英勝院のうまいもの
はじめに
皆さんは
「美味しいものは何でしょう?」
と訊かれたら
「ハンバーグ」
「稲荷寿司」
「海鮮丼」
なんて答えてたらそれは凡人の受け答えかもしれません
新しく知り合う人と良く起こりがちなこの質問に、英勝院が答えた見事な返し方で答えるとちょっと賢そうに思われるので相手にできる人と印象付けたい時に使いたいグルメの会話をお伝えします
英勝院とは
徳川家康の側室で家康からの信頼が厚く、家康の死後も多くの側室たちが出家し表舞台から離れても彼女は幕閣から重きを置かれ存在感を放ち続けました
3代将軍家光の母親江与と家光の乳母の春日局と対等な関係を保ち続けた彼女は軽んじられることもなく最後まで生きる事ができたのは、対人関係の受け答えが見事であった部分が大きいと思われます
彼女の聡明さは遺伝が大きいかも知れません
太田道灌の曾孫であったのです
徳川家康の先祖は流れ乞食です
彼は豊臣秀吉程ではありませんが自分の先祖にはない出自が良い女性に関心が高かった時期がありますが無いものに魅かれたんでしょう
城内の侍女に会話してみると周囲と違う賢い答え方をする少女がいて、気になって先祖を訊いたら太田道灌という事がわかり、家康は気に入ってしまい側室に迎えています
当時の名は梶でした
後に勝ち戦の後でご機嫌となった家康は彼女の名を勝としました
家康のお気に入りが伺える部分です
グルメ話が起こるのは昔も今も変わらない
徳川家康の側室にお梶の方ともお勝の方とも言われる後の英勝院が(まだ出家前の事なので呼び方はお勝にしておきます)
ある日の事、家康はこのお勝と家来と共に
「一番うまいもの」
の話をしていましたが、家来はあれがうまいこれがうまいと好物を言うものの、お勝はニコニコしていてなにも言わなかったのです
家康はお勝に
「この世で一番うまいものは?」
と訊ねるとお勝は
「塩でございます」
という
「なぜ塩なのだ?」
「塩がなければ味は調いませぬ」
こんな答えが返ってきたものだから家康は、
「では不味いものは?」
と真逆な質問をしてみたところ
「それも塩でございます」
「なぜ塩か?」
「塩も過ぎれば味を損ないます」
これを聞いた家康と家来たちはたいへん感心したという話です
人から軽んじられない人は受け答えも大元をシンプルに回答してるそんな逸話でした
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