが、救いをどう使うかはその人次第だし、救いによってその人が変わるかはわからない。

結局まどかはまどかとして自らの性質が変わらない以上、円環の理を生み出す存在であることは変わらない。
アニメ版で、彼女が変わらず彼女であった以上、円環の理になる以外に結論が見出せなかったように。
劇場版になったところで彼女があれ以外の道を見つけるわけではないのだ。

そこで彼女は自分がまどかの敵になるであろうことを察し、自ら死を選ぶ。



もう!!結局変わってないじゃん!!!!!
いっつもあなたは、まどかに自分を大事にしろといいつつ自分が自分を大事にしない!!!! この物語、どいつもこいつも自分が自分である以上こういう結末しかないよねっていうところが好きだ!!!

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