もう愛を探さない、なんて言えやしない
既製品の夢のような愛はもう、いいです。
そうそう見えない流れ星に祈るよりも遠く感じるから、太陽を…いえ、あんなに大きく微笑むことはできないのでした。
だから私は月のように時々隠れながら。
愛を持って照らす人になりたいなと思います。
朝は太陽に、曇りの日は雲に任せて。
私の晴れの日にだけ。こちらを見てくれた誰かだけに微笑みましょう。
見えている限りの誰ものことを祈ってはいるけれど、こちらを見てくれる貴方だけには特別に愛を持って照らします。
寂しくならないように、本当はいつもここにいるのだと。新月の日もぷっかりそっと浮かんでおきます。見つけられる人にだけわかればいい。
誰かは夜空を見ないでしょうけれど、誰も夜空を見上げない日なんて一日たりとも無いのですから。
私の後ろで輝く星たちだってみんな、遠くても元気に輝くのです。
ほら、そうやって考えると愛されるのをただ待っているだけなんてもったいないことだと気付くでしょう。
輝いていればいつかは、この輝きが一番好きだと言ってくれる誰かと出会えることでしょう。
ここにいる、と言わずに居れば気付かれないかもしれない。
手を振れば、目を見て微笑めば、ここにいるよと言わなくても気付くかもしれない。
温もりを分けあえたなら、相手が傍にいることにもよくよく気が付くでしょう。
一人では輝けない。
どの星だって、太陽がいなければ。
それでいい。
同じ共通点はここに有るとは叫ばない。
全てがわかりやすく言葉で象られているなんてことはないでしょう。
言葉になる前の、微睡みのような心を持って手探り合えばいい。
何度だって。生きている限りに何度だって触れ合って。
この手が、その手が、冷たくなってしまうまで。