28.「犬をよこに」
怒るとか、泣くとか、恨むとか、自分の魂を削り取ることを代償に相手に期待することを辞めてからどれくらい経ったのだろうか。
通勤と睡眠を繰り返すだけの日々を重ねた先に何があるのか、考えることを放棄してから私は何か変わったのだろうか。
「いつから私はこんなにつまらない人間になってしまったのか」
日曜日の夕暮れはこんな堂々巡りの思考を飽きもせずに辿り、打ちひしがれるような絶望感を飽きもせずに覚えるにはこれ以上ない時間だった。
そして、そのたびにあぁ良かった、まだ私は完全に自分を諦めた